心の耳をすませると 〜銅棒から響くもの〜
オイリュトミーの練習で使う銅棒を、
両手の上に乗せる時、指先でやさしく触れる時、
わたしの心と銅の棒は対話し共鳴している。
心の耳を澄ませると
指先を通じて
棒を作ってくれた鍛冶屋さんの、
善き意志がエネルギーとなり心に響いてくる。
銅棒に見える一つ一つの槌目に
人間の手仕事のリズム、息遣いを感じられる。
それは命ある存在が作りだした証。
槌目に宿った命のリズムから、それに触れる人の指先を通して、
オイリュトミーを支え、応援しようとする意志が響いてくる。
そのあたたかいエネルギーは聴くものの心を満たし、
身体にも元気を与えてくれる。
体幹を整え、のびやかさを獲得すること、
呼吸を深くして、わたしが私の身体にしっかりと根をおろし、
動の中で静を保つこと。
オイリュトミーの基盤となるこの銅の棒練習は
オイリュトミークラスの外側、
変化の渦巻く人生の中で、いつも自分らしく在ることを、
助け、導いてくれる。
そして、銅棒に宿る善きエネルギーのような些細な響きさえも、
受け取れる繊細さも、同時に育んでくれる。
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