人の死に関与したくない

「死」について考えていると、どうしても自死は別物としてしまいがちである。

私は自殺も殺人と一緒だと思っている。自分で自分を殺しているし、自死によってたくさんの人が悲しむ。

一番自分のことを大切にすべきはずの自分が、自分を殺してしまうのはなんて悲しいのだろう。

私は「死にたい」と感じたことは何度もあるし、「死にたい」と思うことは異常であることを知ったときに、とても驚いた。

なぜ死を願わずに、普通に生きていけるのだろうと。

実際に行動をした人たちを見て、うらやましい・すごいなという感情を持ってしまっていたことも事実だ。

死を願うことが多かったからこそ、人一倍「死」とは向き合ったと思う。

安楽死やホロコースト、心理学や哲学など、生と死についてはずっと興味があった。

どれだけ調べても、自死は悪いことだ。他人を殺してはいけないのに、自分を殺すことは許されるのはおかしいだろう。

自分で死を選んでしまっては、ここまで育ててくれた両親や、同じ時を過ごしてきた恋人や友人を傷付けてしまう。

最近思うのは「もし私が死を選んでしまったら、誰かの死に関与してしまうかもしれない」ということだ。

直接の原因にはならなくても「死」は確かに、誰かの生きる気力を奪うだろう。

悲しい事件をみれば、落ち込む。悲しくなる。

それが身近な人だともっと悲しい。自分では止められなかったのかと悔やむ。

もちろん生きている間も誰かの「死」には関与したくない。

いじめや嫌がらせ、事故やなどで相手の命を奪う。今は、自分の言葉一つで簡単に誰かの死につながってしまうかもしれない。

それがとても怖い。

私が関わる人には、私の言葉や行動で少しでも「死」に近づくようなきっかけを与えたくない。

思いがけない一つのきっかけが、起きないようにひっそりと生きていきたい。

私が死を選ぶということでも誰かの死に関与してしまうのであれば、選ぶべきではないと思う。

自死を選ばないためにも、私は私が死を選ばないための方法を学び続けなければならないし、人の死へのきっかけを遠ざける方法を知っていくべきだと思っている。

自分にできることはちっぽけだし、カウンセラーや先生のような立派な人間ではない。

けれど、私が関わる最低限の人たちは守れるようになりたい。私自身を含めて。