無題"Summer Sunset Serenade"-夏休み昼夜逆転物語- (Movement:3)

唯「これで全部終わりかな?」
蛍「やっと終わったぁ~」
唯「ふふ、遊んでいたらついつい、宿題を後回しにしてしまったね」
蛍「終わってるやつが言う台詞じゃないだろ」
唯「さて、それじゃあ……ヤろう」
蛍「何をだ。スカートに手をかけるな」

唯「もう夏も終わるよ。何か過ごした証が欲しいな」
蛍「その流れで、どうして服を脱ぐ必要がある」
唯「それをボクに言わせるつもりかい?」
蛍「言わんとわからんだろ」
唯「君に穢されるということさ」
蛍「はっきり言うなお前!!」

舞「お兄ちゃん、唯さん、スイカ~」
蛍「ほーい」
唯「ほぼ毎日スイカを頂いている気がするんだけれど」
蛍「親戚の叔父さんが送ってくるんだよ。夏になると、毎日食べないといけないくらいの量を何回にも分けてな」
唯「それでも毎日は流石に飽きるよ……」
蛍「お前が毎日来てるからだろ」
唯「ふふっ、そうとも言うね」

唯「いただきます」
舞「どうぞー」
蛍「いただきます」(俺の分、二人のより倍近くデカいな)
舞「はーい」
唯「……うん、美味しいね」
蛍「おう」
唯「食らえ、タネマシンガン!」ぷっ
蛍「ぬがっ! きたねえー!」
唯「妊めー!」
蛍「おいっ!? てめえどさぐさに紛れて何言ってんだ!!」

唯「さて、そろそろ一度家に戻るよ」
蛍「ん、なんでだ」
舞「もーお兄ちゃん忘れたの? 今日は夏祭りでしょ!」
蛍「あ、そうだったか」
唯「というわけで」
蛍「なんで戻るんだ? 一緒に行こうぜ」
唯「いや、あはは……」
舞「空気読めないよねーお兄ちゃん」
蛍「え?」


舞「まだかなまだかな~」
蛍「おい、二人で先に行ってよかったのか?」
舞「当たり前でしょ! お兄ちゃん本当にわかんないの?」
蛍「……さっぱり」
舞「はぁ……お兄ちゃんってヤバヤバだね」
蛍(ヤバヤバ……言い方が可愛いな)
舞「な、なにニヤけてんのさ!」
蛍「え!? いやぁ、あはは……」

舞「……あ、唯さん!」
蛍「やっと来たか……。!!」
唯「やあ、少々時間がかかってしまったよ」
舞「わわー可愛いですよ、浴衣!」
唯「は、恥ずかしいからやめてくれよ、舞さん……」
蛍「……」
唯「……どうかな?」
蛍「……まあ、可愛いんじゃねえの」
唯「……そ、そっか」
蛍「……」
唯「……」
舞「え、えーっと……そ、そろそろ花火始まるよー!」

どーんっ どーんっ
舞「うわー凄い!」
蛍「今のデカかったな!」
唯「うん、綺麗だね。……でも、悲しくなっちゃうな」
蛍「ん?」
唯「花火を見ると夏が終わる気がして……。もっともっと楽しみたかったな」
蛍「……来年も、またあるだろ。そんなことで悲しむなよ」
唯「……そうだね。……それにしても、綺麗だね」
蛍「そうだな」
舞「お兄ちゃん!」
蛍「うお、なんだ」
舞「こういう時は『お前の方が綺麗だよ』って言うんだよ!」
蛍「言うか!!!」

唯「わざわざ送ってくれてありがとう」
蛍「隣だからな」
唯「そうだね。送るって感じでもないか」
舞「今日は楽しかったです!」
唯「うん、ボクもだ。それじゃあ」
蛍「……さて、帰るか、舞」
舞「ねえ、お兄ちゃん……」
蛍「どうした?」
舞「私、すっごく気になることがあるの。聞いてもいい?」
蛍「なんだ?」
舞「唯さんが言ってた、『妊め~!』って何?」
蛍(うわあああああああああああああ……)

End.

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