詩「新入社員」
ボクはとても恵まれていると思います
家族に友人、仲間に同期
ボクはとても素晴らしい縁でつながっていると思います
背筋を正して眼鏡をかけて映った新入社員の顔写真に添えられた
優等生を文字にしたような言葉
君は本当に何も知らないと思います
家族に友人、仲間に同期
君が知らない秘密や悩みを抱えてみんな殺気立って生きていることを
女の顔したシーツのしわに眠るお母さんにささやく
善人を文字にしたような言葉
疲れているんだね、疲れちまったんだね、疲れたね、ええ本当に
ボクも君もこの人も
みんな心底ぼろぼろに疲れているんだと思います
だから、心にもないことを心がしゃべるんです
優等生と善人を文字にしたような言葉
それでも、確かに君の顔の輪郭はお母さんの骨ばったソレとそっくりで
背筋をしゃんと伸ばすところなんて、親子ソノモノで
血筋というやつは
こうも嫌味に規則正しく螺旋を組むものなのかと感心するほどで
赤の他人のボクは途方に暮れるだけ
束の間の休憩が終わると、女はお母さんに戻る
君のいう恵まれた家族の一部になる
ボクの越えられない壁に囲まれた家庭という分野に帰る
ボクはひとり、この壁の向こうで
今日眺めた君の顔が遺影に使われないことを祈る
新人さんからベテランさんまで年齢問わず、また、イラストから写真、動画、ジャンルを問わずいろいろと「コラボ」して作品を創ってみたいです。私は主に「言葉」でしか対価を頂いたことしかありませんが、私のスキルとあなたのスキルをかけ合わせて生まれた作品が、誰かの生きる力になりますように。