デジタルマーケティングにおける「BPaaS(ビー・パース)」とは
はじめに
皆さん、こんにちは。
デジタルマーケティングコンサルタント3年目の白道(しらみち)です!
「成果を、共に。」をテーマとして掲げ、中小企業のDX支援に日々取り組んでいます。この記事では、近年になって存在感を増しつつある「BPaaS(Business Process as a Service)」をわかりやすくご紹介することと、BPaaSの普及によって変わってくるだろう中小企業のデジタルマーケティング手法についてもお話しできればと思います。
そもそも、「BPaaS」とは何なのか?
白道の視点から、ご説明ができればと思っています。
BPaaS(ビー・パース)とは? SaaSとの違いは?
BPaaS(ビー・パース)とはBPO+SaaSの造語で、生産性向上のために業務プロセス全体をクラウドベースで外部から調達することを言います。これはいわゆる、BPO+SaaSのサービスモデルを組み合わせた進化形と言えます。
従来からあるBPO(Business Process Outsourcing)は、特定の社内業務を専門業者に委託・アウトソーシングできる人的サービスのことですよね。一方、SaaS(Software as a Service)は、社内の各業務ごとにそれぞれのソフトウェアをサブスクリプション形式で使用できるクラウドベースのサービスのことです。
業務分野としては、人事・労務・会計などのバックオフィスはもちろん、営業・マーケティング分野にもおよびます。
「マーケティングオートメーション」なんかも、いわゆる SaaS ですね。
これに対して、
BPaaSは中小企業における業務プロセスの「アウトソーシング」と「ソフトウェア」の両方の利点を合わせ持った新しいサービス形態ということになります。企業は業務プロセスの体制づくりを自社内でまかなう代わりに、専門サービス会社からBPaaSを提供してもらうことで生産性向上を図ることができます。
特に、SaaSとBPaaSの違いを挙げると、
◎SaaS:
ソフトウェアをPC上にインストールする必要なく、インターネット経由でログインすることにより利用できるシステムサービス。代表的な例としては、Gmail、Slack、Zoomなど。企業および担当者は、それぞれの業務に必要な機能システムを必要に応じて契約して使用することになる。
◎BPaaS:
単にインターネット経由でソフトウェア(SaaS)を提供するだけでなく、そのソフトウェアを使った人的な業務プロセス設計〜構築〜運用までを併せて支援するサービスモデル。BPaaSを利用することによって企業は、ITインフラや人材・教育を完備させなくても、すみやかに業務プロセスを構築することができる。
私が得意としているデジタルマーケティング領域で言えば、マーケティングの戦略から実行、セールス、顧客サポートなどの主要業務プロセス全般について、ツールとノウハウを含めてまるごと提供することになります。
中小企業を取りまくビジネス環境と課題、そしてBPaaS
わたくし白道もいろいろなお客さまと向き合う中で感じるのが、中小企業の多くが事業経営において共通した「課題」を持っていて、それが「人材」と「資金」のふたつの面においてだったりします。
人的なリソースの課題
知ってのとおり日本国内では少子高齢化が急激に進んでいることから、ビジネスの現場では慢性的な人材不足に悩まされています。特に、中小企業では経験・スキルともにすぐれた人材を確保しつづけるのは容易ではありません。特にデジタル分野は進歩が激しく、陳腐化も早いため雇用した人材への社員研修などの継続コストも発生します。
資金的なリソースの課題
そのため多くの企業は、「DX」を本格的に導入することで効率化をする必要がありますが、人事・総務・会計といったバックオフィス分野へのワークフロー・会計ツール活用や、営業・マーケティング分野へのSFA・MAツールなどの導入をするにあたり、その技術投資に相応の費用がかかるため、物価高騰・コスト上昇に晒されている中小企業にとっては重たい負担となるでしょう。、結果として、人材とITシステムの両面において何らかの妥協を強いられがちになり、企業の持続的成長が阻害されてしまうのが実情だと思います。
これらの課題から、注目されているのがBPaaSというわけです。
BPaaSを導入すれば、企業は社内にある特定分野については業務プロセスを設ける必要がなくなるということです。それも、「アウトソーシング」と「ソフトウェア」の良いとこどりの形態で。中小企業にとっての悩みどころである人材・資金の課題もクリアすることができます。
世界的にはすでに多くのグローバルテクノロジー企業がBPaaSを提供しています。例えば、Salesforce、 Accentcure、IBM、TCS、といった企業は日本でもお馴染みですね。これらは、最先端のIT技術と国際的なネットワークを駆使して、各企業の具体的なニーズに応じたBPaaSサービスを提供しています。
日本国内の企業もBPaaSサービスを提供するサービスベンダーが増えてきつつありますが、
まだまだこれからの状況です。ただし、市場のニーズは十分あると考えますのでこれからどんどんサービスも増えていくでしょう。
私たちが考える、デジタルマーケティングの「BPaaS」
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
実は、私が所属するITコンサルティング会社においても、中小企業のデジタルマーケティングを支援するBPaaSサービスを開発しています。
これまでは、企業の営業・マーケティングに役立つSaaSツールを主力製品として販売してきましたが、これに企業の事業成長をお手伝いする伴走サービス(コンサルティング)をプラスすることで、包括的な「BPaaS」として提供していくことを考えています。
伴走サービスでは、生成AIなどの最新技術を活用したコンテンツ開発や、使い方などの定着等にも力を入れています。まあ、わたくし白道の仕事の話はこの辺で。また機会があるときにご紹介しますね。
まとめ
さて、いずれにしても、
BPaaSは、おそらく今後の企業向け支援サービスの中心になっていくのではないでしょうか。日本の中小企業にとっても、人的・資金的なリソースの課題を乗り越えて、事業成長のための活動に取り組むことができる注目のソリューション手法ではないかと考えます。
今回は、デジタルマーケティングコンサルタントの白道が、ここ最近になって注目が高まっている「BPaaS」について書いてみました。今後も試行錯誤を繰り返しながら、中小企業の皆さまに役立つノウハウ・メソッドを紹介していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。