X(Twitter)にみるマスコミのSNS状況
少し前にNHKが自社のWebニュース提供戦略を見直すというニュースが流れた。こちらの朝日新聞の記事を紹介する。
新聞協会は、NHKのWeb版のテキストニュースサービスに対して規模の縮小を訴えてきた。
例えば、以下のような記事だ。
上記の記事にあるように、新聞社はNHKをライバルだと考えた。しかし、NHKのニュースサイトは、新聞社のweb戦略と食い合う関係にあるのだろうか?今回X(twitter)での視聴数を元に、報道各社のSNSの状況を見ていく。
Twitterにみるマスコミ各社のリーチ力
まず事実の確認からしていこう。
マスメディアのSNS活用を見ていこう。集計したのはニュースアグリゲータのYahoo!ニュース、ライブドアニュース、新聞、朝日、毎日、読売、日経、産経、通信社として時事、共同を選択した。
それぞれ、フォロワー数で30万を超える。また、一ヶ月あたり2000-3000ほどツイートしている。単純計算で一日100ツイート程している。
ひと月あたりツイート数
月あたりのツイート数を棒グラフにすると以下のようになっている。
2016年から2022年にかけて増加傾向にあるが、2022年以降、ツイート数を減らしている。
各メディアのインプレッション数
2022/12よりXではview数が取得できるようになったこちらで取得できた、2023/06以降の各メディアインプレッション数を可視化する。
view数は50%パーセンタイルを取得した。月の1ポストあたりのviews数を多い順に並べて、50%の位置にある、ポストのviews数を可視化する。
見たところ、NHK、日経がviewを稼いでいる。また、その次を産経が追っている。その他のマスコミは対してview数を稼げていない。
ニュース・アグリゲーターも一緒に集計するとどうなるか?
上記のマスコミツイートは、あくまでNHK,新聞社,通信社の集計だ。
yahooニュース、ライブドアニュースなどのニュースアグリゲータも集計したらどうなるか?
ニュース・アグリゲーターも集計に含めると、NHK,日経よりも多くviewを稼いでいる。
しかしそれは、朝日や読売の記事が、ニュースアグリゲーター経由で読まれていることを意味しない。
livedoornewsやYahooNewsTopicのニュースページを見れば、それがどこ経由の情報であるかを調べることが出来る。それとpost(tweet)上のviewを組み合わせれば、どの媒体のニュースが見られたかを推定できる。
例えば、こちらのライブドアニュースだと朝日新聞デジタルが提供したことがわかる。
こちらを使えば、どのニュースサイトがviewを稼いでいるかがわかる。livedoornewsにしろ、YahooNewsTopicにしろすぐニュースを消してしまうので、過去から現在までのものはわからないが、取得できる直近3週間のviewデータとニュースソースを使ってどのニュースメディアが耳目を集めたかを見てみた。
期間は、2024/8/24-2024/9/13
調査対象のlivedoornewsポスト数は1520 YahooNewsTopicのポスト数は 1680である。
livedoornews
メディアソースごとで集計し、上位15件を表示した。
見たところ、スポニチ、SPAなどのスポーツ紙週刊誌、FNNプライムオンラインなどのテレビメディア、新聞通信社がviewを集めている。
YahooNewsTopic
メディアソースごとで集計し、上位15件を表示した。
見たところ、テレビ局、天気、スポーツ紙、新聞、通信社のニュースが見られている。読売テレビが15%程度と多く、新聞社は5%にとどまる。
上記のマスコミツイートのview数をX(twitter)で公表したときに、朝日新聞や読売新聞の公式アカウントでのポストは読まれないが、ニュースアグリゲーター経由では読まれているのではないか?という指摘があったが、新聞社、通信社のニュースソースの視聴数は5%以下のため、公式アカウントではview数がないが、ニュースアグリゲーター経由では読まれているとは余り言えない。
ニュースアグリゲータでのニュース配信についてもう一言付け加えるなら、ニュースアグリゲータのニュースには、元記記事へのリンクがない。ニュースアグリゲータの記事を読んで提供元の朝日新聞を気に入り、朝日新聞の記事をもう少し深堀りしようと思っても、朝日新聞デジタルへの該当記事へのリンクがない。そのリンクがあれば、朝日新聞側に回遊できたかも知れない。
上記のように、NHK,日経、次点で産経を除くと、他の報道機関のSNSアカウントでのviews数は比較的低調だ。次節からは、SNSでのviews数が少ないことでどのような悪影響があるのかを見ていく。そこからは有料だ。良ければ、定期購読してもらえると嬉しい。
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SNS(主にtwitter)の分析を通して、見通しの良くないネット社会に対する考察を行います。日本全国で100人くらいが、興味を持つテーマ…
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