実家じまい記録【過去記事:雛人形どうする?】
実家じまいで困った大物ベスト4といえば、
仏壇、2階に詰め込んだスタンドピアノ、でかい切り株、雛人形だ。
うちのは、いわゆる団地型。ガラスケースに入ったタイプなので、中のお人形さまたちもまだまだキレイ。
しかし、突然小さなマンションにおかんと同居することになり、とてもじゃないけれど置く場所がない。
周りに相談するとご供養をすすめられたけど、愛着があり、とてもじゃないけれどそんな気にならず。
処分したくないとSNSに投稿したら、なんと友人の奥方から、「ホテルのフロントロビーにいいかも。心当たりがあるので聞いてみます。」と連絡をもらった。
彼女はヒルトン、リッツカールトンやスイスホテルでセールスマネージャーを経てきた敏腕ホテル女史。ホテルのみならず、周辺の観光地などもプロデュースされている。
そんなステキな方の目に止まってくれた、うちの雛人形たち。もってるなー!ラッキー過ぎるぜ。
ありがたいことに、トントン話が決まり、お引き取りくださったのは、大阪曽根崎にあるホテルエルシエントさん。
今回、ひな祭りに間に合うよう大阪まで車で届けに行ってきたのだ。
というのも、、、
雛人形を配送するのに「ガラスケース入り」というだけで、配送業者に嫌われる。
どこへかけても普通便では門前払い。送るなら、美術品扱いとなるが、これがまた輸送費が高価なだけでなく、えらい梱包作業が必要❗️
ガラスケースの中身を出して,ひとつひとつ人形を梱包して、五段飾り全て折り畳めと。外せないといったら、中身が外れないように、プチプチで埋めろとか、ガラスケースとは別々の個数カウントになるとか、むりー!!
それで皆さん、最後の砦、赤帽さんにヘルプコールするのだそーです。はい、私も赤帽さんに最後の望みを託そうとした者です。
電話をすると、神のようなおっちゃんが電話に出て、とても丁寧に対応してくだすった。
「雛人形ガラスケースですよね。もちろん運びます。しかし私どもは、そのお荷物のために車を一台出すことになります。ですので、東京ー大阪間ですと、ざっと7万円ほどになってしまうんです。
これを言うとみなさんがっかりされるんですよ。」
と、親切にヤマトホームコンビニエンスまで教えてくれた。やはり皆さん同じ問い合わせ経路を辿って赤帽さんに辿りつくんだなとわかって、見知らぬ同志と肩をたたきあいたくなった。
だったら、、、
もうこうなったら頭切り替えて、レンタカー借りて自分たちで届けよう!と、旅行がてら雛人形お届けツアーを組むことにしたのだ。
早朝に出て、道中の景色を楽しみ、夕方ホテルに無事到着。従業員の皆様がとても親切で、駐車場からガラガラを貸してくださって、
伺っております。大切にします。
とお受け取りくださった。
そして翌朝には、すでにこんなに丁寧に飾られていて感動!うひゃーーーっ
回すと鳴るオルゴールも健在。ロビーに響く懐かしい音。感無量。これは泣くーーーっ
雛人形が、実家で飾られなくなってから30年以上。暗黒の押し入れから救い出されたこの子たちは、そんな不毛な時代を経て、今や
「お手を触れないでください」
なんて書かれて、立派なホテルのロビーに鎮座している。なんと光栄なことか。ばあちゃんも天国で喜んでくれているだろう。
雛人形は、パーツがひとつひとつになるタイプは海外などにも送りやすいので引き取りしてるところも稀にありますが、その場合も台座の移送が問題になるらしく、人形だけの引き取りと言われました。
ガラスケースは、移動させること自体が大変なので、引き取ってもらいにくさを経験しました。
また、意外にも寄付もタブついていると言われました。勝手に送ってこられて、困ってるという団体もありました。寄付をするにしても必ず電話をして許可を得てから送るというのもマナーですよね。
今回はたまたまのラッキーですが、もしもみなさまが、雛人形をやむなく手放そうとする時、またはあらたに購入されるときにも、ふとこんな話を思い出していただければ幸いです。
このたび、粋な計らいで雛人形の第二の人生をくれた友人夫婦と、受け入れてくださったホテルエルシエント大阪さんに心から感謝いたします。
ほんとに、素敵な地球の思い出となりました。
(2022年2月18日の記録)
【ホテルエルシエント大阪】
https://www.elcient.com/osaka/