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【コラム】全国の骨好きが集結?!『ホネホネサミット2024@しずおか』に初参加してみた!

みなさん、こんにちは!10月も終わりに近づいている中、皆様はどうお過ごしでしょうか?私は10月27日(日)にハシビロコウシンポジウムに参加してきました!国内のハシビロコウを飼育する動物園職員をはじめ、動物園と協働研究を行っている大学関係者による講演、さらには関係者各位がパネリストとして登壇したパネルディスカッションといったかなり充実した内容のシンポジウムでした。ハシビロコウシンポジウムのレポートや感想はまた後日noteにまとめる予定ですので、皆様は首を長くしてお待ちいただければと思います。

さて、今回は2024年10月19日(土)、20日(日)に開催されたホネホネサミット2024@しずおかのレポートです!2009年から開催されているイベントですが、私の地元・静岡で開催されたのは今回が初めてです!以前から興味のあるイベントであると同時に、地元での開催とのことだったので今回初参加してみました!


■ホネホネサミットとは?

ホネホネサミットとは生き物のホネ(骨格標本)を展示・作製している団体や大学、博物館が一堂に会し、その方々との交流ができるイベントです。2009年から今までに大阪府・高知県・北海道で計8回開催されました。第9回目である今回は静岡県で初開催。合計40組以上の出展者・団体によるホネの活動紹介や標本などの展示、自然をテーマとした参加体験型のゲームコーナーなどが開催されました。
ホネホネサミット公式HPより

『ホネホネサミット2024@しずおか』の会場である「清水マリンビル」。すぐ隣には商業施設「エスパルスドリームプラザ」もあり多くの人でにぎわうエリアだ。
清水マリンビルの入り口に設置されているプラモデルを模したオブジェ。ビル内には静岡市の代表産業である「模型」を盛り上げていくことを目的とした施設「清水モデラーズギャラリー」が併設されている。

■ホネホネサミット2024@しずおかに参加してみた!

会場内には様々なホネや標本を展示しているブースがありました。今回は私が特に印象に残ったブースを紹介します。(ブース敬称略)

・アンフィ合同会社

「岐阜大学 動物繁殖学研究室」とのコラボで作成したチーターとライオンのレプリカ標本。大学で所蔵する標本をもとにアンフィ合同会社がレプリカを作製。レプリカなら標本を破損する危険性が少なく、複製可能なので様々なイベントや教育に活用することができる。
レプリカ標本ならこのような標本も作製可能。透明な樹脂を使用することでホネと肉づきの関係性がよくわかる。

・魚のホネも好き

ウツボの全身骨格標本。細かいホネもしっかり組まれている。ウツボの頭骨標本は見たことがあったが、全身骨格標本を見るのは初めて。
出展者の方はなんと独学で標本を作られているそう。ブースでは骨標本の作製方法がわかりやすく掲示されていた。

・和歌山県立自然博物館

地元の小学生と協力して作製したリスの標本と解説パネル。標本を作ることでその生き物の生態や体の特徴を学ぶことができる博物館らしい展示。
小学生が自分たちでまとめた解説パネル。(職員からアドバイスはあるが)基本的には学生主体で作られたそう。
ワカヤマソウリュウの展示。平成18年に和歌山・有田川町で発見されたモササウルス類の新種だ。全身骨格標本のレプリカ標本は本邦初公開だそう。

・東海大学海洋学部海洋研究会

様々な魚類の頭骨標本。学生が個人で飼育していた個体もいるそう。軟骨が多く骨標本の作製が難しいサメ類も展示されていた。
多種多様な魚類の頭骨標本が並べられており圧巻。地元の猟師さんから貰った哺乳類から作製した標本も展示されていた。

・豊橋市自然史博物館

マンドリルの「チュウタロウ」、ライオンの「ハヤテ」、ホッキョクグマの「チャッピー」の頭骨標本。動物園(のんほいパーク)で飼育されていた個体を死後、標本にして同施設内の博物館(豊橋市自然史博物館)で管理している。
動物園によく訪れる人にとっては懐かしい個体もいるのではないだろうか?
キリンやカバの骨も直接触れることができた。

・福井のホネ部

ニホンコウノトリの全身骨格標本。こちらの標本は日本個体群が絶滅する寸前の1955年に福井市に飛来した貴重な個体。
上記個体から採取した羽の標本も展示されていた。同一個体から採取された羽標本が並べて展示されているのは珍しい。
ブースの方が羽の部位と役割が書かれた解説パネルを見せてくれた。異なる大きさ・形の羽はそれぞれ役割が異なる。

・とがくしぼうけん団

大きなアジアゾウの大腿骨。直接触ることも可能。
ブースでは様々な哺乳類の大腿骨が並べて展示されていた。大きさや形状が少しずつ異なるのが面白い。
様々な生き物の剥製標本はすべて直接触れることができる。タヌキやニホンジカは触ったことがあったがニホンザルやニホンイノシシの剥製標本は初めて。ニホンザルの毛並みが想像以上に柔らかかったのが印象に残っている。

・ふじのくに地球環境史ミュージアム

地元・静岡が誇る自然史博物館「ふじのくに地球環境史ミュージアム」のブース。「しずおかの食」と称した静岡県版ガストロノミーツーリズム(※1)をテーマとした展示。

(※1) その土地の気候風土が生んだ食材、習慣、伝統、歴史などによって育まれた食を楽しみ、旅すること。ガストロノミーとは、フランス語で「美食学・美食術」の意味。

静岡県HPより
静岡が誇る農作物(農芸品)や水産物を美しい写真やアクリル封入した標本などで紹介。それらを育んできた地域の自然環境や文化、歴史についても解説しており、静岡県の食文化とその背景を学ぶことができる。

■まとめ ホネは奥深く、面白い!

「ホネ」をはじめとする標本資料はその生き物の生態や自然環境を知る大きな手掛かりとなります。今回のホネホネサミットにおいて様々な生き物の「ホネ」を見て、触れることで、いままで以上に面白く奥深い生き物の生態や彼らが暮らす環境・生態系について学ぶことができたなと感じています。そして何より、日本全国の生き物好きな方々による熱いトークを生で聞くことができたのが私自身にとって良い刺激となりました(笑)

皆様、いかがだったでしょうか?ホネをテーマとしたマニアックで熱いイベント「ホネホネサミット」は来年も開催されます。来年の開催地は高知県黒潮町。沖合ではクジラやイルカといった海洋哺乳類も観測されている自然いっぱいの街で、ホネホネサミットにはぴったりの開催地だと思いました。今回の記事で興味持った方は参加してみてはいかがでしょうか?きっと次回もたくさんの「ホネ」や「ホネを愛する人々」と出会えることでしょう!

来年の開催は高知県黒潮町にある「砂浜美術館」。黒潮町は漁業が盛んな町でホエールウォッチングも観光資源となっている。ホネホネサミットには最適な開催地だ。

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