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shiou_kiyomi
2021年6月11日 08:58
彼はいつも、僕のことを「甘い」と言う。 それは僕の態度のことであり、決して僕自身の血肉の味のことでないことは、承知している。僕は彼の口に含まれたことがないから。 しかし、思うのだ。 甘味というものは、温度が高くなると感じやすくなる。 だから、きっと今の僕をかじったら、彼の口にはさぞかし甘いんじゃなかろうか、と。「またくだらないことを考えているだろう」「なにも言わないうちから、ずいぶん