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焼酎の麹ってこんなにすごい!他にもあったこんな役割
蔵人です。
焼酎の原材料には主原料(芋焼酎の場合はさつま芋)と
こうじが入っています。
麹菌の役割はデンプンを細かい「糖」に分解する酵素をつくること
ですが、焼酎造りにおいては他にもあるんです。
日本の酒造りに欠かせないこうじ菌を、
焼酎蔵元的に分類しますと見た目の違いから
「黄麹菌」「白麹菌」「黒麹菌」
とざっと3種類に分けられます。
「黄麹菌」は清酒(日本酒)ではほぼ100%
といっていいくらい使われています。
対して焼酎では、
メインとなるのは「白麹菌」と「黒麹菌」です。
「黒麹菌」はもともと泡盛の産地、沖縄でつかわれていたこうじ菌です。
南九州の焼酎造りに持ち込まれ、そこで突然変異で黒くないのが発見され、
単離されて「白麹菌」と名付けられました。
遺伝子的には、ほぼほぼ同じです。
感覚的には親子よりも近い一卵性双生児くらいでしょうか?
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ここからは黄麹菌と「焼酎麹菌(黒麹菌・白麹菌)」で区別します。
黄麹菌と焼酎麹菌は
同じカビ(Aspergillus:アスペルギルス属)の仲間ですが
決定的な違いがあります。
それは、焼酎麹菌はクエン酸をつくる能力があることなんです。
クエン酸というのは酸っぱい成分で
レモンの酸っぱさもこのクエン酸です。
自然界では大抵の菌(雑菌)は酸っぱいのが苦手でして、
焼酎麹菌はクエン酸を周囲にまき散らし酸性の環境をつくって
雑菌の侵入を防ぎます。
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どのくらい酸っぱいかというと、麹を仕込んだ翌日で
温州ミカンジュース(〇ンジュース)よりも
少し酸っぱいくらいです。(ph3~3.5くらい)
レモン汁ほどはありません。
焼酎造りではこれをうまく利用してもろみを腐りにくくしているんです。
酵母は酸に対してまあまあ耐性がありまして、酸っぱい中でも増えて
さらにアルコールをつくって
雑菌を駆逐していきます。
酵母が大量にふえると造りは一安心となります。
そもそも日本の酒造りはカメや木桶など開放的な容器で仕込むので
雑菌が飛び込みやすく、特に温暖な南九州では黄麹を使った造りだと
雑菌汚染で腐ったり、
アルコールがたくさんとれないなど心配が絶えません。
焼酎麹菌が鹿児島の焼酎造りに持ち込まれたのは明治末期で、
大正初期にまたたくまに広まり、現在に至ります。
それだけ画期的な技術革新だったんですね。
ちなみにこのクエン酸は蒸発しないので、蒸留した焼酎には入りません。
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黄麹菌で仕込む場合は、はじめに
「乳酸菌」という乳酸をつくる菌を育てて、
乳酸でもって酸性の環境にします。
そこに仕込むことで腐るのを防いでいます。
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最近では手っ取り早く乳酸そのものを入れることの方が多いようです。
白金酒造の焼酎造りでも黄麹菌をつかうときは乳酸をいれます(補酸といいます)。
白麹菌や黒麹菌で米こうじをつくるときは、
食べて酸がでているか確認します。
はじめは甘くておいしいから、
次第にすっぱにがく変わっていきます。
ただし、ぬくぬくと甘やかして育てると酸っぱくならないんです。
温度管理や日々の気温、天候によっても微妙に変わってきます。
うまいこと狙った通りに酸がでると嬉しいんですよね。
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焼酎麹づくりの「酸いも甘いも噛み分ける」は言葉通りそのまんまです。
やはり経験がモノをいう世界ですね。
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編集担当より
待望の麹菌キャラクター化!!
もっとPOPなキャラが来るかと思いきやさすが蔵人。クセが強い す、すごく、素敵です。
それぞれの麹の特徴のある焼酎も
ぜひ飲んで五感で楽しんでみて下さいね~!!
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▶https://ishiguranet.jp/