見出し画像

わんころちん #シロ

わんころちんは、母が言い出した犬のこと。
母は犬のことをわんころちん
猫のことをにゃんころちんとたまに言う。

とくにそれについてのエピソードは無いけど
ま、いいか…犬の話を書いて置きたかったから
犬の事を書き遺したいと思って、タイトルに。

もうあまり未来の話をする歳ではなくなった
だからなのかと思うけど…今までの反省点が浮かぶ。
気持ちは、それほどネガティブじゃない
ただ、書き遺したいと思うだけ。

わんころちん、犬との付き合いは人生の八割。
多分、そのくらい…そして、八割柴犬。
初代柴犬は、生まれる前には先住してたジョシーバ。
白柴のシロ、白いからシロなんて…
名付けたのは、母なのだろう。

シロは獣医さんからもらった、そう聞いている
当時、白い柴犬には価値がなかったのだとか…
最近のように、犬の地位は高くなかったし
中型犬の柴犬は、外飼が当たり前だった頃。

食事は人の食べ残したもの、それが主食だ…
おやつなんか、ハムや魚肉ソーセージ…雑食
ちょっと良いとこのわんころちんだけが
ドッグフードを食べてる、犬の日常がそんな頃。

寿命だって、伸びやしない…7、8年がほとんど
犬なんか、10年も生きたら長生きだと…
じいちゃんとばあちゃんは言ってた。
そんなじいちゃんとばあちゃんは、90歳オーバー。
外飼の環境や食事の質、全部ストレス半端ない
過酷な状況で長生きできないの当たり前な犬生の頃。

予防接種だって、狂犬病ワクチンくらい…
伝染病予防接種も、フィラリア症予防もしない
無防備だった…本当に、悔やんでも悔やみきれない。
自分がまだ何も知らない、何もしてあげられない
わんころちんには頼りがいのない、子供だったこと。

シロは穏やかで優しいジョシーバ
シロは真っ白で、綺麗な白い柴犬
シロが大好きだった、シロになりたくて
柴犬になりたくて、真似をしたりしてた。
犬小屋に入ったり、仕草を真似たり
散歩中…シロの食べる草を食べてみたり…
シロが美味しそうに食べてた鯖缶は好物になった。

学校から帰っても、家に誰もいないけど
シロがいたから寂しいと思ったことはなかった
友達…いるにはいたけど、シロといるほうが良かった。
たくさんの友達と遊ぶのは、下手くそだったから
シロの小屋の前に、早めに帰って来たかった。
ただ、シロのそばにいるだけで良かった。
しゃがんでいると、シロが背中に乗ってきていた。

あれは…当時は喜んでたけど、おそらく…
シロはジョシーバだけど、腰を振っていたな…
シロはわんころちんだから、関係なく…
たからわんころちんはかわいいのだから。

シロは時々、脱走したけど…行き先は決まってた。
子供の足で歩いて10分くらいに、父の実家があり
シロはそこにいつもいた、父方の祖母がくれる
ハムやソーセージが目的だろう。
シロが不在だと、迎えに行っていたけど…
実は自分は、気が進まない場所ではあった。

自分の家にいるのが何より落ち着くのだ
時々、親の居ない時に預けられるのが…
恐怖に感じるくらい、苦手だったから
シロのそばにいるだけで安心なのに…
自分の親は信用できても、それ以外の大人は
まるで信用していなかった気がする。

懐かない、可愛げのない子供だっただろう。

シロは、上手く取り入っておやつをゲット…
自分は手ぶらでシロと帰宅していたのだ。
あがっていけと言うのを断ったのだから
全く、可愛げが無い孫だっただろう…
シロの方が、何倍も可愛げがあったはず。

シロ、シロのそばが大好きだったけど…
シロに毎年寂しい思いをさせていた。
毎年恒例で、夏休みに母の実家へ出かけた。
2泊していたと思う、夏祭りの花火大会だ
新潟県長岡市の花火大会。
シロのことを忘れて、楽しんでたな…
なんて酷いことしてたんだろうと思う。

シロは寂しそうに泣いていたそう
1番酷いことをしていたに違いなかった。
でも、子供だった自分は何も解らなかった
悔やんでも悔やみきれない、シロへの仕打ち。

シロは12歳になろうとしていた
だけど、なれなかった。
その頃、家を新築し引っ越す予定だった
シロも一緒に…でも、シロは行けなかった。
悔やんでも悔やみきれない
フィラリア症になっていたシロ。

ちゃんと予防してたら、かからなくていいのに
知らないばかりに、ずいぶん苦しませた。
シロを看取ったのは、自分ひとりだった
まだ家族の帰らない5時半、たぶん金曜日。
学校から帰って、ずっと小屋の前にしゃがんでいた
息も絶え絶えのシロは、苦しいのに体を起こす
顔を出して、手を舐める…苦しそうだけど
頭を撫でるしかできない、水をあげた…
シロは、顔を上げてクーンと鳴き倒れた。

家の中で、付けっぱなしにしてたテレビの音
ドラえもんの歌…
ドラえもんが大嫌いになったんだよ

シロ、ごめんね…ありがとう






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?