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要約 『やり抜く力 GRIT(グリット)』 著者アンジェラ・ダックワース
はじめに
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人生で成功するために最も重要な力として注目されているのが「グリット」です。グリットは言い換えれば「やりぬく力」です。本書は、「やり抜く力」を伸ばすための4つのステップが解説されています。「やり抜く力」の鉄人たちへのインタビューや著者自身の子育てエピソードはどれも具体的で、「明日から私も取り入れてみよう」と思えるヒントに溢れた本です。
1.子どもが人生で成功するために、幸せになるために必要な力とは?
「一度始めたことを、すぐ辞めてしまう。これって大丈夫なのかなぁ」
「子育ては、厳しくしつけをした方がいいの?それとも、できるだけのびのびと育てる方がいいの?」
子どもが人生で成功を収める、幸せになるためには何が必要なのか?そのためには何をすればいいのか?子育てはそんな不安や迷いの連続です。今、人生で成功するために必要な力として注目されているのが「グリット」、言い換えれば「やりぬく力」です。
「やり抜く力」とは、すべての目標を必死に追い続けることではありません。自分にとって究極の関心ごとに対して「情熱」と「粘り強さ」を発揮することなのです。そんな「やり抜く力」を持つ子どもを育てるためには、親の関わりが有効であることが科学的にわかっています。
著者であるダックワース教授は、2013年にマッカーサー賞を受賞しています。マッカーサー賞とは、日本ではあまり知られていませんが、アメリカではノーベル賞に匹敵するほど栄誉ある賞で、別名「天才賞」とも呼ばれます。オバマ大統領やミシェル夫人も、多くのスピーチで「Grit(やり抜く力)」に言及しており、「才能」よりも「やり抜く力」が成功のカギであるというダックワース教授の研究結果は、アメリカ社会に大きな影響を与えました。その研究内容をまとめたのが本書です。
2.「やり抜く力」とは?
「やり抜く力」は、「情熱」と「粘り強さ」の2つの要素から成り立っています。
1つ目の「情熱」は、自分のもっとも重要な目標に対して、興味を持ち続け、ひたむきに取り組むことです。ポイントは「究極的関心」に「情熱」を集約させる点です。
ピラミッドのかたちをイメージしてください。目標は、上位・中位・下位と、ピラミッドが一番上から下まで裾野を広げるように構成されており、各レベルの目標は線でつながっています。ピラミッドの頂上、つまり「究極的関心」に熱心に取り組むことが大切です。言い換えると、ピラミッドの一番下にある下位目標は、バツ印をして別の目標に軌道修正したり、取り組み方を変えてよいのです。最上位の目標である「究極的関心」と線が繋がっていれば、目標を達成するために「手段」を変えたたけに過ぎないからです。
2つ目の「粘り強さ」とは、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力を続けることを指します。特に重要なのは、一度、挫折したあとでも継続することです。調子がよいときにがんばることは、それほど難しくありません。しかし、失敗した、勝負に負けた、うまくいかなかった、そういった困難と向き合ったあとでもあきらめないことが「粘り強さ」なのです。
3.「やり抜く力」 を伸ばす4ステップ。①「興味」を結びつける
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