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注文の少ない料理店【ショートショート】
目が覚めると小綺麗な部屋に座っていた。
白いクロスのひかれたテーブルの向かいで男が突っ伏している。息はしていないようだ。
男の指は一つ欠けており、血が垂れてポツポツとテーブルクロスに色をつけていた。
男の口から出た吐瀉物は床にまで広がっている。
見苦しかったので、目をそらした。
西洋式の内装、テーブルをてらてらと照らす間接照明。
レストランの個室であると想像できた。
しかしなぜ自分がここにいるの
幽霊、祓いに来ました。 廃校のはなし【ショートショート】
ひゅうと吹いた夜風の音にドキッとするほど廊下は静まっていた。
大森山の向こうにある廃校で人体模型がひとりでに動き出すらしい。そんなひどくありきたりな怪談話が僕通っている小学校でも流行っていた。馬鹿馬鹿しいと聞き流していたはずの僕がどうして一人でその廃校に来ているのだろうか。とにかく気づいたらにここにいた。
開いている窓に気づき隙間のないよう閉じると廊下は再び静かになった。
一息ついて前を見る