注文の少ない料理店【ショートショート】
目が覚めると小綺麗な部屋に座っていた。
白いクロスのひかれたテーブルの向かいで男が突っ伏している。息はしていないようだ。
男の指は一つ欠けており、血が垂れてポツポツとテーブルクロスに色をつけていた。
男の口から出た吐瀉物は床にまで広がっている。
見苦しかったので、目をそらした。
西洋式の内装、テーブルをてらてらと照らす間接照明。
レストランの個室であると想像できた。
しかしなぜ自分がここにいるのかは検討もつかなかった。
気がつくと目の前には彩りの良いサラダと黒い革であつら