我々はいかにして高級志向となったか
部屋を暗くして、目をつむってから何分か経った後、子ども(女児・6歳)が暗闇から小声で語り掛けてきた。
子ども「…ママ…!ママ…!(小声で)」
私「…何…??(寝落ちしそう)すめちゃ…(子どものこと)どうしたの…??」
子ども「…ねえ、そのマクラ、こうきゅうなの…!?」
私「…エッ?」
子ども「ねえ…、、マクラ、こうきゅうなの…!?」
私「…エッ…??エッ…そうでもないよ…」
(通販で頑張って買った、3千円の枕)
子ども「…そっか、そっか…」
~再び静けさ~
私「(逆に気になって)…ねえ、すめちゃ、こうきゅうって言葉、よく知ってたね…」
子ども「…エッ??エッ…?」
私「『こうきゅう』って言葉よ」
子ども「…そうだよ。…だって、『こうきゅうケーキだわ~~』とかって、言うでしょう」
私「…なるほど、そうだね。すめちゃは高級ケーキ食べたいの…?」
子ども「…すめちゃは普通のケーキでいいよ。チョコレートのやつがいいな。ふつうのケーキでも美味しいから…」
私「…そうだよね!普通のケーキでも、とってもおいしいよね。すめちゃわかってるね。高級ケーキって、響きがよくて、確かにおいしいけど普通のケーキでも十分美味しいんだよ…!こうきゅうっていう名前が特にいいんだよね!みんなさ!!」
子ども「…ママうるさいよ…。早く寝るんだよ…。」
いなされて私は目をつむってから、ペタンとした枕から床の固さを感じつつ、高級マクラほしいな…。と思いながら眠った。