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イランの法技術原理を徹底解説!エンシャーが示す真理と規範の世界

みなさんこんにちは!しらいです!

ミルプです!

さて今回は、イラン「法技術原理」についてみていきましょう。
前回の記事はこちらです↓↓

参考文献はこちらです↓↓

今回はイランですか。
前回のフランスに輪をかけて無知です。

それは仕方ないですよ。馴染みがないですもんね。

なるべく簡単におなしゃーす。

軽いね。

じゃあ早速やっていきましょう。
イランの法技術原理ですが、テーマとしては「真理の探求と規範の遵守」です。

「ほうぎじゅつげんり」? なんかもっと柔らかい表現ないんスか?

今回ずっとそんな感じ?

「規範の遵守」の逆っス。

それ逆になってるのか?

まあそれはいいとして、ざっくり言うと「絶対的な真理とルールに従う」って感じでしょうか。

アメリカは「効率優先」、フランスは「価値と弁証法」だったけど、イランは「真理と規範」が最優先ってことですか?

そういうことです。



法技術原理ってなに?


イランの教育文化を代表する法技術原理には、大まかにこんな特徴があります。

  1. 絶対的な真理を共有する

  2. 規範が既に決まっていて、それに従うことを重視する

  3. 権威ある書物を暗記&依拠する

  4. 個人の自由選択はあまり認められない

「個人の自由が制限される」って聞くと、日本やアメリカ、フランスとは真逆っぽいですね。

そうですね。僕たちの価値観で考えると、これだけでビックリしちゃいますよね。

「権威ある書物に従う」っていうのが気になったんですけど、具体的には何ですか?

イスラーム・シーア派の教義を中心とした聖典とか、政府が出している公式教科書がそうですね。法技術原理では、「原典に立ち返る」のが基本中の基本なんです。

なるほど、なんというか、コメントに困りますね。

そうですよね。リスペクトを持つことはもちろん、その上で、なにを言ってよくて、なにを言ってはいけないのかの線引きが難しい。

今回はいつも以上に気合を入れて臨むぞ!

いつになくミルプさんが真剣だ…空回りしなきゃいいけど…

よっしゃー!いきましょう!

ミルプさん!?

バリカンで五厘刈りにしてきました!

気合の入れ方が野球部のそれだ…

冗談はそれくらいにして先に進みましょう。

はーい。



イランの作文「エンシャー」とは?


今回のタイトルにもなっていますが、イランの学校では「エンシャー」というものを学びます。

エンシャー?全然ピンときません。

「エンシャー」というのは作文のことです。イランの教育では、この作文が法技術原理を体現していると言われています。

作文か…フランスの「ディセルタシオン」とは違うんですか?

正反合で新しい結論を導くフランス式とは全然違いますね。
イランの作文では、結論が最初から決まっているんです。

え?!結論が決まってる?!

そうなんです。例えば、「自然(雨でも蚊でも)がいかに素晴らしいか」という作文でも、必ず最後は「これらを創造した神に感謝を捧げる」という結論で締めくくられるんです。

あらゆる主題で神に感謝?

四季や天候の話をしてても、最終的に「神の偉大さとその恵みに感謝する」ところに落ち着く。これがエンシャーの定型なんですよ。

なんというか、すごく極端ですね…



真理と規範を徹底遵守


結論が決まってるって、自由な発想はどうなるんですか?

そこが法技術原理のポイントで、教育の目的は「すでに確立された真理を伝える」「それを規範として守る」ことなんです。なので、個人が勝手に別の結論を導いちゃダメなんですよ。

なるほど。原典や聖典に書かれたことが「正解」なんですね。

エンシャーの途中で、ことわざ聖典の一節が引用されたりするんですが、最終的にはその引用が何を示しているかというと、「神や宗教的真理の素晴らしさ」なんです。

エンシャーに「聖典の一節」が引用される、というのも面白いですね。

エンシャーは「美しくて響きがよく、印象的で、記憶に残りやすく、口ずさみやすい」テクストであることが求められるみたいです。

ほうほう。

なので、比喩や押韻といった、文学的な技法を用いることが重視されるそうです。

「響きがいい」というのは、なんとなく聞いたことがあります。

イランの作文教育では、「声の文化」の伝統が重視されていているみたいなので、それが理由ですね。

なるほどねー

一応言っておくと、結論は「神への感謝」になっても、文学的な技法や伝統的な価値観、イスラーム的な世界観などの制約の中において、自由な発想は許容されるっぽです。



イランの歴史観と時間観


やっぱり気になるのが、歴史の教え方ですよね。

イランでは、歴史は神の計画の一部とされていて、偶発的な出来事や人間の意志で動くわけじゃない、という考え方が強いです。

「人間が歴史を作る」みたいな感じではないんですね。

神の意思によって、最初からゴールも決まっている、一本の直線的な時間として見るんです。「人間の外にある大きな力によって歴史は動く」と捉える感じ。

なるほど。フランスみたいに「古いものと新しいものが対立して合体して…」とか、アメリカみたいに「誰かが積極的に行動して…」みたいなのとは全然違いますね。

そうなんです。神の計画歴史はその通りに進む人はそれに従うのが合理的という流れです。

根本の思考というか、思想からして違いますね。おもしろい。

ただ、これがすべてでもないとは思いますけどね。

どういうことですか?

これはイランに限ったことではないですが、100人中100人がこの考え方をしているわけではないということです。

というと?

アメリカでもフランスでも、大枠は一緒でも、個別具体的に見ると、当てはまっていないことも多々あります。

あーたしかにそうですね。グラデーションになってたりもしますし。

先ほど「神の計画→歴史はその通りに進む→人はそれに従うのが合理的」このようにお伝えしましたが、これは運命論的な決定論とは違っていて、神の存在と教義を個人の意志で受け入れることが前提とされてます。

うんうん。

その上で、神の教えを理解し、それに沿った行動をとることが、イランにおける合理的な行為とみなされるんです。

つまり、このような考え方をしていない人もいると?

ゼロではないと思います。

なるほどです。



原典暗記とルール遵守


ずっと気になっていたんですけど、授業では、どんな感じで真理を伝えるんですか?腕を持っていかれないんですか?

ハガレン好きですね、ミルプさんは…

真理の伝え方ですが、権威ある原典の暗記が中心です。たとえば、宗教の教科書、コーラン、シーア派独自の教義書などを読んで覚える。そこから行動基準や価値観を学ぶんです。

「暗記」は日本でもやりますけど、ここでは何が違うんですか?

ポイントは、「暗記した内容こそが絶対の真理で、疑う余地がない」という点ですね。

疑う余地がない…

アメリカやフランスだと、暗記はあくまで知識の土台で、そこから考察する余地があるけど、イランの法技術原理では「まず疑わない」が基本です。

「ディセルタシオン」だと「本当か?」「逆の見方は?」ってやってましたけど、イランの場合は「既に真理が示されている。そこに従おう」って感じですか?

そういうことです。

カルチャーショックを受けてます。

僕もです。



授業における「エンシャー」の流れ


ここで、授業における「エンシャーの流れ」を見てみましょう。

はいな!

エンシャーの授業で、テーマが「春の訪れ」とかだった場合、

  1. 春の良さを描写(例:草花が芽吹き、鳥がさえずる…)

  2. 格言や詩の引用(イランの古典詩人のフレーズなど)

  3. 結論で必ず神へ感謝(「すべては神が与えてくれた恵みです」)

これがテンプレなんですよ。

エンシャーズテンプレ…

「チャーリーズ・エンジェル」みたいに言わないでください。

言ってないよ。

言ってないですね。

ごめん。

たとえば、エンシャーのなかで「例を三つ挙げる」とか「多角的に捉える」っていうのはないんですか?

うーん、あるにはあると思いますけど、それは「神の被造物が多様である」という事実を証明するために使われる感じですかね。

最終的に「だからこそ神への感謝を捧げる」という結論は揺るがないです。

強い…



イランの合理性?


すべてが神に向かって収束するんですね。ちょっと前にも触れましたけど、それをイランでは「合理的」と捉えてる?

そうです。「神が定めた不変の法則に従うこと」が合理的行為だと考えられてるんですね。逆に言えば、「神の決めた道から外れるのは不合理だよ」という発想です。

アメリカだと「自分の目標に向けて行動すること」が合理的だったり、フランスだと「価値を追求するために対話・弁証法すること」が理にかなってるってなるので、文化の違いをすごく感じます。

法技術原理の思考表現スタイルでは、「結論は、不変であり普遍である」ということですね。

うまいこと言わんでええねん。



他の原理とイランの法技術原理


ここで、前回までに取り上げた経済原理社会原理と対比してみましょう。

  • 経済原理:個人の目的達成を重視。

  • 社会原理:他者への共感を重視。

  • 法技術原理(今回):絶対的な真理・規範への服従を重視。

イランだと「個人の目的より、神の定める規範を守る」。
社会全体のためというよりは、神の意志に従うんですね。

ですです。どの文化も一理あるし、一長一短ですけど、イランの場合は「権威ある原典」を最優先するから、個人的な意見や解釈よりも、「客観的な真理」への忠誠が求められるんです。

これは簡単に「理解できた!」と言ってはいけない気がしますね。

それでも、理解しようとする姿勢が大事だと思いますよ。



まとめ:法技術原理の核心


では最後に、ポイントを整理しましょう。

  1. 絶対的な真理と規範を重視

    • 結論はあらかじめ存在し、それを受け入れる教育スタイル。

  2. 原典暗記とルール遵守

    • 個人の自由な解釈は制限され、常に “正しさ” を原典に求める。

  3. エンシャー(作文)は神への感謝で締めくくる

    • 格言や詩を引用し、最後は道徳的・宗教的な正しさを強調。

  4. 歴史や時間観も神が定めた一本の道

    • 人間の外にある大きな力が歴史を動かすと考えられる。

フランスやアメリカとは全然違うアプローチですけど、実際にイランではそれが当たり前なんですもんね。

そうですね。背景には、国教であるイスラーム・シーア派の教義や、政教一致の体制も大きく影響してます。日本とは異なる思想の在り方があって面白いですよね。

今回「エンシャー」を勉強したので、ボクも書いてみようと思います。

何について書くんですか?

プリンを神に感謝する。

否定しようと思ったけど、食べ物系は何でも「神に感謝」でいけそう。「蚊」でさえ神に感謝するらしいので、プリンは余裕ですね。

「すべての恵みを授けた神様に感謝しつつ、プリン万歳!」で締めたいと思います。

これまた着地としては間違ってないんですよね。それもまた法技術原理的かもしれません。

やったー!プリン神!

あ、それはダメです。

!!!

はてさて、次回はいよいよ日本の教育原理を見ていきましょうか!

いよいよ日本!楽しみです!

最後までお読みいただきありがとうございました!
それではみなさん、すろすろすろーす!

バイバイプ―!



お知らせコーナー


お知らせコーナーです!
さっそくいきます!

駆け抜けろー!!

寒い日が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

は?

寒い日には温かい恰好をしてお過ごしください。パーカー売ってます。

気持ち悪いお知らせ。

最後に、毎度おなじみのお知らせになるのですが、日本の方の海外挑戦を応援するために記事を書きました!

海外挑戦に対する不安を打ち砕く内容となっています。冒頭部分だけでもご一読いただけますと幸いです!写真と動画を追記したので、すでにお読みの方も、ぜひチェケラお願いします!

チェケー

お知らせは以上です!
ありがとうございました!

ばいちゃ!

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しらい
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