セルフ・パートナーシップへの道のり ― わたしの転機をふりかえる #12
こんにちは。
こちらのnoteでは、全12回にわたり「わたしの転機をふりかえる」というテーマで連載をしてきました。
はじめはここまで長くなる想定ではなかったのですが、「転機」というテーマで振り返るといろいろなエピソードが出てくるもので、気づけば12回を数えていました。ここまでお読みいただいた方(がもしいらっしゃったなら)、本当にありがとうございました。
振り返ると、ささやかなものから大きなものまで、本当にさまざまな転機がありました。失業や出産といった大きなものから、友人との会話などごく身近なものまで。ニュースで見聞きしたことが人生を変えるきっかけになったこともありました。そう考えると、人生とは転機に満ちたものだとあらためて感じます。
転機には、ポジティブなものもあれば、一見ネガティブに見えるものもあります。
私の場合、一見ネガティブな転機といえば、やっぱり二度の失業が真っ先に浮かんできます。ほかには保育園の落選や、新卒の職場で経験した体調不良、そして夫の転勤により一時的に母子家庭になったことなど――。それぞれ、当時は自分なりにたくさんの思いを抱えながら生活していました。
物事の渦中にいるときは、それぞれの出来事の意味について考える余裕などなかなか持てないものです。とくに一見ネガティブな出来事であればなおさらです。でも後になって振り返ると、そんなネガティブな出来事こそじつは重要なターニングポイントになっていたりすることに気づきます。挫折をきっかけに人生が前進したり、自分自身の軸に近づいていくきっかけとなったり。少なくとも私の場合は、そんな場面が何度かありました。
この連載でも一度触れましたが、私のなかでお守りのように大切にしている言葉があります。
“Self-partnered”(=自分自身こそが人生のパートナー)
という言葉です。
これは、2019年にイギリスの俳優エマ・ワトソンさんが使用された言葉です。自分自身こそが人生のパートナーである。とても素敵な考え方だと思います。
この言葉に出会ってから、いいことも悪いことも含め、過去に自分の身に起こったことはすべて「セルフ・パートナーシップ」への道のりだったのだと肯定できるようになりました。
こうして自分の半生を振り返ってみると、いろいろと不器用な遠回りをしてきたものだと思います。
しかし、この連載でも綴ってきたとおり、遠回りをしたからこそ得られたものもたくさんあるのです。
教育学との出会い、イギリスの大学院への「オンライン留学」、パラレルキャリア、フランスの小学校で世界中から来た子どもたちと過ごした日々……。すべて、最初からまっすぐに文章の道を進んでいたら、自分の身には起こらなかったことでしょう。さまざまな挫折も経験し、「自分を変えなければ」ともがけばもがくほど、かえって私は自分自身の核心に近づいていきました。遠回りはすべて、自分自身とのパートナーシップを深めるための道のりでした。
仕事を続けていくにも、100人で子育てをするにも、まずはなにより自分自身とのパートナーシップが欠かせません。他者とよりよい関係を築くには、まず自分自身との関係がしっかりしている必要があると思うからです。その意味で、セルフ・パートナーシップとはあらゆる物事に通じる基盤だと感じています。
そんなセルフ・パートナーシップというテーマについて、今後自分なりに深めていけたらという思いがあります。残りの人生をかけて、少しずつ探求していく道のりをこちらでもシェアしていけたらと思います。
「私の転機をふりかえる」というテーマでの連載は、いったんここで一区切りにしたいと思います。しかし、人生の転機はこれからも果てしなく続いていくでしょう。折にふれて、こちらの連載に継ぎ足していくこともあるかもしれません。その時は、ご笑覧いただけたら幸いです。
それでは、またお会いできる日を楽しみにしています。
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