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【7秒しかけ 経営言動編#50】『うちの社員は能力が低い』はダメ社長
経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。
今回は、7秒しかけ「『うちの社員は能力が低い』はダメ社長」を紹介します。
突然ですが、社長、自社の社員の実力を外部の方に質問されたらどう回答しますか?
「なんて答えるかな?」
実は、この回答内容で会社の業績の状況がわかったりするんです。
お陰様で、私白潟敏朗はコンサルタントになって35年経ち12700人の社長とご縁を持たせていただきました。
この経験を踏まえて言えるのは、次のような発言を外部の方にしてしまう社長の会社は、業績が芳しくないことが多いということです。
『うちの社員は能力が低い』
『うちの社員は出来が悪い』
『うちの社員は実力がない』
どうしてなのでしょうか?
それでは、詳しく紹介していきます。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「『うちの社員は能力が低い』はダメ社長」とは
業績が良い会社の社長は、
『うちの社員はよく頑張ってくれてます。ダメなのは私なんです』
このような言葉で社員の実力を外部の方に伝えています。
『うちの社員は能力が低い』
このような発言を外部の方にしてしまう社長の会社はどうして業績が良くないのでしょうか?
一番大きな原因は「原因社員主義」すなわち社員への責任転嫁です。
そもそも、
・そのような社員を採用したのは社長じゃないでしょうか?
・そのような社員の育成責任は社長にあるのではないでしょうか?
・上司に部下育成力をつけるのは社長の仕事ではないでしょうか?
経営が上手くいく肝は「原因社長主義」ではないでしょうか?
ニデックの代表取締役永守氏は「社員のせいにするな。すべては社長次第」と明言しており、成果が出ないのは社長の責任であるという考えを貫いています。
ファーストリテイリング〈ユニクロ〉会長兼社長の柳井正氏も「業績が悪いのはすべて経営者の責任」という考えを持ち「社員のせいにするのは論外」とも発言しています。
『社長の仕事(かんき出版)』の著者浜口隆則氏は、著書の中で成功する経営者の第一条件は「原因社長主義」と述べています。
理想を目指せば、日々、うまくいかないことだらけだ。
それが経営の現実。しかし、それは他の誰の責任でもない。
すべては、経営者である私たちの責任だ。
失敗するのには、理由がある。うまくいかないのには、理由がある。
失敗は、その理由を教えようとしてくれている。「今のやり方は間違っているよ」と教えようとしてくれているのだ。
しかし、成功できない経営者は、失敗の原因やうまくいっていない理由を、
自分ではない他の誰かや何かの責任にして、その教えから、逃げている。
それで経営がより良くなっていくハズがない。
自分以外の責任にばかりしていないか?
言い訳ばかりになっていないか?
自分を冷静に見つめ直してみよう。
「 雪が降っても、自分の責任 」それくらいの覚悟をした経営者だけが、
失敗を糧にして、一歩一歩、成功に近づいていく。
「原因社員主義」以外の原因は、社長のプライドが高いことです。
業績が良くないことい素直に認めたくないため「社員が優秀ならもっと会社はいくのに」と考え、自分の判断ミスや経営の問題を見つめ直すことを避けている可能性があります。
他には、外部の共感を得ようとしているのかもしれません。
「社員が使えない」という話を外部にすることで、聞き手に同情してもらえたり「社長も大変ですね」と共感を引き出したりしようとする心理があります。
どのような原因があろうと外部の方に
『うちの社員は能力が低い』
このような発言を外部の方にすべきではありません。
「原因社長主義」の経営ができなくなります。
この言葉を聞いた社員は悲しくなりますし、社長を信頼しなくなるでしょう。
2 アンカー(「『うちの社員は能力が低い』はダメ社長」を思い出させるきっかけ)
「『うちの社員は能力が低い』はダメ社長」にならないためには準備をすれば実践できます。
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくてもそうならない社長は、今すぐ実践しましょう。
そうでない社長は「うちの社員は能力が低い」を言わないためには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!
① 「原因社長主義」の経営をすると宣言する
② 「うちの社員は能力が低い」と絶対言わないと決める
③ 万が一、言ってしまったら記録する(記録がとれる準備をする)
・言ってしまった日に手帳に記録する
・記録後に振り返り、再発防止策を考え実践する
4 いつから実践しますか?
「うちの社員は能力が低い」と絶対言わないいつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・今日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「うちの社員は能力が低い」と絶対言わない実践と記入した付箋を手帳やパソコンに貼ってもいいです。
「『うちの社員は能力が低い』はダメ社長」の紹介は以上でおひらきです。
「原因社長主義」の経営ができることを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「7秒しかけ 経営言動編」を読んでくれてありがとうございます。
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