栞 安藤

栞です。 大学に通っています。 ストーリーを書くのが好きです。 主に短編、ショートショ…

栞 安藤

栞です。 大学に通っています。 ストーリーを書くのが好きです。 主に短編、ショートショートを書いています。

最近の記事

ホワイトフラッペ【ショートショート】

「それじゃ明日は森浦駅に集合ね」  高校の同級生であるサヨとミカ、それと私の三人のグループラインで明日飲みに行く予定が決まった。森浦は三人が通っていた高校から電車で10分程度のところにあるけれど、私は別の路線で学校に通っていたので特に馴染みはなく、ほとんど降りたことのない駅だった。けれどその森浦駅という言葉には、私の心をきゅっと縮ませるような、そんな力がある。    5年程前の話、私が高校生の頃、気になっている人がいた。同じクラスで、席が自分の二つ前だったことを覚えている。顔

    • 明晰夢:夢を夢だと認識し、その内容を操れること【ショートショート】

      何もかも上手くいかない そう思い私は六畳一間、自分の部屋に火をつけた 叶えたい、夢があった 熱と煙で頭がクラクラする 私はベッドでうずくまり、心の中で念じた 「「 覚めろ!!」」 ハッと目が覚めた。急いで辺りを見回す。 ここはアリーナの控え室だ。時間は午後一時。 どうやら昼寝をしてしまっていたらしい。 「だから昼寝は睡眠の質が悪くなるからやめなって」 メンバーの由香が私の肩を叩いた。 私は由香と二人でアイドルユニット「One More Dream」として芸能活動をして

      • 注文の少ない料理店【ショートショート】

        目が覚めると小綺麗な部屋に座っていた。 白いクロスのひかれたテーブルの向かいで男が突っ伏している。息はしていないようだ。 男の指は一つ欠けており、血が垂れてポツポツとテーブルクロスに色をつけていた。 男の口から出た吐瀉物は床にまで広がっている。 見苦しかったので、目をそらした。 西洋式の内装、テーブルをてらてらと照らす間接照明。 レストランの個室であると想像できた。 しかしなぜ自分がここにいるのかは検討もつかなかった。 気がつくと目の前には彩りの良いサラダと黒い革であつら

        • 幽霊、祓いに来ました。 廃校のはなし【ショートショート】

          ひゅうと吹いた夜風の音にドキッとするほど廊下は静まっていた。 大森山の向こうにある廃校で人体模型がひとりでに動き出すらしい。そんなひどくありきたりな怪談話が僕通っている小学校でも流行っていた。馬鹿馬鹿しいと聞き流していたはずの僕がどうして一人でその廃校に来ているのだろうか。とにかく気づいたらにここにいた。   開いている窓に気づき隙間のないよう閉じると廊下は再び静かになった。 一息ついて前を見る。 (とりあえず一階を端から見て周ろう) 何の音も聞こえない。 1階の突き当

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