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【Kizuna Okinawa】人と自然を愛するカルチャーブランド|かりゆしウェアが紡ぐ沖縄の「絆」
手を取り合って
私たちは、Okinawaの歴史・文化、自然、アートを敬い、
作り手と買い手や世代を越えた人を繋げるモノづくりを県内生産にこだわって行っています。
自分だけのこだわりのかりゆしウェア製作に。 −Kizuna.−
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沖縄県の宜野湾市にある【Kizuna Okinawa(以下、Kizuna)】は、世界に一つだけのオーダーメイドかりゆしウェア(以下、かりゆし)を作れるお店です。
かりゆしは沖縄県民のビジネスウェアとして愛用されているだけでなく、観光客にも人気のウェアです。
沖縄県は、経済産業大臣が指定する工芸品目数の日本3位を誇る島です。
かりゆしには、沖縄独自の伝統工芸織物や文化、自然がデザインされているのが特徴です。
(「かりゆし」は、沖縄県の衣類縫製品工業組合に商標登録されている。登録第4478571号)
今回お話を伺ったのは、Kizunaのオーナー野原真麻さんです。沖縄生まれ沖縄育ちで、生粋のうちなーんちゅ。
6年前に金融業界からアパレル業界へ転身。沖縄らしい「豊かさ」表現するかりゆしなどを取り扱うアパレルショップKizuna Okinawaをオープンしました。
今回は、アパレル業界の現状やKizunaの取り組み、今後のビジョンについてお聞きしました。
また後半では、他ブランドとのコラボプロジェクト<アップサイクルムーブメント>についてもまとめています。
Kizuna Okinawaとは
オリジナルテキスタイル、染・織工房との直提携で県内縫製に特化し、受注生産という地域地産やエシカルなモノづくり大事にしています。
自社開発のセミオーダーカスタムメイドのかりゆしウェア、ウェディング参列衣装としてのかりゆしウェア製作、アートとのコラボ企画で生まれた商品販売も行っております。
作り手と着る人に「絆」が育まれることを願って。
Kizunaは、野原さんが代表を務める株式会社island okinawaが運営するアパレルショップ。こちらで取り扱うかりゆしは、既製品またはセミオーダーから選択することができます。
また、デザインに関しても沖縄伝統工芸の紅型があしらわれたものから、若い世代が気軽にかりゆしを楽しめるPOPなデザインまで様々です。
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かりゆしを着る場面や一人ひとりの好みに合わせて、納得するまで野原さんと相談しながらお気に入りの一着を探せるのがKizunaの魅力です。
しかし、インタビュー冒頭から意外な言葉を聞きました。
「私はKizunaをファッションブランドって言わないようにしてるんですよ。
これからは、沖縄で働く人たちが自立できる環境をつくる<カルチャーブランド>でありたいなと思っています。」
そんな野原さんの言葉に込められた想いとは?
世界にモノがあふれている今こそ、「買う」意識を変えていくブランドに。
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業界に入って気づいたアパレル産業の現状
金融業界から未経験のアパレル業界へ転身した野原さんですが、はじめはアパレル業界の現状を知らなかったと言います。
現在、世界的にファストファッション(安く大量に生産消費される衣料品)が流行する裏側に、実は大きな問題があるんです。
SDGs(持続可能な開発目標)が2030年の達成を目標に掲げられている今この瞬間も、アパレル商品を製造する現場(特にアジアなど新興国)では、労働に見合わない待遇や過酷な環境で働き続ける人たちがいます。
「お店を始めたときは、アパレルがこんなにも課題が多い産業とは知らなくて驚きました。
日本で売られている多くの衣料品は、海外で作られています。いろいろ調べると、工賃や人件費の安さ、労働環境、大量生産・大量消費・大量廃棄の現状など、さまざまな課題を知りました。
そして、自分自身もファストファッションを愛用していたことに、とても罪悪感を覚えるようになりました。」
(※ファストファッションと環境問題については下記に述べています)
「たくさんモノづくりが求められているのに、アパレル産業は魅力的な仕事になっていないんです。今の時代は個人でもプロダクトを作るようになった一方で、作り手が足りない現状もあるんです。」
安く買いたい購入者、安価で仕入れたい販売者。その裏で「安価で雇われる労働者」がいる事実は、あまり表に出ることがありません。
また、私たちが「安い」を理由にものを買うとき、その商品の背景を想像することは少ないかもしれません。
不要品の寄付はだれのため?
Kizunaをオープンした野原さんは、金融業界時代に着ていた不要なスーツが家にあふれるようになりました。少しでも意味のある循環を、と第三国や福祉施設への寄付などをしていたそうです。
しかし、実際には海外へ寄付するための多大な輸送コストや、手付かずの寄付品があふれる福祉施設の現状に、さまざまなジレンマを感じたといいます。
「この世の中には、本当にモノがあふれすぎているんです」
そして、「買う」という消費者の意識が変わらなければ、この世界にモノがあふれ続けていくことの危機感を覚えました。
沖縄が抱える経済課題にも触れ、こんなお話を聞かせてくれました。
「Kizunaは今後、シングルマザーや何らかの働きづらさを持つ方など、自分の力で働いていきたい人たちの拠点でありたいと思っています。
モノづくりを通して働く人たちのスキルアップを図り、いずれは<地域の自立を生み出せるブランド>でありたいんです。」
Kizunaが見据える今後のビジョンについては、後半でまとめていきます。
かりゆしウェアに込められた想い
Kizunaのメインプロダクトであるかりゆしですが、野原さんが取り扱うかりゆしには、どんな想いが込められているのでしょう?
①沖縄の魅力をカタチに残して伝えたい
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沖縄出身の野原さんですが、長い間、地元である沖縄の良さが分からなかったと言います。
「県外で12年ほど暮らしていたんですが、県外に出て初めて沖縄の魅力に気いたんですよね。自然、文化、どれもがすばらしい魅力で、沖縄を出たから気づくことができました。
そして、そんな豊かさが人の心も豊かにしてくれていると思っています。
なので、島に戻ったら「沖縄の魅力」をカタチにしたいと考えていました。」
自然×伝統×アートの力で沖縄らしさを伝えるKizunaのかりゆし。
沖縄で生まれた伝統的な紅型模様は全部で1000種以上。野原さんは実際に、紅型の伝統柄をまとめた絵柄集の中から、ご自身で模様をセレクトしています。
そうして作られたKizunaのかりゆしは、沖縄らしさがつまったアイテムとして多世代から人気を集めています。
また、他ブランドとのコラボ商品は、伝統的な紅型とPOPなデザインで、ひとつの「現代アート」としておしゃれを楽しむ若者からも人気を集めています。(本章の冒頭写真が制作過程)
②#30wears
みなさんが服を買うときの決め手は何ですか?
いろいろな憧れや楽しみをイメージし、お気に入りの一着を手に取ると思います。
では、購入した服を手放すまで、「何回」くらい着ているでしょう?
ある報告によると、化学繊維で作られた安価な衣服は品質が長持ちしないため、平均7〜8回しか着用されずに廃棄されているという現状があります。
また、環境省の報告では、年間50万トン以上(1日あたり大型トラック130台分の衣料品が廃棄されているとされています。
その多くは、焼却または埋め立て処分となり、リサイクル率はたった5%という驚きの数字です。
そんな中、Kizunaのかりゆしが伝えるメッセージが<#30wears>
一度買った服を30回着よう
服を買うときに「30回着るかな?」を考えよう
という想いが込められています。
「環境問題というと堅苦しいですが、一度買った服を大切に30回着る。みんながこれを意識するだけで、大きな一歩になることを伝えたいんです」
③作る・買うの意識を変える
「今の時代はモノがあふれすぎています。人が生きている以上は、どうしても環境に負荷を与えてしまいます。
これを少しでも良い向へ変えるために、作り手と買い手の意識が両立することが必要なんです」と話す野原さん。
お店で買うから出逢える納得の一枚
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「よろけ」と呼ばれる紅型がデザインされたカジュアルかりゆし
Kizunaの商品はブランドの名前通り、製造から購入までのプロセスにおいて、作り手と買い手の「絆」を大切にしています。
ネットショップでの手軽な販売が主流になりつつ今こそ、野原さんは実店舗で販売にこだわりを持っています。
その理由は、お客さんとのコミュニケーションを大切にしているからです。
実際に、私が人生で初めてのかりゆしを探していた時に、とてもすてきな言葉をかけていただきました。
「とにかくたくさん悩んでください。そして、その一枚のかりゆしに、自分なりのストーリーを込めて選んでほしいんです」
野原さんは、一枚一枚のかりゆしが完成するまでの過程や想いを、丁寧にお話ししてくれます。
そして、かりゆしを着る場面や人生で大切にしていることなどをお話ししながら、納得のいく一枚を一緒に探してくれます。
かりゆしウェアは決して安い買い物ではありません。しかし、「自分はどんな想いで、この一枚を手にとりたいか」をじっくり考えることで、永く愛用したくなる一生物の一着に出会えます。
これこそがKizunaが伝えたい、これからの買い物のあり方です。
沖縄発の「アップサイクルかりゆし」で、環境のためにはじめの一歩を
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2023年7月にUp–cycle movementというプロジェクトが立ち上がりました。Up-cycle(アップサイクル)とは、今あるものからさらに価値あるものを生み出すことです。
プロジェクトのコンセプトは「私たちができる環境のための一歩」
人と地球が持続可能な形で共生していくためには、作り手と買い手の意識が大切だと考えている野原さん。
そんな中で、沖縄の海で回収されたプラスチックからアクセサリー雑貨を製造・販売しているブランド「jiyukimama」とコラボプロジェクトを立ち上げました。
沖縄の伝統×自然×アートで何かできないかと考えた結果、沖縄発のブランドで作られた限定商品【アップサイクルかりゆし】が生まれました。
アップサイクルかりゆしに込められた想いとは?
捨てられるはずの布が、こだわりのワンポイントに
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タグ部分はシャツ本体の生地を切り抜き、厚みが出ないよう工夫して縫製されている。
Kizunaが担当したアップサイクルかりゆし。この商品のこだわりポイントは、かりゆしの製造過程で出る織残布(布の切れ端)で作られたパッチワークや、ブランドタグです。
織残布には、琉球絣や南風原花織(沖縄伝統織物の一つ)や、伝統工芸である紅型デザインも取り入れられています。
しかし、織残布を商品化には大変な手間がかかりました。
「いくつもの生地を組み合わせて作るんですが、素材が分厚くなると服のシルエットが崩れたり、ポケットだけシワが寄ってしまったりするんです。
縫製の仕様を、洋服の形が崩れないように構成しつつ、見た目のデザインにもこだわって作るのが一番大変でした。
何度も何度も、細かい試行錯誤を繰り返しました。縫製の人からは、「申し訳ないけど、この作業は今回限りにしてほしい」と言われちゃいました…(笑)」
みんなが知っているアレから生まれたボタンたち
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かりゆしのボタンを担当したのがアップサイクルブランドjiyukimama。
なんと、このボタンは全てペットボトルのキャップを再活用して作られています。黄色は炭酸飲料、黒はコーラといったように、一つひとつのボタンから物語を感じられるのがおもしろいところ。
このボタンは、海で拾われたプラスチックから作られています。プラスチック片をひとつひとつ手洗い洗浄し、色分けと粉砕を行います。
そして、専用の金型にプラスチックを流し込み、一つひとつを手で切り取るという地道な過程で作られています。
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「私たちは商品を、「エコだから」という理由で手にとってほしいとは思っていないんです。商品が美しいから手に取ってみた。そしたら、実は海洋プラスチックが原材料だったんだ!というのが理想ですね。
jiyukimamaの商品を入り口に、「自由気まま」なエコライフの一歩を踏み出してもらえたらうれしいです」(jiyukimama 代表 眞栄喜さん)
10日以上をかけて、丁寧に一枚一枚作り上げられたアップサイクルかりゆし。二つのブランドが、それぞれ限りある資源を最大限に活用し、手間と愛情をかけて生み出されました。
「エコライフはむずかしいことじゃない。大切に着たくなるお気に入りの一着を身につける。それだけで、だれでも環境にやさしい一歩を踏み出るんです。
商品を買ってもらうだけが目的ではないんです。アップサイクルかりゆしを通して、誰かが自分にできることを考えるキッカケになればうれしいです」
野原さんは、だれひとり取り残さず、人と自然が豊かに共生できる未来を見据えています。
これからKizunaが向かう未来とは?
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アップサイクル商品の生産体制をつくる【チクチクプロジェクト】MTG
「私は、ただただ利益を出すために大量にかりゆしを作り、たくさん売れてほしいとは思っていないんですよね。」と語る野原さん。
「Kizunaは単なるアパレルブランドではなく、地域の力での自立を生み出す<カルチャーブランド>として挑戦したいと思っています。
モノがあふれる時代ですが、きっとこれからは質の高い生産者が集約される時代になると思うんです。そんな時に、生き残れるブランドでありたいです。」
一枚のかりゆしを通して、「買う」という意識の転換を生み出すことを目指すKizuna okinawa。ファッションは他人からの評価を得るためのモノではなく、ありのままの自分らしさを表現するひとつのアイテムです。
買い手である私たちがほんの少し「買う」意識を変えるだけで、地球が豊かになり、世界のだれかをHappyにできるのかもしれません。
Made in Okinawaの愛と絆で紡がれた、あなただけが出逢える世界に一つのかりゆしを探してみませんか?
【かりゆしウェアセミオーダー|Kizuna Okinawa】
沖縄県宜野湾市大謝名3−4−2
TEL 098-975-5001
OPEN Wed - Fri, 10:00-16:00 / Sat 11:00-17:00
CLOSED Sun-Tue, Holidays
MAIL info@islandworks.co.jp
(店舗HPより来店予約が可能です。)
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アクセス(車の場合)
那覇空港から約30分
県道58号線 大謝名交差点より車で5分