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#いりこ旅2022(1) いりこのやまくにさんといりこ漁見学

我が家のお味噌汁はいりこ出汁、いりこめしも大好きだし、いりこを使ったお料理もよく作ります。
ちなみに、いりことは片口イワシを塩水で煮て乾燥させたもの。関西では「いりこ」、関東では「煮干し」と呼びます。

「今年はいりこ漁を見てみたいなあ」と話したら、「いりこ漁は6月中旬解禁、すぐに来た方がいい」と言われ、6月最終週に伊吹いりこで有名な香川県観音寺市を訪問。いりこのやまくにの山下公一さんにご案内頂き、伊吹島の片口イワシ漁、加工場見学、そしていりこについてのお話を色々とお伺いしてきました。

いりこのやまくにさんとの出会い

今回、いりこ漁の見学をアテンドしてくれたのは「いりこのやまくに」の山下公一さん。「やまくに」は明治20年創業、家族3人で営むいりこ屋さん。
私の友人達の間では「いりこのおっちゃん」と呼ばれて親しまれてます。
いりこのやまくにさんはいりこを仕入れて選別、加工、販売するという仲買人兼小売商。

初めて知り合ったのは5~6年前の松屋の「銀座・手仕事直売所」という催事だったかな(うろ覚え)。フードイベントなどでやまくにさんのいりこを使わせて頂く機会があり、あまりの美味しさに驚いて、それ以来、愛用させて頂いてます。
山下さんはお会いするといつも気さくに声をかけてくれるので気持ち的には親戚のおっちゃん感あります。(すごい方なんですけど)

観音寺にあるいりこのやまくに
左からいりこのおっちゃん、加奈代さん、おかあさん
三人とも実に良い笑顔。

いりこ漁見学

いざ、伊吹島へ!

瀬戸内海のひうち灘にある伊吹島は江戸末期から続くいりこの産地。
片口イワシの漁場と加工場が非常に近く、漁獲から加工まで網元が一貫して生産。この一貫生産体制による鮮度が、上質な伊吹いりこを生み出しています。

まずは定期船に乗って、伊吹島へ!
伊吹島に到着後、水上タクシーへ乗り換え。
今回のいりこ漁見学では、我々は漁船には乗らず、
水上タクシーで漁船の邪魔にならぬように見学。
まずはいりこ漁についての説明をうけます。
いざ出発!今日はいりこ漁船が沢山でてました。
今回、同行したのはスープ作家の有賀薫さん、フードライターの白央篤司さん、
ごはん同盟2名、カメラマンさん1名
お天気に恵まれ、いりこ漁見学というよりリゾート気分に。瀬戸内海はほんと穏やか。

いりこ漁は4艘ひと組のチーム戦

いりこ漁は網を引く2艘、捕れたいりこを運搬する2艘の4艘で1チーム。
カタクチイワシは鮮度が命。捕れた魚をじゃんじゃん加工場に運んでいきます。

2艘は併走。格好いい!
2艘は網を引っ張りながら。右端の一層は運搬船。
もう1艘は伊吹島へとれたいりこを運搬中。
運搬船は交代でいりこを輸送していきます。
カタクチイワシの身が傷まぬように手で網を引き上げるのが瀬戸内流

加工場見学

伊吹島の加工場。それぞれの網元が加工場を持っています。
運搬船を加工場に横付けしてポンプで片口イワシを送ります。
獲れたての片口イワシをポンプで素早く移動
さっと洗って
海水で茹でるのでちょうどいい塩加減に。
片口イワシを獲ってから茹でるまで約30分。
小魚やイカなど紛れ込んでいるのを取り除いて。
この日は紛れ込んでたヒイカ頂きました。(おいしかった)
このあと、ボイラーで24時間乾燥したら、いりこ(煮干し)のできあがり!
ゆでたての片口イワシを頂きました。ちょうどいい塩味!

傷みやすい片口イワシはいかに早く茹でるかが大事。
水揚げから茹であげるまでたったの30分。抜群の鮮度を維持できるので添加物も使わず、加工が可能とのこと。

いりこのやまくにへ

乾燥したいりこは仲買業者に卸されます。
仲買業者は袋詰めにして各小売店、飲食店などに卸します。
いりこのやまくにでは美味しいいりこを仕入れた上で、さらに「選別(選抜)」して販売します。

選別前のいりこをみせて頂く
奥が大羽いりこ、手前が中羽いりこ。ピカピカの銀付き。
銀付きいりことは漁の際に網によって傷つかないウロコがきれいないりこのこと。
ここからひとつひとつ選別。良いいりこだけ残していきます。
背側が盛り上がってくの字になっているのが鮮度がいい証拠。
そっくりかえって腹が割れてたりするものなどを除外。
黄ばんでいるものは脂が酸化しているもの。(こちらにはそれはさすがにありませんが)
スーパーでいりこを購入するときは黄ばんでいるのは避けて下さい。
口を開けてるいりこは生きてるうちに茹でられた新鮮な証。
片口イワシが熱さのあまり「ギャー」っていってる姿ではありますが…(合掌)
手で混ぜてみて、軽やかだと脂が少なくて良いいりこ。
脂が多い方がよさそうですが、脂が少ないいりこの方が軽やかで澄んだ出汁がとれます。
やまくにのいりこは一つ一つ目もはずしてるそう(衝撃の手間)
パッケージされて出荷!
やまくにさんはいりこの加工品も多数販売されてます。
こちらは人気の「ぱりぱりいりこ」
いりこの内臓を取り除いて、焙煎。すごく美味しいのでぜひ皆さんに食べて頂きたい!
今回は特別にぱりぱりいりこの頭もいただきました。旨味が強くてとても美味しい!
加工の際に取り除いたえらは農家さんが肥料として使ってます。いりこに無駄なし!
全員で記念撮影!ありがとうございました!

オンラインショップ

いりこのさばきかた(動画)

以前、私がいりこのさばき方の動画を撮影したものを公開してます。
このさばき方はいりこのやまくにさんのワークショップで教えて頂いたもの。
いりこは購入してはらわたとえらを取り除いて煎ると、とても美味しく頂けます。ぜひやってみて下さい!

書籍、メディア掲載

瀬戸内「やまくに」のいりこで毎日おかず

ワタナベマキさんの著書。いりこの用途が広がる一冊

『天然生活の料理入門』

インスタライブ、わたしのいりこのnoteの記事などが一覧になってます。

他にもいりこのやまくにさんはTV、雑誌、書籍など多数紹介されてます。

#いりこ旅2022目次

  1. いりこのやまくにさんといりこ漁見学

  2. やまくにさんお手製の香川の郷土料理

  3. 衝撃の美味しさ、宮川製麺所のうどん

  4. 他にも色々あった観音寺周辺の名所



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