見出し画像

20200130 #ノミナー レポート

Webマーケティング界隈でTwitterをされている方は #ノミナー というハッシュタグを見たことがあるのではないだろうか?

でも雰囲気がわからなくて行く勇気がないし…という方に向けて、2020年1月30日(木)に開催されたノミナーの様子を紹介する。

お酒を飲みながら、ハヤカワ五味さんとホットリンク社CMO飯髙さんが2020年のマーケティングを語るというイベント。

今回参加した中で、学びになった部分をいくつかトピックごとにまとめてみた。

■スタートアップのSNS運用について

【質問】スタートアップでフォロワーがいないときどのような流れでSNS運用をしていくと良いでしょうか?

五味さん:たとえば、売上を伸ばすのが目的なはずなのに「フォロワーを増やしたい」という気持ちになっていないか?
まずはSNSのアルゴリズムを理解したほうが良い。

<各SNSごとの特性例>
TikTok:良いコンテンツを発信すれば伸びていくのでフォロワーがいない状態での発信におすすめ。いいねが2つとかでもおすすめに表示されたりする
YouTube:良いコンテンツであっても再生数の初速次第で伸びが変わる。再生数をいかに伸ばせるかの工夫が必要
Twitter:良いコンテンツだとしてもTwitterの人からタイムラインにのせたい、リツイートしたいと思ってもらわないと伸びない

飯髙さん:TikTokの事例ってあるの?知りたい!

五味さん:正直TikTokだけでやっていくのはしんどい。
芸能人などのインフルエンサーをかませてTikTokで発信し、そこからYouTubeに流していくのが良い

飯髙さん:はじめにTwitterで発信して、YouTube等のさまざまなSNSをかみ合わせて使っていくのが良い

【質問】UGCを発生させるコツが知りたいです!

五味さん:何かについてSNSで発信するとき、小難しいことは言いにくい。

たとえば、スナックミーはおいしい。
「おいしい」はつぶやきやすくて正義。

また「お菓子」というワードで1位を狙っていくのは大変だが、「お菓子の定期便」というワードならばスナックミーが1位。
「お菓子」のような一般ワードを取りに行った上で、「○○といえば○○」という自分たちの文脈を5~10こつくりにいくのがおすすめ。

※この日、スナックミーが協賛していたのもありしっかりとUGCが生まれていた

また、コモディティ化されている商品はUGCが出にくい。
例)サッポロビールやチキンラーメンなど、みんな製品を認知している分わざわざ発信はしない

そういう場合は、製品ベースのクチコミとコミュニティベースのクチコミを意識すると良い。
例)製品ベースのクチコミ:「カップヌードルおいしい」
  コミュニティベースのクチコミ:「ワンピースのCM面白い」

参考:カップヌードル|CUPNOODLE

■ハヤカワ五味さん、出版の経緯と採用の話

昨年、著書を発売されたハヤカワ五味さん。
今回出版に至った経緯についてのお話。

<本の出版にあたって>
五味さん:
これまでよりも視座が上がったので、振り返りたくなった。

振り返ったとき自分にとって過去は黒歴史だけど、その話が誰かにとっては価値になるかもしれない。
「成長してたら常に黒歴史」

飯髙さん:本を読んだが、五味ちゃんはこれまで近視眼的な思考で見ていた印象がある。

五味さん:15歳でブランドを立ち上げてから、短期的に売上を作るのほうが得意。長期的に伸ばしていくというのが難しい。

飯髙さん:印象に残ったのは働いている人が急に2人飛んだ話。
(自分もそうだったけれど、)そういう人の気持ちとか理解できないでしょ?

五味さん:理解ができなかった。「人って、飛ぶんだな」って思った。

~そこから話も飛んで、採用の話へ…~

飯髙さん:採用するにあたってこの人が合う・合わないの基準ってある?

五味さん:うちの会社に入ってどういう風に活躍したいか?をなるべく解像度高く話せる人を優先して採用している。

自分からビジョンを描ける人(ビジョナリータイプ)と、ビジョンは描けないけれど会社としてやりたいことに共感して応援する人、2パターンいるがそれについては重視していない。
以前はビジョナリータイプを採用しがちだったが、最近はチームバランスを考えている。

■目上の人からのアドバイスについて思うこと

飯髙さん:経営者とか目上の人からアドバイスをもらうことが多いと思うけれど、そういうアドバイスに対してどうしている?

五味さん:納得できるものは取り入れるが、そうでない場合はペンディング。
自分より年上のアドバイスだから、いつかはそういう考えになるかもしれないけれど「今の自分はそのフェーズじゃない」と。

「失敗をショートカットするアドバイスは、正義なようで正義じゃない」

■ハヤカワ五味さんのSNSの話

<SNSをやっていてよかったこと>
何かしたいときにビジョンに共感してくれる人を採用しやすくなった

※ただし、これまでに6年かかった。
ずっと発信を続けてきたから理解してもらえるようになったが、最初はミスリードも多く、「怪しい人」だと思われたりもした
ハヤカワ五味にエンパワーメントしてもらえると期待する人・ハヤカワ五味にエンパワーメントされたいひとが採用面接に来てしまい、面談で泣かれることも

<SNSをやっていてよくなかったこと>
意識していないとタイムラインの中で世界が狭まり、ドツボにはまりやすい。
たとえば、子宮頸がん(先のリスク)よりもコロナウイルス(今身近にある課題)のほうが怖い。
みんな重要なのは社会問題よりも、明日のデートで何を着ていくか、明日恋人からLINEが来るかという身近なこと
世の中の流れとタイムラインの流れは別だと認識する必要がある

<フォロワー数の遷移やTwitterの方向性の話>
五味さん:
自身のTwitterに関して知名度のわりにはフォロワー数が少ないと思っている。
理由はフォロワーが精査されているため
(要因:Twitterでの発言がきつめ。クソリプには返事しない等)

アンチは徹底的に潰すから、アンチが少ない。

Twitterの方針としては、他の人に気に入られる発言ではなく、自分が発言したいことをいう。
フォロワー数を目標にしない。

■生理用品×ハヤカワ五味さん

生理問題、特に五味さんは悩んでいない。
「当事者じゃないのに何がわかるんですか!」と言われることも。

五味さん:花王もユニ・チャームも大王製紙も代表男じゃん。

当事者かどうかは重要じゃない。どこまでコミットするか?

ただ、生理用品は物流・小売のロジックがはたらいているので難しい。
生理用品の形のデザインはドラッグストアなど店舗で並べたときにデザインがわかりやすく買われやすくなるため。

飯髙さん:生理用品はかわいいデザインが多いが、それに対して思うことは?

五味さん:生理用品を購入する人みんなが女性らしさを好んでいるわけではない。

たとえば同じ衛生用品のマスクに性差はあまりない。(あくまでもオプションとして女性向けの小さめサイズ等はあるが)
だからマスクに「今日も男性らしく風邪を予防していきましょう」みたいなメッセージはない。

それが生理用品になると「今日も女性らしく元気に過ごしましょう」みたいなメッセージが当たり前になる。

たしかに生理用品は女性が使うものだが、「女性らしさ」って不要なのでは?

■炎上への予防と対策

【質問】炎上へのスタンスは?予防・対策などあれば知りたいです。

五味さん:炎上はしないように心がける。
とある某プロジェクトで苦労した。
仲介する代理店が何が炎上するかを理解していなかったのが原因。

炎上は、ぼやが出た段階で謝罪するのが大事。
他人や何かに責任転嫁すると一番燃える。

炎上しないためには、読解力が低い人(母親・小学生・悪意のある人など)が一部分を切り取っただけでも勘違いできないようなテキストを心掛ける必要がある。

■まとめ

最後にハヤカワ五味さんがおっしゃっていたが、SNS運用で大事なのは「SNSアルゴリズムの理解とSNSを続けていく」こと。

目的と手段をはき違えずにコツコツと実施することが大事。

次回以降 #ノミナー に参加したい方はホットリンク社のイベントページ、もしくはTwitterなどで見逃さないようチェック!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集