Shiori Itagaki

Shiori Itagaki

最近の記事

人生を変えるオイリュトミーの力

オイリュトミーを「学ぶ」というより、自分の中にオイリュトミーを取り入れていく、という表現の方が私にはしっくりきます。 それはきっと日本の茶道をはじめとする芸術の在り方に近いのだろう、と想像します。 理想のあり方に自らの身を浸すことで、そうありたい自分の姿へとを自分自身を変えていく旅。 オイリュトミーは学校のクラスや舞台上のみのものではなく、オイリュトミーをすることで人生そのものを大きく変える、大きな力を秘めています。 どうやってその力を受け取り、自らのものにしていくか

    • 心の耳をすませると 〜銅棒から響くもの〜

      オイリュトミーの練習で使う銅棒を、 両手の上に乗せる時、指先でやさしく触れる時、 わたしの心と銅の棒は対話し共鳴している。 心の耳を澄ませると 指先を通じて 棒を作ってくれた鍛冶屋さんの、 善き意志がエネルギーとなり心に響いてくる。 銅棒に見える一つ一つの槌目に 人間の手仕事のリズム、息遣いを感じられる。 それは命ある存在が作りだした証。 槌目に宿った命のリズムから、それに触れる人の指先を通して、 オイリュトミーを支え、応援しようとする意志が響いてくる。

      • 音楽の流れと色を、動きと呼吸に変えて

        今日から、台湾のオイリュトミスト達とのステージリハーサルが始まりました。12月末のオイリュトミー公演に向けて、週一回みんなと一緒にお稽古です。 私が芸術監督を仰せつかったので、以前からやってみたいと思っていたシューベルトのピアノ曲にチャレンジすることにしました。 音の流れ、緩急、響きは広がる感じ或いは凝縮する感じかに耳を傾け、舞台用のコレオグラフィーに落としていきます。これを目安にオイリュトミストに動いてもらい、水のように流れる音楽のメロディーを表現します。 (以下はオ

        • 心と空間を整えるオイリュトミーとミニマリズム

          オイリュトミー留学がミニマルライフのスタート スーツケース一つ、段ボール一箱。それだけでスイス留学の旅が始まりました。ずっと憧れていたシンプルライフが、こうして現実となった瞬間です。ドルナッハの小さな一人暮らしの部屋。3階の窓を開けると、目の前には一本の見事な大きな木。大木のたっぷりとした葉が風にそよぎ、その向こうには静かに沈む夕日が広がっていました。その景色を眺めながら、私は心の中に溢れるほどの幸福感を感じました。 最小限の持ち物がもたらす贅沢 持ち物は最小限。でも、

          音楽と愛に包まれて 〜日常に溶け込むオイリュトミーの幸せ〜

          台風の日の準備時間 台風の影響で台湾の学校がお休みとなった今日は、これからのオイリュトミーの授業準備に勤しんでいました。オイリュトミー学校のクラス、ステージグループ、高校生たちのシンフォニープロジェクトや卒業公演のプロジェクト、さらには一般クラスまで、やることは山のようにあります。少しドキドキしますが、それ以上にワクワクしている自分がいます✨ 楽天家の私は、こういう時にこそ幸せ力を発揮します💖 前向きに物事を捉えられる性格ってありがたいことです。 もともとそんな性格でしたが

          音楽と愛に包まれて 〜日常に溶け込むオイリュトミーの幸せ〜

          若者たちの夢が、新たな未来を照らすとき

          この8月、私は日本で開催された『にもオーケストラ・オイリュトミー公演』に観客としてその壮麗な舞台を心から楽しむ機会を得ました。日本のオイリュトミストたちが心を一つにして実現させた、まさに夢のような公演でした。このプロジェクトを立ち上げたのは、スプリングバレーの先輩であり親しくお付き合いくださっている小林裕子さん。その実現に向けての非常な努力の過程を知っているだけに、その感動はひとしおでした。 さらに嬉しかったのは、この公演の話を台湾でしていたところ、私の教え子が親子でわざわ

          若者たちの夢が、新たな未来を照らすとき

          半年間のオイリュトミーが紡ぐ笑顔と幸せ 〜心と体に届く喜びを感じて〜

          半年間続いた老人ホームデイケアセンターでのオイリュトミークラスが、ついに一区切りを迎えました。振り返ると、本当に充実した時間でした。最初は少し緊張した面持ちだった皆さんも、今では笑顔が増え、身体も心も見違えるほどに元気になっているのがわかります。初日と最終日の写真を並べてみると、その違いは一目瞭然。皆さんの姿に、オイリュトミーの持つ力を改めて感じずにはいられませんでした。 オイリュトミーは、ただ身体を動かすだけでなく、心と身体を同時に癒し、活力を与えるものです。この半年を通

          半年間のオイリュトミーが紡ぐ笑顔と幸せ 〜心と体に届く喜びを感じて〜

          探索優律思美的真髓 〜「吸收學習」與「探索學習」的平衡

          再思「吸收學習」與「探索學習」 上次我提到「吸收學習」和「探索學習」,這次我想基於個人的經驗,深入探討這兩種學習方式的深層意義。 吸收與探索的平衡 一堂好的課程,對學生有價值的課程,是能夠在「吸收學習」與「探索學習」之間取得平衡的。我在教授優律思美課程時,總是謹慎地調和這兩種學習方式,避免只停留在知識傳遞或表面動作的介紹。優律思美是一門運用思想、情感和意志,也就是「頭腦、心靈、身體」三者協調的藝術。因此,除了表面的理解,還需要進一步深入思考,讓學習真正得以深化。 重視

          探索優律思美的真髓 〜「吸收學習」與「探索學習」的平衡

          オイリュトミーの真髄を探る旅 〜浴びる学びと探す学びのバランス〜

          「浴びる学び」と「探す学び」の再考 前回、「浴びる学び」と「探す学び」について書かせていただきましたが、今回は私自身の体験をもとに、この二つの学びの深い意味についてさらに掘り下げていきたいと思います。 浴びると探すのバランス 良い授業、そして生徒にとって価値ある授業とは、「浴びる学び」と「探す学び」のバランスが取れた授業だと私は考えます。私がオイリュトミーの授業を行う際も、この二つの学びをどう調和させるかを毎回意識し、単なる知識の伝達・表面的な振り付けの紹介に終わらない

          オイリュトミーの真髄を探る旅 〜浴びる学びと探す学びのバランス〜

          「吸收學習」與「探索學習」 中文版

          音樂家山口一郎曾說:「現在的年輕人只會『浸泡式的玩樂』,卻不會『尋找式的玩樂』。在資訊匱乏的時代,我們會花3000日圓買CD,憑封面購買,偶爾買到雷品。但因為覺得可惜,便反覆聽,最終發現它的好。」 受到這句話的啟發,我思考了當今時代的變遷、身處台灣時感受到的加速發展,並聯想到全球發生的與優律思美學習方式的變化。 在優律思美課堂上,老師會提前準備,並在每堂課中濃縮傳遞易懂的內容,這對學生來說可以稱為「浸泡學習」。 而將課堂中所接受的內容,日復一日地反覆練習、內化,深入探索

          「吸收學習」與「探索學習」 中文版

          「探す学び」と「浴びる学び」

          ミュージシャンの山口一郎さんが「今の若い子は”浴びる遊び”ばかりで、”探す遊び”をしていない」「情報が少ない時代、CDを3000円でジャケ買いしてハズレだったり。でも勿体ないから繰り返し聴いては、その良さが分かったり」と話してました。 この言葉にインスピレーションを得て、今の時代の流れ、台湾にいて感じる急速に早まっていく、情報社会スピードの加速を感じながら、世界で起こっているオイリュトミーの学びの変化について考えてみました。 オイリュトミーの授業中に、先生があらかじめ準備

          「探す学び」と「浴びる学び」

          はじめまして

          板垣史織と申します。 オイリュトミー芸術家として、台湾に住んでお仕事しています。 舞台演出とオイリュトミー学校の校長がメインのお仕事で、そのほかに高校生や大学生、大人の学びの場、趣味のサークルで教えています。 オイリュトミーは、まだまだマイナーな舞台芸術ですが、今年は台湾人の生徒さんに加えて、ありがたいことに日本からの留学生も来てくれました。 私の人生の大きな転換になったオイリュトミー。 海外移住のきっかけを作ってくれたし、世界や自分のことも前よりわかる事ができて自信を

          はじめまして

          台湾で愛でる中秋の名月

          中秋の名月を愛でに、台湾の海辺へ。 西の海へと沈んでいく日を受けて、刻々と変わる空の色があまりにも美しく、儚く、愛おしくて、、、シャッターをいつもたくさん切ってしまいます。 この色合いは写真には残せないと分かっていても、つい、無駄な努力をしてしまいます。 大切な家族に見せたい、こんな素晴らしい風景に、今日出会うことができたとシェアしたい。 その場、その瞬間を生きていればいいのだけれど、こう思うのも私という人間をやっているからこその感情です。 日が沈みきり、振り返れば

          台湾で愛でる中秋の名月

          オイリュトミー学校の具体的なカリキュラム

          台湾インターナショナル・オイリュトミー学校の具体的なカリキュラムについて説明します。 私たちの学校 Eurythmy Formosa 3ei のカリキュラムは、オイリュトミーの多面的な学びを提供するために、実技・理論・精神的学びをバランスよく取り入れています。カリキュラムには以下のような要素が含まれています。 オイリュトミー実技 言語オイリュトミー: 詩や物語の言葉を身体で表現する技術を学びます。言葉のリズム、音、意味を体で表現する方法を習得します。母音・子音のジェスチ

          オイリュトミー学校の具体的なカリキュラム

          台湾 インターナショナル・オイリュトミー学校 4年間の進行

          台湾 インターナショナル・オイリュトミー学校 4年間の進行 オイリュトミー学校のカリキュラムは、オイリュトミーの技術を習得するだけでなく、自己の内面を深く探求し、他者や宇宙とのつながりを感じながら表現する力を養うことを目的としています。 第1年 土の学び <肉体を整える> これまでの人生の中で無意識に身についている自己の身体の使い方の癖を自覚します。偏りからくる滞や強張り、凝りを自らの力でほぐし、全身の巡りが良くなるように解消していきます。基礎的な技術と理論を学ぶ時期であ

          台湾 インターナショナル・オイリュトミー学校 4年間の進行