大学3年生の私は悩みを悩みとして理解できてなかった。
20歳になった年。
私にとっての20歳は大学3年生の年。
特に何もないけど、ほんとに何もなかった。
歩いてる道は明確なのに、
進んでる方向がわかんない。
いじめられてたわけではないのに
話す人はたくさんいたのに、
どこかに属す選択肢は浮かばなかった。
特に不満はないけど、不満以外もない生活。
孤独感なんて別になかったし、
絶望感なんてものももっぱらないけど、
とにかく落ち着いて息がしたかった。
不思議な服屋だった。
服とソファとそしてお茶。
飾りっ気のない、
だけど上品で優しそうな女性がそっと用意してくれた
服の話はあんまりしなかった、と思う
でもたくさん話した。
何度か通うようになって、
悩みを聞いてもらったし、悩みを聞いた。
私は、学生という立場が窮屈だった、嫌だった。
何も持ってない、力もない。
仕方がないことのに、
それに抗いたいのに、
抗う方法すらみつからなくて、悲しい。
悲しくてもいい。
そういう自分がいたっていい。
やっと息をはけた気がした。