無題"Summer Sunset Serenade"-夏休み昼夜逆転物語- (Movement:2)

唯「おじゃまします。暑いから全裸になってもいいかな？」
蛍「他人ん家でいきなり脱ごうとするな」
唯「生まれたままの姿が、人間は一番美しいんだよ」
蛍「だからって脱ぐなよ。美しさなんて求めてねーよ」
唯「ボクは『暑いから』脱ぐんだ」
蛍「扇風機持ってくるから我慢しろ」

唯「あ　あ　あ　あ　あ　あ」
蛍「扇風機で遊ぶな」
唯「ついついやってしまうよね」
蛍「宿題をすることになったわけだが、どうしてお前は持ってきてないんだ？」
唯「先日無事完遂したからだよ」
蛍「……は！？」
唯「勢いよくフィニッシュ！　抜かずの三発で腰が抜けてしまった」
蛍「下ネタをすぐさま挟んでくるな！」

唯「基本的には、宿題は出された日からやってしまうからね」
蛍「……ん？　でも待て、中学の時もそうだったか……？」
唯「あの頃は君に合わせてた」
蛍「マジかよ」
唯「夏休みを思う存分遊ぶために、今年は先に終わらせておいたよ」
蛍「なるほどなぁ」
唯「それに、これなら教えやすいしね」
蛍「一緒にやる、というよりは一方的に教えるってことだったんだな……」
唯「はは、そうとも言うね」

蛍「……暑い」
唯「夏だからね」
蛍「扇風機こっちにも向けてくれ」
唯「うん」
蛍「……涼しい」
唯「今度はボクが暑い……脱いでいいかい？」
蛍「なんでだ。扇風機を首振りにしてくれ」
唯「余計暑いよぅ」
蛍「首を振るな！　お前の首じゃねえ！！」

蛍「くそー汗が止まらない！」
唯「今日はやけに暑いね」
蛍「滴りそうだ」
唯「それなら、最終手段を使えばいいさ」
蛍「……？」
唯「ほら、エアーコンディショナー」
蛍「それは使えない」
唯「どうして？　壊れてるのかい？」
蛍「そういうわけじゃねーけど。……お前、エアコン苦手だろ」
唯「……そっか。ありがとう」

蛍「そういや、どうして苦手なんだ？」
唯「体が必要以上に冷えたりしちゃうから」
蛍「敏感なのか」
唯「敏感？」
蛍「あっ……」（やばい、また下ネタを言われる）
唯「……今、ボクが下ネタを言うんじゃないかと思ったかい？」
蛍「……別に」
唯「まあ、言おうとしてたけどね」
蛍「流石だな」

蛍「ここわかんねえ」
唯「はいはい……ごめん、反対からだとよくわからないな」
蛍「ああ、すまん」
唯「ひっくり返さなくてもいいよ。ボクがそっちに行くから」
蛍「ん」
唯「えーっと……ああ、この問題だね」
蛍（近いな……）
唯「まずはこうして……」
蛍（あっちはあんまり気にしてないみたいだな）
唯「こうするんだ。……ちゃんと聞いてた？」
蛍「すまん、あんまり」
唯「もう、ちゃんと聞いてくれないと困るよ」
蛍（顔が近いっつーの）

唯「ふう、結構スムーズに進められたね」
蛍「ああ。これならすぐに終わりそうだ」
唯「ふふっ、そうだね。でももう少しやれるよ」
蛍「まだやるのか……」
唯「弱音を吐いちゃいけないよ。ほら、頑張……」
舞「お兄ちゃ～ん、唯さ～ん、スイカがあるので一緒に食べませんか～」
蛍「……」
唯「……今日は、ここでおしまいだね」
蛍「そうだな」

To Be Continued.