イベントレポート:「社会課題と向き合うプロダクトデザインの現場〜レガシー産業のリアルな課題と解決秘話〜
こんにちは、Shippioのしんぎょうちです。2024年10月29日に、物流系スタートアップ4社共催で「社会課題と向き合うプロダクトデザインの現場〜レガシー産業のリアルな課題と解決秘話〜」というオフラインイベントを開催しました。
各社からデザイナーやエンジニアが登壇し、各社それぞれが物流インフラという課題の大きい領域にどう向き合っているのか、また実際にプロダクトを設計するときに起こる問題への対処や工夫といった現場のリアルについて、トークセッションを行いました。会場にはデザイナーやエンジニア、プロダクトマネージャーだけでなく、物流事業者の方も来てくださり、大変盛り上がりました。この記事では当日の様子をお届けします。
登壇者
登壇者はデザイナーとプロダクトエンジニアの3名です。
松本萌花(まつもと もえか/アセンド株式会社)
SIerでのバックエンドエンジニアを経て、2022年7月に4人目エンジニアとしてアセンドに入社。現在はプロダクトエンジニアという職種でプロダクトマネジメント、UI/UX、フロントエンドまで領域を広げ、運送会社向けオールインワン運行管理SaaS「ロジックス」の開発に携わる。現在はリードとして、請求管理、労務管理、車両管理など複数領域の立ち上げ、改善を推進している。
篁 玄太(たかむら げんた/Willbox株式会社)
デザイナー・FEエンジニアとしてウェブ受託制作会社でキャリアを開始。 その後、freee株式会社などのクラウドサービス系事業会社4社でUX/UIデザイナーとして勤務。 データとモノが複雑に絡む領域に興味が湧き、2023年10月にWillbox入社。
新行内ゆかり(しんぎょううち ゆかり/株式会社Shippio)
ソシオメディア株式会社のデザイナーとして、業務アプリケーションを中心に多数の企画や改善プロジェクトに携わる。 その後事業会社でインハウスデザイナーをやってみたくなり、2023年にShippioに入社。プロダクトデザイナーとして貿易プラットフォームのデザインに取り組んでいる。
また、Hacobuの渡辺さんにモデレーターという形で議論をリードしていただきました。
渡邉 章仁(わたなべ あきと/株式会社Hacobu)
2017年5月に株式会社SHIFTに入社後、QAエンジニアとして介護事業所向けアプリケーション開発に従事。
2022年10月に株式会社Hacobuに入社し、配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」の開発においてQAエンジニアに従事。その後トラック予約受付サービス「MOVO Berth」のエンジニアリングマネージャーへ就任。現在は組織開発室を立ち上げ、室長として横断的な組織の強化、課題の解決へ従事している。
ちなみに4社のカバー領域は以下のようになっています。
WillboxとShippioが国際物流の領域を、アセンドとHacobuが国内物流の領域を中心にプロダクトの提供を行っています。
トークセッションでは、以下の3つのトピックについて話しました。
今直面しているUXやデザイン面の課題
生き残るためのセールスの武器となる機能 vs 実際に必要とされる機能
レガシー産業でよく直面する課題
今直面しているUXやデザイン面の課題
プレイヤーがたくさんいて、見たい視点が違う
Shippio 新行内
Shippioは、今、貿易に関わるステークホルダーを一堂に集めて使えるプラットフォームを作ろうっていうことをやっています。とにかくプレイヤーが多いので、無限に伝言ゲームが発生しているっていうのがあって。今はメールとか電話とかfaxとかでやられていたりとかするので、本当にその辺の情報の共有が大変というところで、どうにかしていきたいと考えています。
課題がめちゃくちゃいっぱいあるんですけど、特に今直面しているのが、プレイヤーによって見たい情報の粒度や視点が違うということです。例えば、コンテナ単位だったり、船積み単位だったり、あとは商品単位だったりとか。人によって、何の仕事してるかとか、輸送が今どの段階にあるかによって、見たい粒度が色々違うっていうのが、本当に課題です。
Willbox 篁
それぞれ、例えば営業さんだと、案件が決まるところまでだとか、見積もりであるとか、その辺り中心に関心があるけど、それが決まった後の物流部門の担当の方はあんまり興味がなくて、案件の進行がどうなってるんだとか、手配どうなってるか、みたいな話はすごくあります。
Hacobu 渡邉
そういういろんな人が見たいデータ、見たいものって違うじゃないですか。そういったところのデザインてどういう風に考えられてるんですか?
Shippio 新行内
基本的にはオブジェクト単位で一覧になっていて、見たい人それぞれが見たいオブジェクトにすぐにアクセスできるようにするというのを基本に作ります。でもどの船積の中にどのコンテナが入っているかを見たい、みたいな話になると、オブジェクト同士が多対多で紐づいたりするので、それは本当に難しいなと思っています。
アセンド 松本
こんなん解決できない。笑
いや、うちもめちゃくちゃわかって、国内輸送もやっぱり運ぶものにもよりますし、運ぶための契約の仕方で扱いたい粒度が変わっていくっていうのはよくあって頭を悩ませています。私はエンジニアなので、多対多のデータ構造ってバグの温床にもなるんですよね。人の頭で扱える限界を超えてしまう。
やっぱりデータモデルをどれだけシンプルに、しかし汎用性の高い状態でできるかみたいなところの勝負を毎日しています。で、シンプルに物事を、データモデルをちゃんと作っていこうってなった時に、業務の本質、お客さんごとに言ってることは違うんだけど、それを汎化したらどうなるか、どういうモデルになるか、もっとシンプルにできないかをドメインエキスパートに聞いたりしています。いろんな人の知見を引き出してシンプルにしていくっていうのがやっぱ1番かな。
物流のスペシャリストが少ない
Willbox 篁
荷主さんだと、見積や商談をする時に、全体の物流費は案件単位で見るんですけど、内訳は依頼する業者によって見積項目が揃わないので、なかなか分析が難しいっていう課題があって。で、そもそも日本には物流のスペシャリストがあんまり多くないって言われていて、どういう物流設計がベストなのかを策定できる人がなかなかいないんですよね。
一方で物流事業者サイドだと、フォワーダーは見積をたくさん作るんですけど、その作業が占める割合が高い割に、7割は失注するっていう話があって。新規顧客の開拓も難しいとか、案件の詳細がもうちょい早めにわかってればコスト減らせるのにっていうような、そういう多種多様な課題があるっていう感じです。
で、うちが注力しているポイントとしては、まず見積もりの自動化ですね。特に梱包の見積もりが決まらないと、コンテナの数や全体の見積もりが出せないので、そこを自動化できれば全体の概算が出せるんじゃないかっていうのが一つ。もう一つが、全ての情報を集約して、関係者が自分でアクセスできる環境を作れば、案件の進行もスムーズになるし、コストも抑えられるはずっていうところですね。
Hacobu 渡邉
やっぱり物流のスペシャリスト少ないです。
アセンド 松本
物流の部門って、日本企業では「間接部門」と捉えられることが多いですね。アメリカだとCLO、チーフロジスティクスオフィサーみたいな立ち位置が出世街道として結構メジャーらしいんですけど、日本ではまだそのような動きは多くないです。
Willbox 篁
とはいえ、ERP的な世界を実現しようと思うと、ある程度社内のいろんな部門や役割の人が一緒に使うっていう前提で使いやすくなるっていうのはあるので。 最初に弊社がお話しするのは物流部門の方なんですけど、そこで良いとなってもそこから全社に展開していくというところでハードルが高かったりはありますね。
アセンド 松本
しかも、現場が頑張れちゃうし、頑張ってる。先ほども梱包の話がありましたが、商流情報、契約の「物運んでください」みたいな情報から、フィジカルな情報に変換するみたいなところで情報が落ちがち。結構出荷情報とかは綺麗なデータになってる時が多いんですよ。
こんな綺麗にデータ化されてるんだって感動するくらいなんですけど、そっから実際に運送しますってなった瞬間にFAXが使われていたりして。データになっていない状態なりがちというのは、構造的にあるんだろうなと思います。
Hacobu 渡邉
スペシャリストの方がいないという状況の中で、正直お客様もどうしたらいいのかわかってないみたいなことって多いと思うんですよ。そういう状況の中で、 御社でどうやって深掘りしてデザインに落とし込んでっていうような動き方されてるんですか?
Willbox 篁
ヒアリングでは結構色んなお客様に時間をもらって考えていくことになるんですけど、やっぱりお客様ごとに同じようなメーカーさんであったことと、理想とする物流の形態は違うんだなっていうのはあって。
また、ヒアリングした結果をベースに仮説を持っていっても、 いいフィードバックは得られないので、ある程度プロダクトの形にして、それでできそうかっていうのを確認していくみたいな、言語化すると当たり前のプロセスかもしれないですけど、特に物流業界ではその辺が重要になってくるかなと思います。
業務を再設計する難しさ
アセンド 松本
アセンドは、物流の進化を開き、あらゆる産業を支えるっていうミッションに少し前に改定しまして。というのも、物流って社会経済の根幹たるものなのに、注目されにくくて。構造的にも稼ぎにくい状態になっていて、現場で働いてる方々に負担が寄ってしまっているっていう状況があるんです。
私たちが目指してるのは、やっぱりデータなんですよね。物流ってデータがあればもっと効率化できるはずなのに、今の状態だと、発注や取引の情報から、物流情報に変換するところで絶対アナログになっちゃって、活用できないっていう問題を業界全体で抱えてるんです。
だから、アセンドのロジックスっていう製品を運送会社にきちんと使っていただいて、物流データをデータ化した状態で蓄積して、それを経営改革まで繋げていきたい。ただ、課題としては、業務を再設計する必要があって、これが結構難しいんです。具体的には、社内業務を縦に繋ぐ難しさとか、異なる運送会社間を横に繋げる難しさ、あとはITツールに慣れていない方が多かったり、システムが古かったりっていう、そういう難しさがあるなって思ってます。
Hacobu 渡邉
業務設計みたいなところ、我々はお客様に入り込んでアドバイスしながらみたいにさせていただいてるんですけども、アセンドではどういう形で整理しているんですか?
アセンド 松本
アセンドも同じですね、コンサルタントやCSが、簡易業務コンサルみたいなところまで入り込んで、業務の再整備まで支援しています。結局やりたいのって経営改善なので、システム入れるだけではなくて、ちゃんとユーザ側が業務できるように支援をしています。
Shippio 新行内
Shippioも似たような感じです。やっぱり我々のシステムはまだ必要な機能が提供しきれていないところもあるので、どうしたら今のお客様がやってる既存の業務を我々のシステムに置き換えていただけるかっていうのを結構ちゃんと考えないといけないので、CSとセールスが業務設計まで支援しています。
Willbox 篁
Willboxはまだどうすればいいっていう形が見つかってないっていうのが正直なところなんですけど。
以前、あるメーカーさんが物流機能をアウトソーシングしたい、という話があって、そこを支援しながらいいところを見つけてプロダクトに展開しようっていう流れだったんですけど、実際には別の要因でうまくいかないケースもあるので、意外と難しいなっていうのを感じてます。
アセンド 松本
DXみたいなことを考えると、やっぱりお客様の社内に絶対負担を伴ってしまう行為になってくるので。
プロダクトとして全力で支援するっていうのはもちろんなんですけど、現場だけじゃなくて経営層を巻き込んで全社プロジェクトとしてやっていただくとか、ビジネスの土台作りみたいなところをセットでやっていかないと、レガシー業界ってなかなか難しい業界だなと日々思います。
生き残るためのセールスの武器となる機能 vs 実際に必要とされる機能
MVPとして作った機能のその後の扱い
Shippio 新行内
お客様が求める機能を、MVPっていう形でシンプルにしてスモールスタートで出すってことを結構やってるんですけど、そのMVP機能の扱いが本当に難しくて。一度出してしまうと、その機能があるからっていうことで、完成度はまだまだなんだけど、それを改善していく優先度が上がらなくなっちゃって。
結果として、中途半端なものがプロダクトのあちこちに残ってしまって、機能はたくさんあるんだけど、それぞれがちょっと惜しいなみたいな状態であるっていうのが、大きな課題だと思っています。
Willbox 篁
部分的にもう受け入れられてるところを変えていくのは、なかなか難しいですね。 なんかもう完成度は低いけどこのままでいいじゃんってなっちゃうのもすごく分かる話で。
アセンド 松本
中途半端で残ってしまう機能って、業務上問題なければいいんですよね。言っちゃえば。
でも実際にはどこにしわ寄せがいってるかっていうと、CSとかサポートだと思うんですよね。MVPってプロダクトが価値を出したいミニマムなんですけど、お客様にとっての価値が本当に出るまでの動線がきちんとしてないっていう話だと思います。それで結局、運用回避とか、CSが「これはこうなってるんですよ」って言ったりとか、無駄なコミュニケーションが発生して、サポートとかCSに負担が寄っている状態になってるんですよね。
なので、改修プロジェクトを進めたい時は、そのCSの負担をきちんと可視化して、表に問題として出していってプロジェクト化していくっていうアプローチでやってますね。
MVP機能の検証
Shippio 新行内
そもそも機能の検証をどういう形にするかっていうのが結構難しくて。Shippioではリリース後に、業務が良くなったか、ミスがなくなったかなどのフィードバックの回収や効果検証をすごくたくさんやってるんです。
でも、丁寧にヒアリングしていくと、「運用で回避してます」とか「実はエクセルでどうにかしてたんで元々問題じゃなかったです」みたいな話が後から出てきちゃうことがあって。機能は使ってもらえてるけど、お客さん側に本当に効果があるかっていうと、なかなかそこに達しないケースもあるっていう状況ですね。
Hacobu 渡邉
そういう課題ありますよね。弊社でも色々聞いてたら、なんか自社のマクロ組んでるんだって言われて、ちょっと待って、みたいな。
お客さんで工夫をして解決してくださっているケースもあるので、そこにちゃんとアプローチできるようにしたいなとは思っています。
Willbox 篁
ツールが導入されるまでの使われ方は、データが残ってないことも多いなと思うんですけど、事前に何か工夫して進めたりするんですか。それとも、それは割とお客様側に揃ってる前提で進められることが多かったりするんですか?
Shippio 新行内
結構まちまちなんですが、よく出てくる話だと、デマレージ料金というのがあって、港にコンテナを一定期間無料で置いておける期間があって、それを過ぎると遅延料金として払わないといけないんですが、こういうケースだと、コンテナをちゃんと処理しきれなかったっていうのが金額として出てくるので、お客様の中でも記録が残ってたりするんです。
でも、そうじゃないところは、日々の運用の中でギリギリで頑張ってるような感じなので、効果測定も肌感を聞くしかないところもあるかなと思います。
レガシー業界でよく直面する課題
紙のデータ化がDX?
Shippio 新行内
Shippioは貿易の仕事が全部プラットフォーム上で行われる世界を目指してるんですけど。よく使ってくださってるお客様がいて、現場の方は「Shippio、本当に便利です」って言ってくださってるんですが、でも実は、その会社の一番コアとなる情報が、Shippioじゃなくて紙の書類で管理されていて。Shippioに登録された情報を見て、それを紙に転記してるっていう状況だったんですよね。
結局、Shippioはお客様と物流事業者とのコミュニケーションツールとして使われていて、「メールがチャットに置き換えられて助かってます」みたいな話で、それはそれで良い話ではあるんですが、すごく部分的にしか業務を変えられていませんでした。
長くShipppioをご活用いただいているお客様だったのに、今まで社内の誰もそこまで踏み込んで聞けてなかった部分で、その点は反省だし、自分たちの力不足だなって思ったエピソードでした。
Hacobu 渡邉
紙のデジタル化がDXなのかっていう問題もありますよね。
Willbox 篁
私たちみたいにデジタルプロダクトで良くしていこうってなると、どうしても「紙でやってる業務はウェブに置き換えよう」みたいな方向性になりがちなんです。
でも、これは前職で倉庫を見学した時の経験なんですけど、メーカーさんからの発送指示がFAXで送られてきて、それをそのまま倉庫に持っていって、ピッキングリストみたいに使ってたんですね。これって、紙ならではの良さがあるなって。無理やりデジタル化しても、もしかしたら全体の仕事のフローは良くならないんじゃないかなって。
だから今は、「紙は絶対ダメだからリプレイスするぞ」みたいな姿勢じゃなくて、業務全体を捉えた上で、紙も適材適所で使っていくみたいな前提で考えないといけないのかなって。ただ、これはまだ仮説の段階で、もしかしたらもっといいデジタル化の方法があるかもしれないので、その辺について他の方の考えも聞いてみたいなと思ってます。
アセンド 松本
紙のデータ化がDXなのかって言われたら絶対ノーだと思っていて。DXっていう言葉自体がバズワード化しちゃってて、ただのデジタル化がDXって言われてたりするんですけど、アセンド的には、やっぱり経営の改善、経営変革まで行かないと本来のDXじゃないよねって考えてます。
で、確かに紙の置き換えみたいなところにゴールが行きがちなんですけど、これはむしろチャンスだと思ってるんです。既存のシステムに侵されてない数少ない領域なので、いい製品を導入して業務自体を変革できるポテンシャルがある。だから、「紙の置き換えじゃ終わらせねえぞ」っていう強い気持ちと発想力を持って取り組まないといけないなって日々思ってますね。
Shippio 新行内
そもそもその紙で行われてた業務自体をなくすみたいな話もすごくあるかなと思っていて。
例えば何か紙で人間がチェックしていたら、その部分をシステムで置き換えることで、問題があった時だけわかるようにするとか。
アセンド 松本
わかります。よくよく業務を紐解いてみると、それ紙じゃなくてもいいよねとかはめちゃくちゃありがち。
Excel強すぎ
Shippio 新行内
今Shippioを使ってくださるお客様って、ほとんどが今エクセルで管理をしていますっていう方が大半で、導入の時に運用が難しいということがよくあって。
Excelで今こういうふうにみているから、Shippioでも同じように見ないと判断できないんだとか、こういう集計が必要なんだとか。
アセンド 松本
1番の強豪がexcelはめっちゃあるあるですよ。すごいところは本当にExcelだけで社内システムみたいなところまで組み上げてたりとか。Accessも使って独自の社内システムを作ってるところもあるんですけど、結局運用できる人がいなくなったらやばいみたいな話になっちゃう。
Excelって便利なんですけど、属人性の塊になりがちで、企業としては大きな経営リスクのはずなんです。でも、現場の職人芸が光ってて、Excelをじっくり見ていくと、よくできてるなって思うんですよね。だからExcelをなくしていこうっていう気持ちもあるんですけど、逆にExcelから学ばないといけないなって日々思っています。
Willbox 篁
Excelって強すぎるあまり、どういうタイプの記録でも受け止めてしまえる度量があって。例えば案件管理とか、いろんなタイプのものがあっても、全部Excelでまかなえちゃうんですよね。 そうすると、うちで案件管理のサービスをMVPで出した時に、一部の機能しかカバーできないってなると、結局また全体をExcelで管理する二重管理が発生しちゃう。だから、一旦全部カバーして出すぐらいの気概がないとダメなのかなって。そこは向き合っていかないといけないポイントだと思ってます。
Q&A
プロダクトを一緒に育ててくれるような密な顧客はいますか?また、どのように見つけましたか?
Shippio 新行内
セールスやCSがたくさんのお客様と話して、その中での出会いもたくさんあります。
Shippioだと、プロダクトマネージャーが半ばお客様の担当みたいな形でついて、定期的に定例ミーティングやったりとか、 ヒアリングをしていたりとかするので、そこの熱量で、なんとか一緒にやってもらうみたいな感じになってるかなと思います。
本当に導入していただくまでも時間が長いっていうケースが多いので、セールスのメンバーが対話を繰り返して、そこで熱量がだんだん上がってきたりとかっていうところが多いかなと思います。
レガシーな業界はITツールに慣れていないユーザーの方が多い傾向にありますが、プロダクトを作る際にどのようなユーザー像を意識して作っていますか?
アセンド 松本
どのようなというのも難しいですが、やっぱりプロダクトとしては理想を突き詰めるというか、ウェブの標準でとかが基本的な指針です。そこを変に下げても仕方ないので、デザインとかを馴染みのある感じにするとか調整はしますけど、基本的には、ウェブの標準に従ったベストだと思えるプロダクトを出すっていうのが基本ではあります。それからユーザーのフィードバックを元に調整していくことが多いです。
事業者によって単語の定義・意味が全く異なる時、どのように意思決定して仕様や実装に落とし込んでいますか?
Willbox 篁
例えば、「案件」というのは、うちの会社はこう呼んでいて、画面上でこう変えたいですみたいな話は多分結構あったりするのかなと思うんですけど、一旦、全て標準化する、うちの設計に合わせていただく前提で、進めるようにしています。
デジタルツールを何かしらを使う以上は、使い方も含めてある程度理想とするプロセスに乗ってもらって、最大限の効果を出すっていう前提はブラしたらダメなんじゃないかなと思っていて。用語の定義含めて、これでいくっていうのは貫くようにしてます。
やっぱり「案件」のようなオブジェクトって、呼び方だけの話じゃなくて、じゃあそれが持つべき情報ってなんなのかみたいな情報設計にも関わってくる話だと思うので、名前を安易に変えてしまえるようにすること自体はできると思うんですけど、それで使いやすくなるかっていうとそんなシンプルな話ではないのかなと思ってます。
効果検証までの期間はどのように考えて設定されていますか?例えば、期間を1ヶ月と設定するとその間に別の課題が発生して、MVPのプロダクトに対してアプローチする余裕が無くなる。というものが発生しており、、
Shippio 新行内
Shippioだと、リリース後1ヶ月経った段階で1ヶ月間データを取るとか、大体もう決めでやっちゃっています。 ただ、実際、 1ヶ月後だと、まだ全然その新しい機能の導入が進んでなかったりとかして、もうちょっと待ちたいとかは結構あるんですけど。開発もたくさんあるので、割り切ってその効果検証も進めていかないと、結局いつまで経ってもできないので、 多少別の開発で忙しくなっても、やりきるように頑張っています。
他の会社がどんな取り組みをしているのか、どんな考え方で課題に向き合っているのかを伺うことができて、私もとても勉強になりました。
ご参加くださった皆様、またイベントを共催してくださったアセンドさん、Willboxさん、Hacobuさん大変ありがとうございました!
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