オイルってすごい
今は昔、20代で映画館の店員になってから、我が身も顧みず寝食を忘れてポップコーンをはじいたり、チケットを売ったりしてきた。これは、会社が大変、などと言うこと以上に、私が一つのことしかできないタイプで、マシンみたいに一つのことをしてしまうという性質であることが大きく影響している。
ほんとにポップコーンマシンの一部になったように深夜までポップコーンをはじいていて、掃除のおじさんに「わっ!またかっ!」と言われたこともあった。またチケットを売った後に売店で登場し、映画が終わった後の掃除に登場したあとさらにグッズコーナーでプログラムを買ったお客さんにも、「わっ!またあんた!」と言われたりしていた。それくらいマシンじみていた。
想像がすぐできるように、美容に関しても帰ってからもペッペッ…。て顔に唾をつけて寝ているような状況で、30代後半まで日々を繰り返してきた。
別に、きれいにしたくないわけでもないし(生まれてこのかた、万年ダイエットしたいと思っている)洋服や買い物も嫌いではない。だけれどもアイライナーもひけないし、30代後半にして「アウトレットモール」の意味を知るなど、多分そういう美容とかおしゃれに関する力が極端に低すぎるところがある。
そんな私に、なぜかこの1週間ほど、こんな自分のままで30代を終えるのはしのびない!という思いがふつふつとわき始め、美容についてはじめて意識をしている。(服をまた裏表間違えてきていて人に心配され、あまりに情けなくなったというのが事実。)
例えば、水を大量にのみはじめる、毎晩のレモンサワーを禁じる、起きてストレッチをするなど。そして、何か体をもみほぐしたいという欲求にかられて、手を出したのがオイルである。
オイルってこれまでも何度か使ったことはあった気がするのだが、なんとなくベタつくイメージと扱いが難しい気がしてきており、定着がしなかった。数年ぶりになんとなく使ってみると、これが感動する皮膚感に。体のゴワゴワがとれて、「まあ!これが私の体なのかしら!」となり、摩訶不思議な思いに。女子はみんなこんなものを使っていたのか!なぜ教えてくれなかったのだ!!
急激に気分が高揚したためマシンの自分が発動し、私はオイルを全身に塗りたくって寝た。マシン的に顔にも入念にオイルを塗り、かなり満足していたが、翌日起きると顔から発疹していた。美容って難しい。