アドバイスが逆効果になる理由
「人より頑張っているのに、何故か勝てない」「感謝や評価されるべきなのにされない」自分の努力が正当に評価されてないことが多いと思う人に足りていないのは「コンパッション」、すなわち他者への「想像力」「配慮」だと確信しています。
小さな違いだけで、すごく得をする。人生が変わる。
経営者や上司、クライアントから「お前わかってるなぁ」と相手の懐に入り込んだり周りに重宝されるかどうかは、相手がどうしてほしいかを推測したうえで配慮ある言動ができるかにかかっています。
ただ、本を読むだけでは、経営者やリーダーの個人の経験や視座までは得られることができません。身をもって体感しないと本当に自分の言葉で枯れるようにならないし、自分は勿論、周りも変えることはできない。
私がWEINに参画して得た大きな観点の一つがこの能力「コンパッション」です。
■思考スキル「コンパッション」とは?
当グループではこの観点をとても大切にしています。特に、当事者意識や視座が高い人(挑戦者)を大切にするため、自分より上の立場の人の視点から物事を考え、言動を選べるか、その蓄積による信頼は冗談じゃなく人生をわけます。
■求められていないアドバイス/問題提起はありがた迷惑
私は、業務上必要で、メンバーや部下に指摘やアドバイスをする以外は、求められていないのにアドバイスや問題提起をしないようにしています。
理由は、大体の場合、当事者の方が、第三者である自分と違った観点でより広く、深く考えているから。どこまで検討した上でなのか、確認や認識のすり合わせを本当に実のある問題提起やアドバイスをする為には結構な思考負荷がかかります。大体の場合は、既知で検討済みの事項で、理由があってできていないこと、やらない判断をしたことのため、それを改めて聞くと薄っぺらかったり浅く聞こえてしまうのです。
更に、意見を求められてもいないのであれば、恐らく相手は聞いて受け止める準備もないので、せっかく良かれと思ってアドバイスや問題提起をしても「は?そんなこととっくに考えているのだけど?」「薄っぺらい、面倒くさいな」と思われてしまうことがあるのです。
勿論、そんなこと口に出していう人はほとんどいません。表面上は「そうだね、考えてくれてありがとう」と流されることが多いのです。(※私は当グループでの育成的なアプローチ以外でこのずれの指摘をしている人を見たことがないです。笑)
これがやっかいで、言った側は「良い提言をした」「役に立った」と思ってしまい、反省や改善が走らず、また繰り返して、気付かないうちに自分の印象や評価が下がってしまうのです。
■「コンパッション」がないと・・・
上記のように、「コンパッション」≒他者想像力がないと、チームメンバーの気持ちがわからないし、自分の行動の影響が見えない。マイナスなのにプラスと勘違いしたまま続けてしまう。
当人のみの問題ならまだよいのですが、周囲がそれに迎合してしまうと、当人が困ることもなく、改善がされない。このような人を放置すると、周りにストレスがかかる当事者意識の高い優秀な人から去っていく。
(マネージャーやリーダーは適切なFBをしないといけない)
■想像力の欠如によって起きたこと
今回、新しいメンバーが当社(※まーけっち)の課題について問題提起をしてくれました。内容自体は全くその通りで、私としても反省の限りです。
リーダーとしては痛い部分もありつつ、本人に真意を確認したところ、改善したい気持ちが強いあまりということだったため、そこまで熱意をもって考えてくれていることは確認し嬉しくもありました。熱意を持った課題提起、大変ありがたいことです。
ただ、客観的にとらえると、マイナス効果を生む可能性が否めない発信と判断し、メンバーそれぞれの適切な対応がとられるよう、適切な対応に努めなければならないと、と自分なりにもこの課題に向き合うことにしました。
(以前マネジメント側として、この対応を誤り、危うく当事者意識の高いリーダーのモチベーションを大きく削ぐことがあり、かなり厳しい指摘を受けました。今回はその失敗はしたくない。と強く思ったことが今回私もここまでこの課題に向き合わせたなあ。そういったWEINでの経験も今に生きているなと思います。)
●今回の指摘(抜粋)
新しく参画されたメンバーからいただいた内容は下記です。
内容や指摘はまっとうなのに、裏の背景や配慮が欠けているだけで、対立構造を生むか、大きくは下記の観点で分かれると考えます。
★建設的な問題提起か批判/非難と捉えられるかのジャッジ観点(問題提起編)
お気づきでしょうか。
①貢献性については、解決策を考えるにあたって、能力的な難易度もありますし、思考の負荷がかかります。
ただし、②想像力→課題背景への配慮があるか はただ単に表現や伝え方の違いです。
今回のケースであれば指摘内容はその通りであったため、解決策まで考えずとも、あまり思考工数をかけず、例えば下記のように質問から始めていれば、受け取った相手からも「いい人そう!」「頼もしい!」と180度印象が異なりそうですよね。
●好意的に受け取りやすい例(イメージ)
今回本当に目から鱗だったのが、この考え方をいくら説明してもほとんど伝わらず、、、、
そ・こ・で・・!
代表の溝口からもらった言葉や例(強いリーダーを支えるメンバーのあるべき行動について、夜中みんなで2時間議論したこともありました笑)を織り交ぜ、テキストにまとめて整理して伝えなおしました。
一通り暑苦しく伝え終わって、やっぱり私の言葉は届かないかなと、どきどきしながらも、
「どう思いますか?言いたいことがあれば率直に忌憚なく仰ってくださいね」と尋ねてみたところ、
くだんの新メンバーさんも・・・・・
と仰ってくれて、より前向きに業務に推進してくれるようになりました。
涙がちょちょぎれますね!涙
自分でも、今の自分が1度や2度伝えただけではなかなか受け止めてもらえないし、逆に少し向き合い方を相手に合わせるだけで受容度が20%から90%に上がったことも大変学びとなりました。
確かに、ここまでカルチャー浸透されている会社もないし、同じことでも180度印象が異なるってすごいよな、この課題で困っている人の補助に少しでもなれば‥‥!と思いまして今回は、そんな社内資料を一部公開しちゃいます。改定中につき、多少のわかりにくい差はご放念いただけると幸いです。
★コンパッション(他者想像力)の重要さと身に着ける方法
※社内資料ではありますが、育成への貢献効果が高いと好評だった為、今回特別に公開します。マネジメントやコミュニケーションにおいて、新しいメンバーとの当事者意識や視座の違い悩む方には解決の役に立つかもしれません。ご参考ください…!
■前提
高い目標に向かって本気で挑戦するチームの上司やリーダーほど、孤独・辛い
なぜリーダーは孤独なのか?
メンバーに厳しく要求をしないといけない
誰よりも広く深く考えているが、その分実行できていない課題の認識も強い
効果とスピードを優先しないといけない判断が増える→
誤解されやすい
曲解・一部を切り取ってあることないこと話す人が多い(視座が低いと一部しか見えていない)
事業や組織の要素は複雑なため100%正しい意思決定はない
49人に否定されて、51人に賛同される
49人に不満を持たれるのは心理的負荷が高いがその意思決定をできるのが視座の高い目標に忠実なリーダー
※弱いと、自分をよく見せることやメンバーの迎合を求めるためこの意思決定はできない
※注意!批判ばかりするのは想像したことがない人
高い目標を達成するために組織を動かす葛藤や難しい意思決定をくだしたことない人が部分的な課題を切り取って極大化する傾向にある
→逆に視座が高い人からは、この傾向をすぐ察知するため、「自分への疑念と相手への配慮」「具体的な改善策」がない言動があると、上記の経験がない(あった上で発言していたら非常にマインドセットに難があるためそれも問題)にもかかわらず、その経験が欠けている自覚がないことがわかり、評価や信頼が下がります。(要は、かっこ悪い!ってことですね)
■メンバーの心がけ/必要なこと
リーダーの立場に立って想像してみる
リーダーの孤独・辛さ・大変さを想像できているか
例:懇親会の開催者に、陰で文句を言う人
リーダーがあるがゆえに完璧を求められる
完璧であるべきではあるがチームもリーダーもそうはいかない、苦闘葛藤を想像したことがないから、想像できないから、小さなことで大事にする
成長・スピードを取ると完璧さは落ちる
同じレイヤーやそれ以下なのに、なぜか上司には完璧を求める人も多い
リーダーとして色んな発言をしてみる
■コンパッションを手に入れるための心がけ/必要なこと
①自分の言動への疑念を持つこと
こうなのでは?という仮説はあれど、本当に正しいか?自分の思考や想定に抜けもれはないか?その配慮や確認なしに 言葉を届けて、自分のことを「わかって貰えてない、配慮がない」と思われ信頼性が失われるのではないか(今回は個別のやり取りのため、チームへの影響まではまだ考えてないですが)という自分への疑念があれば、まず質問が出てきたり,先に相手の意見や状況を確認する。
これはよく代表の溝口から指摘や説明を受ける内容です。社歴が古く溝口と距離が近いメンバーほど、何度も指摘を受け、思考にしみついています。
(私はまだまだ足りないのでいまだによく指摘を受けます。当事者意識が低いと思考に徹底しきれないので本当に良くない。がんばろう・・!)
●理解の差分を埋めるには?
・前提条件や意図、目的のすり合わせ (自分が思いいたっていなさそうならまず質問する) →必要なら説明(結論と理由を完結に)
・普段から、上の人の発言やメッセージは意図を推測し、自分でも伝えられるような思考とメモの取り方にする
■本当に人を動かす、前に進めるコミュニケーション
配慮や確認がなく、課題に気づいてすらいない前提でのコミュニケーションは相手の信頼関係やチームの士気を損なう。逆に配慮さえあればとっても信頼され、多くの人が自分のために動いてくれるようになるわけです。
●配慮の観点
・提起した課題が既知で対応予定があるか
優先度やステップの判断があり、 他の色々な事情、状況を考えに考えたうえで、「今は対応しない」と苦渋の決断をした上での顕在課題として残っているのではないか?
・本当にプラスに働くコミュニケーションかどうか
ゼロベースの純粋な客観思考で自分の言動の影響のプラマイを評価してみましょう。主な観点は下記かなと考えます。
①直接的なパフォーマンス・生産性向上
・いつまでにどれくらい?
・(今まで理由があって解決できなかったはずなのに)どうして既存の課題が解決できるのか?
※現場を考慮していない机上の空論になっていないかを注意
②個人/自分自身の信頼性
・声が通りにくくなる 人を動かせなくなる
③メンバーのモチベーション
・士気の低下
・改善策はあるか
発信を受け取った人の心情やそのあとのアクションを想定しているか?アクションにつながる具体的な施策があるか。
結局具体策があるかが大事。私たちも重宝させていただいている解像度の上げ方はとても参考になります。
そんな、思考の根本から著しく成長できるWEINに少しでもご興味を持ってくださった方は、下記から是非ぜひご応募ください。
●WEIN Group 採用ページ(改定中)
(募集職種はこちら。 オープンポジションもあるので気軽に遊びに来てください!!)
サイトのコンテンツなどもこれからどんどん更新予定で、実際の取り組みなど詳細をまだ掲載出来てない為、ご質問などもお気兼ねなくご連絡ください!DMはこちらまで!
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