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幹部を中途採用すべきがどうか悩んでいる
新シリーズ「幹部に言えない社長の悩み解決大全」毎週火曜日配信です!
中小ベンチャー企業の社長がよく悩まれるテーマ「幹部についての悩み」の解決策を毎週紹介していきます。
第5弾は「幹部を中途採用すべきがどうか悩んでいる」
1 幹部の中途採用に成功するコツ
社長、どうして幹部を中途採用すべきがどうか悩んでいるのですか?
(しばらく沈思黙考)
「いや、やっぱり幹部の中途採用はメリットもあるけどデメリットもあるから悩むんだよね」
なるほど、どのようなデメリットが考えられますか?
「社員のモチベーションは下がってしまうかなあ?」
「現在の幹部も自分より優秀な人がきたらいやだろうね」
たしかに、仕事ができる幹部候補の社員のモチベーションは下がるかもしれませんね。
「一生懸命頑張って会社に貢献しても。自分は幹部になれないのか?」
と思ってしまいます。
ひどくなってくると
「社長は自分たちの実績や貢献を全く評価してくれない!」
と、社長への不信感がでたり会社へのエンゲージメントが低くなりますね。
「そうなんだよ、最悪そうなっちゃうよね」
幹部も自分より優秀な人は歓迎しないでしょうし、その人の下につくのはいやでしょうね。
「幹部もそうなるよね」
社長、そうであれば幹部の中途採用をやめて社内の人材を育て幹部にした方が良いのでは?
「やはり、そうした方がよいのかな?ただ、幹部が育つまで時間がかかりすぎるんだよね。デメリットがなくなる方法ってないの?」
はい、1つだけあります。
まずは、社長が社員や幹部に『新たに幹部を中途採用するこころ』をじっくり語ります。
その後、
「会社の発展のために優秀な人を連れてくれば、皆さんの上にその人がくるかもしれない」
と伝え、賛成か反対かを聞いた後に、社員や幹部が
「社長、会社が発展するなら、そういう優秀な方が我々の上になっても構いません」
と言ってくれればデメリットはなくなります。
「え!そこまでやるの? 大変だね!」
実は、これは京セラの故稲盛名誉会長が中小企業時代にやった施策です。『実践経営問答(PHP)』
「へー!稲盛名誉会長はここまでやってたんだ!さすがだね、だから京セラはあんなに大きくなったんだね」
そうですね。
「社長がスカウトした人が来てもいいですよ」と言った京セラのその当時の幹部の人たちは、精神構造が善く度量のあった人だったので努力を惜しまず向上していきました。
あとから入った優秀な幹部が舌を巻くほどの人物となり、現在も京セラを率いているそうです。
当たり前ですが、幹部や社員が社長と会社を愛していれば自分のことより会社のことを考えてくれるので、社外からの人材登用を容認できる会社になるのでしょう。
なお、余談ですが幹部の中途採用は採用媒体や人材紹介ではなく、社長のリファラル採用を推したいです。
この35年間で12700人の社長とご縁を持たせて頂きましたが、幹部の中途採用で成功している会社は社長のリファラル採用でした。
社長の前職の同僚・上司や社長の友人・知人が中途採用で幹部になっていました。
2 中途採用に成功する選考プロセス
幹部の中途採用に成功する選考プロセスを紹介します。
① 社長のリファラル採用
繰り返しになりますが、幹部の中途採用での応募は採用媒体や人材紹介ではなく、社長のリファラル採用をおススメします。
社長の友人・知人(紹介してくれる人を含む)を棚卸をし、幹部で入社してもらいたい人を選び個別にアタックします。
人間関係ができていない方には、いきなりリファラル採用の話をする前に関係性を構築し信頼してもらうところから入ります。
関係ができた後は相手のキャリア相談に乗りながら、リファラル採用を仕掛けましょう。
② 応募者が経営会議に参加
いきなり面接をするのではなく、応募者に経営会議に参加してもらいます。
そこで、次のポイントで評価をします。
・全員と異なる視点を持っているか?
・社長に言いたいことを言っているか?
・長期的・多面的・根本的な意見を述べているか?
③ 全幹部との面談と会食
経営会議で評価されたら、現在の幹部と合うかどうか?共にやっていけるのかどうかを全員の幹部との面談と会食で評価します。
④ 配属先の部下全員との会食
全幹部に評価された後は、配属先の全員の部下と会食し、上司として適切なのか?合うのかどうかを評価させます。
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めでたく入社が決まっても、
① いきなり取締役で入社させない、成果を出し貢献した後に取締役にする
② いきなり部門長として部門に配属させず、3カ月くらい経営企画室づけで仕事をしてもらう
こうした方が入社後の部門崩壊リスクや幹部の退職リスクを低減できると思います。
3 まとめ
1 幹部の中途採用にはメリットもありますが、社員と幹部のモチベーションダウン、社長への不信感、会社へのエンゲージメント低下というデメリットもあります。
2 そのデメリットを次の方法で解消することができれば採用し、できなければ採用しない。
① 社長が幹部とベテラン社員に会社の発展のために優秀な人を採用した
いと訴え、幹部とベテラン社員が納得してくれる。
3 究極の方法は、社外からの人材登用を容認できる会社、すなわち社員と幹部が社長と会社を愛し『自分よりも会社』になってくれる会社を作るしかありません。
4 成功する選考プロセスは次の通りです。
① 社長のリファラル採用
② 応募者に経営会議に参加してもらい評価
③ 全幹部との面談と会食で評価
④ 配属先の部下全員との会食で評価
5 入社後はいきなり取締役にせず、部門配属にもせず経営企画室づけで仕事をしてもらいます。
今回も、「幹部に言えない社長の悩み解決大全」を読んでくれてありがとうございます。
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それでは、また来週!!