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へなちょこでも「わたしはフェミニストです!」って堂々と名乗りたくなる本



ハロー!志織です。

今回は、最近、私がものすごく心がゆるされて、癒されたフェミニズムについての本を紹介します。


「ロンドンの片隅でこの世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。」クラーク志織

イラストがポップでチャーミングでかわいい。フェミニズム♡って感じ!!



私は本屋さんに行くと、必ず新たな出会いを求めてdig timeを始めるのですが、この日もいつも通りフェミニズム関連のコーナーに行くと、「ん?」という違和感に出会いました。

何故なら、手に取ったその本は、装丁もポップでキュート、タイトルもなんだか優しげで、今まで私が読んできたフェミニズムの本とはちょっと様子がちがう………。


でも、目次を見ると、バッチリ、フェミニズム。

そして、舞台は、私の大好きなイギリス🇬🇧!

さらにさらに、著者のクラーク志織さん、私とファーストネームが同じで、運命を感じ、思わず手に取りお買い上げしました。


「へなちょこフェミニストの私。」という等身大の言葉に救われた。





このエッセイの何が素晴らしいかというと、今を生きる多くの女性たちが抱えているであろうモヤモヤを、とても素直で正直で誠実な言葉で、丁寧にやさしく強くシェアしてくれているところなんです。

例えば、第一章の「可愛くいようとするとうまく怒れない問題」。
以下、引用です。

そしてこれもまた最近の発見なのですが、「私は人と会話をする時に、必要以上にニコニコと笑っている」ということに気がついたのです。
会話中どころか、道で盛大に転んだ後ですらヘラヘラと笑顔を振りまいたりしている。

ロンドンの片隅で、この世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。  P18より引用



この問題については、本当にそうなんですよね。
日本人女性が求められる「デフォルトの表情」は、ニコニコ笑顔。
笑っていないと、「怒ってる?」って言われる。
でも、世界の女性たちを見ていると、必要以上にニコニコしていないことに気付きます。
日本人って、目が合うとニコッとしたりするけど、私が大学生のとき、イギリス人の先生に言われたのは、「志織、イギリスに行った時にもし男性と目が合っても、やたらとニコッとしてはいけないよ。それはOKよ、という合図に思われてしまうからね。」ということでした。
それを聞いた時、極東アイランドである我が国ジャパンの「異質性」を強く認識したのも覚えています。
そっか、NOの気持ちのときは、無理に笑わなくていいんだと。



そして、次に書かれているこの気持ちも、痛いほどよく分かる…。

私は自分をフェミニストだと思っているのですが、たまに世間一般に思い描かれがちな「フェミニスト」と自分自身のキャラクターの差に戸惑うことがあります。
なんとなくですが、フェミニストというと芯が強くて、物怖じせずに意見をビシバシ言ってるみたいな、「フェミニスト!」とびっくりマークが付くようなイメージがある気がしませんか?
でも私は、フェミニストを自称しつつも、「絶対誰からも嫌われたくない人間」なのです。知り合いからの返信が遅かったりすると、「あれ?何か気に障ることをしちゃったかな?」とウジウジ心配するタイプの人間です。

ロンドンの片隅で、この世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。  P29より引用


ウワァァァァン!!(涙)
これね、これね、すっごくよくわかるんです。
そして、彼女が書いている通り、モヤモヤしたり後悔したり自分にダメ出しをしちゃったりすることも、よくわかるんです。

私が明確に「フェミニズム」を意識して生き始めたのは約5年前のことなんですが、当時の私にフェミニズムを教えてくれたのは、バリバリ働いてどんどん出世して、言いたいことはハッキリ言える、とびきり強くて賢くて、かっこよくて可愛い女の子たちでした。(もちろん、女の子たちはみんな強く在ろうとがんばっているから、そう見えていただけかもしれないのも、理解しているつもりです。)

当時の私は、彼女たちと一緒にフェミニズムについて学び知ることで、エンパワメントされてきたのも事実です。
だけど一方で、「間違っていることは間違っているとハッキリ言いたいし、女性であるからといっていろんなことを諦めたくない。」と思いつつも、心のどこかで、「フェミニストって、みんなめちゃくちゃ賢くて強くていつでもハッキリ自分の意見を言えないといけないのかな?」と、心細いような、そんな気持ちになっていました。

その後も、私なりにいろんなフェミニズム本を読んで触れてきたつもりだけど、「言葉」を手に入れられた喜びとは裏腹に、実際の自分の人生では思ったことをハッキリ言えないことが多く、悔しくてダメ出しする日々。

一生懸命仕事をして、一番乗りでスピード出世したのに、当時の男性の部長に言われた「皆さんは女性なのであまりビジネスの自己啓発のような本は読まないかもしれないけど」と言われた時の悔しさは忘れられません。
だけどそれ以上に、その言葉に反射神経で反応して言い返せなかった自分にまた落ち込んで…。
男性の部長ご本人に、実際に具体的に確認したわけではないけれど、少なくとも私はあんたよりは本を「読んで」いると思う。だって、本当に本を読んでいて教養を身につけている大人なら、そんな酷いマンスプレイニングをオフィシャルな場でやらないはずだから。
だけど、適切な言葉でこの想いをハッキリと伝えたかったけど、出来なかったことが一番悔しい。

※マンスプレイニング…マンスプレイニングとは、「man(男性)」と「explaining(説明する)」を組み合わせた造語。「女は男よりモノを知らない」というジェンダー的偏見を持ち、男性が女性に対して上から目線な態度で、何かを解説したり知識をひけらかしたりする行為のこと。


そんな風に、強いけど弱い、矛盾に満ちていて、完璧じゃない「私」を抱きしめながらフェミニズムを学べるのが、この「ロンドンの片隅でこの世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。」です。

私がピックアップしたのはほんの一部で、
イギリスと日本のギャップだったり、ケア労働のことや環境問題のこと、ストライキのことなど…さまざまなトピックをテーマにエッセイが書かれていて、本当に勉強になります。
そして、むずかしい話だけではなく、日常の中の出来事もユーモアを交えて書かれていて、クスッと笑ってしまう話も。
文字も小さすぎないので、普段はあまり本を読まない方にもおすすめです。
何より、ポップで明るくて可愛いイラストがたくさん散りばめられていて、トゲトゲの心が少しやわらかく、やさしくなります。


私はフェミニスト。
だけど、いつも強くなくていいし、ハッキリとものを言えないことがあっていいし、完璧じゃないままで、悩みながら生きていい。
この言葉を与えてくれたのがこの本です。

へなちょこだっていいじゃないか、だって、それでもフェミニストだもん。


顔のシミを「太陽のキスマーク」だと…オシャレの臨界点超えてる。



それでは、本日は、このあたりで。
また本を片手にお会いしましょう。
アデュー!

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