夏は何色?と聞かれたら、私はこう答える
今日、フジファブリックの「若者のすべて」を、1年ぶりに聴いた。
毎年夏に必ず聴く曲。
歌詞を聴きながら夏の色について考えた。
青色でも、海色でも、キラキラでもない。
「思い出色」。
本当に、今回の記事は筆者の主観しか入っていないので、筆者は書いていて楽しいけど、他の人が読んだらつまらないと思う。
少し長くなるけど、それでも読んでもらえるなら嬉しい。
私は「若者のすべて」を夏の代表曲だと思っている。
私の中では1番の夏の歌。
TUBEでも湘南乃風でもaikoでもなく、これだ。
昔は、こんなふうに季節とともに曲を選ぶことがなかったのだけど、大学以降、
季節ごとに聴きたい曲ランキングが出来上がってきた。
中高の頃は、狂ったようにAqua Timezだけ聴いていた。まさに、心の拠り処だった。
春も夏も秋も冬も、全部代表曲はAqua Timezだった。
Aqua Timezとともに青春を駆け抜けた私が、こんなふうにいろんな歌手の曲を聞くようになったのは、ある1つの歌の歌詞に感銘を受けたからである。
" 眼の前の現在がもうすでに 思い出色していた "
(「君と羊と青」RADWIMPS)
ーーこれだ、
と思った。
いつも私が見てる景色は、これだ。
それから、RADにハマり、ほかの邦楽も聴くようになり、その過程でフジファブリックの若者のすべてに出会った。
ちょうど、夏の初めの頃だった。
若者のすべてという曲は、花火大会が舞台なのだけど
夕暮れの花火大会のときに感じるあの高揚感も、もどかしさも、切なさも、全部感じられるのが、
この曲の魅力の一つだ。
特に、夕暮れの描写が言葉にならないほど綺麗。
ここで「夕暮れ」をより濃く意識させる歌詞の部分を抜粋してみる。(個人的観点です)
夕方5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なもので
ぼんやりさせて
街頭の明かりがまた
一つの点いて 帰りを急ぐよ
花火大会が舞台、という内容も相まって、
夕暮れの描写がやけに心をざわつかせる。
夕暮れは365日見ることのできるものだけど、
日々、色が違うし、季節によってももちろん違う顔をしてる。
きっと、夕方5時のチャイムがなんだか胸に響くのも、街頭の明かりが帰りを急かしているように感じるのも、全部全部、花火大会のせいなんだろうな、と思う。
そしてこんなふうに、この曲を聴いて心をざわざわさせている筆者は、"夕暮れ"カテゴリの中でも"花火大会の夕暮れ"を特別視しているし、
思い出の隙間にしっかりと"花火大会の夕暮れ"の景色が刻み込まれている。
だから、この曲に強く共感をしている。
きっとこの共感できる景色は花火大会に限らず、まだ見つけられていないだけで数え切れないほどあるんだろう。
私の脳裏にある夏の景色。
カフェで涼みながら食べたかき氷、
地下水で冷やしたラムネ、
おばあちゃんちの縁側で鳴っていた風鈴、
夏の風物詩はとくに
具体的な景色とともに思い出として刻まれていることに気づいた。
夏はきっと、思い出になりやすいキラキラした景色が多いんだと思う。
いわゆる「概念の夏」に限りなく近い、けど、
きっと私の"夏"にいちばんぴったりな色。
夏は思い出色。