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ベトナム鍋図鑑/『近所の廃墟改造レストランでカニみそ鍋』


ハノイは先々週から冬になりました。朝は10℃前後、昼間も20℃を超えない日が続きます。建物が断熱されてないので十分寒いです。
朝に7℃以下だと小中学校が休みになるので当店も休みにしようとスタッフに言ったら一笑に付されました。子どもの面倒で大変だろうと思ったのに
そんなワケで鍋の季節の到来です。一年中食べると言ってもやっぱり冬の鍋はウマい
 

正面玄関

ここはウチの近所の廃墟系鍋料理店です。
雰囲気は廃墟そのもので解体工事中に放棄されたレンガむき出しの建物が細い路地に面して並んでいます。
それが平日の昼間から大盛況。先日シゴト絡みで昼に行き、物足りなかったので夜にも行きました。
 
基本はOc、つまりは巻貝料理の店です。レモングラスなどの香草と一緒に茹でたり炭火で焼いたりした貝の口に細い金属のヘラを差し込んで身を奥から捩じり出してスダチを絞った塩を付けて食べます。ビールを飲みながらチマチマ食べるのはツマミとしては悪くありません。単調だけど
昼に行くとそういうツマミ系だけにするかそれとも鍋まで行ってしまうか迷うところです。適当なランチセットみたいなのはありません。ソバのBun Ocはあるけどこういうレストランでソバだけって言うのも、
 

特別室

それで夜に出直して鍋を食べました。
ベトナム人が注文したので何鍋かわかりません。スープは若干緑がかっていて複雑な味がしました。
具は豪華絢爛。肉は牛と鶏でしょうか。豆腐にベトナムハム?に芋?にバナナの花とその他もう一種の野菜の千切り。中心に置かれているのは魔法の調味料です。ハッキリ言って肉以外何を食べたのかわかりません
 
ニッポンの鍋は煮るときもきれいに具を並べて見た目を重視しますが、ベトナムではどんどん放り込んでウマけりゃいいと。鍋とはすなわちいろんなものが混ざり合ってその総合的な味わいを楽しむものだという思想です。
鍋自体はこういうアルミ系が多いですかね。この小振りのアルミ鍋が一つ欲しくて旧市街の金物屋街を探したことがありますが見つかりませんでした。オーダーメイドです、たぶん。そのほうが安い
 
店の奥から運ばれてきて火にかけるとすぐにぐつぐつ煮立ってあとは食べるだけ。魚醤系のヌォックマムに唐辛子を入れたのとかスダチ塩とか数種類のタレが並びます。
コメ麺のブンと一緒にスープも注いで食べれば普通にうまいソバの完成っ
この店は照明が暗くほとんどヤミ鍋状態でしたがそれもまた一興
 
この日飲んだのはローカル焼酎でした。化学実験の広口瓶にコメやらナッツやらいろんなものが沈んでいます。オチャケ自体はコメを発酵させたものです。ワインのような口当たりと言ったら誇張するにもほどがある。3人で2瓶飲みました。
 
そう言えば先日隣国のラオスでヨーロッパ人旅行客5,6人が地元のオチャケを飲んで中毒死した事件がありました。それを供したのはベトナム人でアルコール度数を上げるためにメタノールを混ぜたって。
自家製焼酎を飲むときは命懸け

廃墟


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