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食べものを作るのは時間がかかる
ヒヨコが続々と生まれている。親鶏がタマゴを温め始めて21日間。同時に孵卵器でも温めて、今のところ40羽ぐらいが孵っている。
0羽から始めた養鶏は1年目4羽、2年目7羽、3年目30羽と少しずつ増やしてきた。今年は60羽ぐらい増やしたいと思っている。
というのも、最近タマゴの注文がたくさん入るようになって、常に自転車操業状態なのである。1日にだいたい10個ぐらい産むから、この日なら大丈夫かな?と指折り数えて注文を受けている。
生まれたてのヒヨコたちがタマゴを産むようになるまで。鶏種や育て方にもよるが、うちの鶏で約220日かかる。あのかわいいヒヨコが半年ちょっとで、あっという間に鶏になると考えると驚く速さではある。
畑で野菜を育てる場合。トウモロコシで90日、ジャガイモ100日、ニンジン120日、タマネギに至っては270日ぐらいかかる。
田んぼで稲を育てる。春の育苗から、6月の田植え、稲刈りは10月。だいたい半年ぐらいだろうか。
果樹は苗木を植え付けて実を付けるまで、桃や栗の早いものでも3年かかる。
スーパーで簡単に買える食べものも、いざ作ろうと思うと時間がかかるものだ。さらに知識と技術も必要で、一朝一夕にできるものではない。当たり前のことで誰もが知っているとは思うのだけど、昨今の社会を見ていると、本当の意味でみんながわかっているとは思えない。
よく言われる言葉ではあるが、
”生きることは食べること” に他ならない。
それなのに、食を100%他人に委ねている現実を何ら不思議に思わないのは何故なのだろう。
最近まことしやかに言われる食糧危機。もちろん起こらないに越したことはないのだけれど、現実として化学肥料の大幅な値上げが進んでいる。石油もいつどうなるかわからない。農薬と化学肥料と石油に頼り切った農業がこの先どうなるか、不安に思わないでいられるだろうか。
いざとなったら何でもやると言うかもしれないが、前述のように、作るには時間がかかるのである。いざとなってからでは遅いのだ。
僕一人の力で作れる食べものなんてたかが知れているだろう。自分の食べる分だけを作って、それで安心という気持ちにはなれない。少しでも多くの人が農に関心を持ってくれたらいいなと思っている。きっかけとなれる、開かれた農場でありたい。