『猫楠』 感想
水木しげる作の漫画『猫楠』(ねこぐす)。
いや『猫楠』(ねこぐす)に限らず、水木しげるの背景や自然の書き込みがスゲー!って言いたかっただけなんですが、どうやら他にもそう思っている人はいっぱいいるようですね。
私は生き物が好きだし自然が好きなんだけど、それは好きっていうよりも緻密にできているのがおもしろいからなのかなーと考えることがある。東京の街並みも細かくてすごいなあと思うけど、木や草が生えている森や河原なんかの自然のは風や波でゆらゆら動いているし、葉ひとつ手にとって拡大してもさらに細かくてすごい。
そんな感動を水木しげるの作品からビシバシ受ける。たぶん水木しげるも自然すげーこまけーって思って少しでも表そうとしてたんじゃないかな!?と勝手に信じている。
どんな絵なのかは「水木しげる 背景」ででも検索して見てみて欲しいのだが、とにかく点描や葉の書き込みなど筆量(というのか?)がものすごい。圧倒的書き込み量。しかもトーンなど使っていない。手書きでこれだ。
どうやら書き込み背景は美大生にアシスタントとして書かせていたものも多いらしいのだが、それにしても水木しげる自身がもともと素晴らしい画力の持ち主なのだろう。
漫画『猫楠』(ねこぐす)を読んでみたきっかけは、もともと伝説の菌類学者(というかいろいろ学者)の南方熊楠について興味をもっていたので、本屋で見つけて漫画なら読みやすそうということで買ってみた。
ちなみにこの漫画、4,5割が下ネタで主人公(南方熊楠)が全裸である。チン…に関する描写が何回も何回も出てくる。チン…にダニが入ったから女中にフマキラーをぶち込ませるエピソードやら、チン…がどれくらい大きくなるかアリに噛ませて実験したとか、ほんとかいなという話ばかりだが、実際南方熊楠が相当変人だったらしい。
それにしても天皇に標本を献上するなど多くの功績を残し、周りの人にも愛された熊楠だったが、愛息子・熊弥が現代でいう統合失調症のような状態になるなど苦労も多かったようだ。人生…。
まあつまり『猫楠』は水木しげるの天才画力発揮絵と南方熊楠のおもしろすぎエピソードが読める最高コラボの1冊なのでおうちで何か読みたい人は読んでください。南方熊楠が猫好きだから『猫楠』らしいです、はい。
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