詩誌「アンリエット」
髙塚謙太郎 峯澤典子 「アンリエット」1号
「湖底に映されるシネマのように」
入手してから読み始めるまでに日にちがかかった。
手に取ってみて、ときめき過ぎたから。
読み始めると何周かしなければ読み終えることができなかった。
内容があまりにも充実していて。
目次が最後なので、あえて目次を見ないようにして読んだ。
作者がどちらかわかるものも、わからないものもあって
連詩集のようでもある。
峯澤典子さんの髙塚謙太郎さんへの信頼感(と言っていいと思う)が
すさまじく感じられ、作者が誰かはどうでもよくなってゆく。
中でも「茉莉」三作、「三井葉子の詩について」、「エルゼは雨の朝に病気になる」が印象深く、読後に最初の頁へ戻ると冒頭作品「一通」がとても効いてくる。
掲載作品は言うまでもなく、装幀、デザイン、構成、すべてにおいて
完璧な一冊だと思った。ただ感嘆しているだけでいいから。
末永く、多くのひとに読まれますように。
※ 葉ね文庫さん 七月堂古書部さんで入手可能のようです。