どのような人を取締役にすべきなのか
新シリーズ「幹部に言えない社長の悩み解決大全」毎週火曜日配信です！
中小ベンチャー企業の社長がよく悩まれるテーマ「幹部についての悩み」の解決策を毎週紹介していきます。
第4弾は「どのような人を取締役にすべきなのか」
１ まずは前提条件の作成
社長は、どのような人を取締役にしたいのですか？
「うん、そうだね！ なかなか、簡単には決められないね。幹部の登用以上に取締役の場合は悩むよね」
そうですね。私も、社長経験が浅い30代の頃には誰を取締役にするのか相当悩みました。
「へー！白潟さんも、かなり悩んだんだ。まあ、そうだよね、自分の選定が間違っていても、すぐ退任させるわけにはいかないもんね」
その通りですね。
偉大な経営者の１人であるセコムの創業者飯田亮（取締役最高顧問）でも、著書『経営の実際（中経出版）』の中で、
『私だって長年の経営経験の中で、その下につく部下がかわいそうなことにならないように、と願って役員を選んできたつもりですが、時として失敗もありました。その下の社員には苦労をかけたと詫びたい思いです。』
と述べています。
「え！あの、セコムの創業者飯田さんでも失敗したことがあったんだ。取締役の選定はそれだけ難しいってことだよね」
そうですね。
社長、だからこそ、こんな人は取締役にしない！
すなわち前提条件だけはしっかりと決めておいた方が良いのではないでしょうか？
「まあ、そうだよね」
次に示す６つの前提条件を参考にしてください。
前提条件は完成したら全員に公表したほうがいいです。取締役を目指したい社員の成長ゴールになります。
もちろん、公表には現在の取締役が前提条件をクリアしていることが大前提ですが…
【考え方】
① 社長の譲れない想いと考え方（MVV）に誰よりも賛同し体現している
・社長の大切な想いと考え方への賛同・体現は大前提になります。
【熱 意】
② 経営に対する熱意が誰よりも強い
・経営への熱意が欠けている人が取締役になったら、社員全員がやる気をなくすでしょう。
③ 社員のために命を懸ける覚悟がある
・社員のために死ねるという覚悟を持っていることが、経営陣の一員である取締役のあるべき姿ではないでしょうか。
【能 力】
④ 社長・他の取締役との間に強固な信頼関係がある
・経営陣同士の信頼関係がなければ、一枚岩の経営チームはつくれません。
⑤ 会社の来期以降の成長に貢献できる
・今期は社長と取締役以外で成果を上げられることが理想です。来期以降の成果は取締役の責任です（社長は3年後）。
⑥ 社員からの人望がある
・社員がついてこない人は取締役になるべきではありません。取締役に人望がなければ幹部・管理職も人望を得ようと努力しないでしょう。
「なるほど、社員のために死ねる？今期ではなく来期の成果？取締役であれば当然か。人望は私も必要だと思うけど、なかなか成果と人望の２つを満たす人はいないよね。ところで、前提条件を作った後はどうするの？」
はい、ここからが肝になります。
２ つぎに、前提条件クリアした人の中から取締役を選定する
前提条件をクリアした人の中から取締役を選んでいくわけですが、社長のあたま評価（いわゆる直観）で決めてもいいです。
選定基準を作る場合は、つぎの8つをベースに社長が１つずつチェックしながら、社長の考えをまとめ選定基準を作成してください。
① 【過去の実績】今までの仕事の実績・貢献をどうみるのか？
→ 過去５年間はみる／みない
② 【社長への提案力】社長にNoが言えるか、社長に提案できるかをいれるのか？
→ いれる／いれない
③ 【目線・姿勢】社長と同じ目線である、毎日会社のことを考えているをいれるのか？
→ いれる／いれない
④ 【リーダーシップ】求心力をもって会社を引っ張っていくリーダーは何人いるのか？
→ 社長１人でよい／社長以外にＮ人いる
⑤ 【No1の強み】誰にも負けないNo1の強みを持っていることをいれるのか？
→ いれる／いれない
⑥ 【共通の能力】全役員に共通で必要な能力を業績UP力以外にいれるのか？
（例：後継者の育成力、全社の本質的な課題発見・解決力、決算書分析）
→ いれる／いれない
⑦ 【社長にない能力】社長に足りない能力を有する必要があるか？
→ ある／ない
⑧ 【性格】性格をいれるのか？
（例：ネアカである、愛嬌がある）
→ いれる／いれない
３ まとめ
１ まずは、取締役の登用条件を設定する前に、取締役候補者になれる前提条件を設定する（上の文章を参照）
２ 取締役候補者の前提条件をクリアした人の中から、社長が取締役にしたい人を社長のあたま評価（いわゆる直観）で決め取締役にする。
３ または、取締役を選ぶ時の基準を事前に決め基準をクリアした人を取締役にする（上の文章を参照）
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