
主治医に20年経って思うこと/病気と自己理解
今、通院されている方にとって
あの待合室の重苦しい空気が、少しでも楽になりますように
という思いを込めて書かせて頂きます。
待合室のあの空気 ってどうですか?
僕はあの空気からして凄く苦手でした。
待ちますし。
いつ来るのかもわからん。
5分診療なんでしょ?という諦め。
あんまり良くもなってないのに来るのもめんどくさい。
というのはまだマイルドなもので。
役に立っているのかどうなのかもわからないこんな薬を出して、
給料もらえるなんていいよねー
こっちは、過呼吸にならないかな。。。って心配しながら電車できたのに。
5分で終わりって何これ?
不信感しかないんだけど。
3年も通っているのに全然よくもなってないやん。
いつ良くなるんですか?
そんな事を思いながら、通っていました。
当時22歳、23歳の僕ができていることは
薬をもらいに行って、寝る。
それがギリギリ出てきるという感じで。
バイトにも行くことができずただ寝ていました。
なので、主治医に対する怒りと言いますか。
何でよくもならない薬を出して、
目の前の医者は本当に医者なのか?
どうやったら僕のこのうつは治るのかということを
全く教えてくれない。
そんなことにただただ苛立っていました。
それが、20年ほど経った今。
心理学に数百万円使って、ドイツ、台湾、アメリカまで勉強に行ってきて、今の自分だったら、当時の自分に何を伝えるのか?
ということを考えてみました。
結論から先に言うと。
「本を読んで、映画を見て、ブログを読んで」これに尽きます。
20年前の自分と決定的に違うのは知識の差です。
まず、知識がないことには何ともできません。
足し算だけで、中学校の数学の問題を解けないように。
学校の勉強だけで、うつは解決できません。
シンプルに足し算だけしか知らないのに、
掛け算の問題を解こうとしていたということが今ではわかります。
ないだけなので、学べば身につきます。
まずは、漫画で読める本で十分。
あとは、映画がおすすめです。
僕の1番のおすすめは、
「This is us ー 36歳これから」 と言うアメリカのドラマです。
何がいいかというと、
36歳の3つ子のアメリカ人兄弟の成長記録 と言う感じなのですが。
父は、アルコール依存
姉は、過食症、息子の障害
弟は、パニック発作、養子として育った
と言うように家族のそれぞれが持っている課題を3つ子が生まれる前
両親がどんな親に育てられたのかというところから描かれています。
あなた自身がどのような親に育てられて。
またその親は、どんな親に育てられたのか。
そういうことを客観的に見れる機会になると思います。
Amazonプライムビデオで見られます
話しを戻します。
22歳の通院していた時の僕は、
とにかく主治医に対する怒りを感じていました。
医者なのに治せないのか。と
当時の自分に診断をつけるのであれば、
双極性障害(双極症、躁鬱病)/2型
(幼少期のトラウマ、愛着障害が原因)と診断します。
心理学を学んで14年も経ちますので。
この、双極性障害/2型 は医師として言いにくい。
というのは凄く理解ができます。
再発率が高く、自殺率も高い、この年代での発症は治りにくい。
というのがあるため、診断しにくかったんだと思います。
心療内科で効果的な治療方法がない。
デイケアを進めるのが限界。
ということもあったかと思います。
こういうことが、理解できるようになったので、
今は主治医に対する怒りというものはありません。
10年以上ぶりに会って話してみたいとも思うのものです。
当時はヤブ医者のせいで全く治らないと思っていました。
同じ人物に対する評価なのですが。
これほど明確に評価が変わったことに自分でも驚きました。
これは主治医の問題ではなくて、
医療制度の問題だということもわかりますし。
10代、20代で双極性障害を発症すると、
今の医療制度では何ともできないというのがあります。
これは精神疾患全体に言えることなのですが、
・今の医療、科学ではわからないことが多い側面
・わかっているけれど、実行ができない側面
この2つの側面があるんですね。
なので、医師の中にも意見が分かれます。
・双極性障害は治る
・双極性障害は治らない
これは本当に意見が分かれますし。
また双極性障害という診断がつくまでに、10年以上かかった
というようなことは、よくあることです。
僕の周りにも双極性障害だろうなぁと
という友人、知人もいるのですが。
そこに優しく届くような発信をするようにしています。
もっともっと、精神疾患に対する理解が深まれば、
助かる人もいるんだろうなぁということは凄く思います。
それは、通院していた時に同い年の親しい人を自殺で亡くしました。
自殺で亡くなるということは、
双極性障害の要素は何かしら入っていたと推測されます。
僕自身は、ドイツまで心理学の勉強に行って
93歳のドイツ人のお爺ちゃんのカウンセリングを受けて。
ある意味そこまでやり切りましたので元気になれました。
そこまでやり切ってみて思うのは、
ドイツまで行かなくても改善できた。
という事もあります。
主治医に対する思いというよりは、
精神疾患ということをどのように捉えるのかということが
20年経って随分変わったと言うお話しになったのですが。
知識って本当に大事なので。
今日はドラマの紹介になりましたが、
また本も紹介していきます。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。