見出し画像

さつまいもが今、大ピンチ!もっと知ってほしい‥「さつまいも」の世界

こんにちは、蔵人です
今日は、芋焼酎といえばの「さつま芋」について…

さつま芋はヒルガオ科のとても生命力の強い作物です

芋のつる(苗)を植えれば根やつるが伸び、太陽の光を浴びて根っこが芋に育ちます。タネもあるんですがほとんどの場合は芋を埋めて芋から出た芽を伸ばしつるを苗にします。

①まずは種芋から「苗」を育てます
②種芋からでた芽を切って植えると「さつまいも」が・・

最近では芋の組織を無菌状態で培養したバイオ苗もあったりします。


↓↓ 秋が来て収穫の時期を終えたあと…


掘り終えた畑に芋のかけらが残っていると、そこからつるが伸びてそのうちお芋になるそうで、これを農産界隈では

「野良いも」

というそうです。
野良いぬではありません。”野良いも”です。

生命力の強さ半端ねー!

そんなところからも芋の生命力を垣間見ることができます。
芋が戦闘力をもってなくてよかったですね。

絵が上手すぎて…編集担当は夢に出てこないか不安になった…


芋焼酎で広く使用されている芋は

「コガネセンガン(黄金千貫)」

という品種です。
いまから50年ほど前(昭和41年)に農林三十一号として登録されたもので開発に携わった坂井健吉氏によって「コガネセンガン」と命名されました。

皆さんはさつま芋といわれると皮が赤くて肉が黄色い焼き芋を想像されると思いますが、この品種は皮が黄色っぽくて肉はクリーム色です。
皮が白くて薄く傷みやすいので貯蔵には向かず、青果用ではほとんど出回りません。

ちらみに「コガネセンガン」を焼き芋にするとボソボソします…

品種登録後は、

育てやすい!
収量が多い!
デンプンの歩留まりも良い!
こりゃぁいい!!!

と、どの芋農家さんもこぞって育てるようになり、芋焼酎メーカーにこの
品種が大量に納品されるようになったのが昭和50年代のことだそうです。


本来焼酎用原料芋として開発されたわけではないんですができた焼酎は
「香味良好」「飲み飽きしなくておいしい」と文句なしでした。
焼酎ブームでは「コガネセンガン」という覚えやすくナイスなネーミングも手伝って、芋焼酎といえばこの品種といわれるほど定番化しました。

まさにキング・オブ・焼酎芋です。


コガネセンガンの面白いところは、同じ品種でも苗ごとに芋の顔(形状)が変わってくるらしく、
条溝じょうこうの深いごつごつした芋を種芋にするとその苗からできる芋は「ごつごつした芋」になり、処理がしやすいつるんとしたイケ芋を種芋にすると「イケ芋」ぞろいになるそうです。

いもの成長サイクルはこれをみたらバッチリ!

勉強家の農家さんはこういう「イケ芋」を積極的に見つけては種芋用にスカウトします。

敏腕いもスカウトマンは見るところが違います


入荷の際、袋の名札ですぐにわかるので

「今日は〇〇さんところの芋だ!」

と小躍りせずにはいられません。
ちなみにコガネセンガンがどのくらい収穫できるかというと、
だいたい1反当り2トン~3トンほど。
これを芋焼酎の一升瓶(25%)に換算するとだいたい1,000本~1,500本くらいで、1m間隔で1、2本埋まっている感じ…そんな風に想像すると壮観です。

農家を困らす「基腐病(もとくされびょう)」


本来生命力が強いさつま芋ですが、現在、さつま芋の一大産地鹿児島、宮崎では「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」という糸状菌類(カビの仲間)の一種が起こしている病気が蔓延しこれが全国にひろがりつつあります。

一度かかるとつるの根元から枯れていって、芋は腐ってしまいます。
ほっとくと隣の苗にも移りますし、雨などが降ると周囲に飛散するので、見つけ次第取り除かなければいけません。

薬による予防も大きな効果がなく、広大な圃場で一本ずつ観察しなければならないのが現状でかなり厄介です。
芋の品種ごとに抵抗性の程度がちがい、コガネセンガンはこの病気に弱い傾向にあります。

効果的な対策が打てないことで農家さんは大打撃を受けています。
芋を育てていない蔵人らは有効策ができることを願うばかりで何もできないのですが、せめて届けていただいた芋は丁寧に、いい焼酎にしていきたいと思っております。


いもの生命力は蔵人からはこんな風に見えてるのか…



編集担当より

今、焼酎業界でも大きな問題となっている「さつまいも基腐れ病」
鹿児島ではニュースにもなりました。

芋焼酎はもちろん、焼き芋も大好きな編集担当にとっては
少しでも早い消息を願うばかり。

どんな病気も「消毒」「予防」が大事だな!と感じました!!

■白金酒造の焼酎はこちらから見れます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?