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〈鳥取vol.2〉くうねるたべるを抱きしめる、何もしないをする話
鳥取旅2日目の記録です。1日目の記事はこちらから。
ゲストハウスが好き
「好きなもの100個書く」の記事が下書きにあるのですが、まっさきに浮かんでくるのはゲストハウス。ドミトリーが主流の簡易宿のような場所なのですが、大学生のころに惚れこみました。
前回の投稿にて鳥取が好きと書きましたが、厳密に言うと鳥取の湯梨浜にあるゲストハウスが好きなんです。初めて訪れたのは19歳の2月末。その年の夏にヘルパー(フリーアコモデーション制度:宿泊費分働きながら滞在する)として再訪し、以来ちょこちょこ出入りしています。
ゲストハウスにヘルパーとして滞在する旨味は、お客さんでもなく正規スタッフでもない特殊な立ち位置で過ごせることだと思っています。お客さんからしたらスタッフに見えるけれど、スタッフからすればかりそめの関係性。この立場を生かすも殺すも自分次第であるところが気に入っています。
この制度を用いれば副業にならないので、働き始めてからも折を見てヘルパーとして鳥取を訪れているというわけです。
鳴り石の浜
基本的に一人旅へ出かける際はノープランで出発します。今回も毎日3時間働く以外ほとんど予定はすっからかん。その時々の流れに素直な気持ちで乗っていくことが私にとっては大切だからです。
到着した翌日(ヘルパー2日目)は仲良しのスタッフに声をかけてもらい、車で40分ほどドライブ。目的地は鳴り石の浜です。
琴浦海岸の西に位置する、花見海岸はごろた石といわれる楕円形の石が集積した珍しい自然海岸です。海が荒れる日には打ち寄せる波によって、これらの石がぶつかり合い独特の響きが聞こえ不思議なたたずまいを感じます。
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海を眺めているとおじいちゃんが近寄ってきて「写真を撮らせてくれないか」と。雪だるまのようにダウンを着込んだ姿を納めてもらい、少し話して浜を去る。道の駅のホットコーヒーで温まる。
papanなるパン屋へ寄る
帰り道、お腹を満たすべくパン屋さんへ立ち寄る。行きしなに「気になっているけど行ったことがない」と話していた伏線を華麗に回収。
このパン屋さんは「はわい」という地域にあるのですが、その地名ゆえか道路沿いにはヤシの木が並んでいる。お店のイートインスペースからはまるでハワイへ来たような景色が眺められます。
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組み合わせの面白いパンがたくさんあってどれにしようかかなり迷う。冷凍パンは20円引きとのことだったので、イートイン用にヒレカツ1本コッペと翌朝用にきんぴらのおやき(冷凍)を購入。
これがね、もうはちゃめちゃに美味しかった。まずそもそもコッペパンが秀逸すぎる。ふわっふわだけれども小麦の芳ばしさがしっかりと口内に広がる。なにも挟まなくとも美味しいのだから、ジューシーで柔らかなヒレカツなんて挟んだ暁には間違いないわけですよ。
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私あるあるなのですが、部分部分でいろいろな食べ方をしてみたくなる。コッペパンを食べたりヒレカツを食べたりヒレカツコッペを食べたり。断面に塗られたマヨネーズも良い仕事をしていました。
帰宅後、翌朝用に買った冷凍のおやきを眺めていたら無性に食べたくなってくる。店員さんは常温解凍でとおっしゃっていたけれど、待ちきれずにトースターで焼く。一緒に行ったスタッフも夜食用にクリームパンを買っていたので半分ずつにして食べる。一口齧っていたのがばれて笑われる。
汽水空港へ
お腹が満たされたので近所の本屋さんへ。東郷湖が汽水湖だから、こういうお名前なんだとか。すこぶるセンスの良いお店です。
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ゲストハウスへ戻ると、かわいいフレンチブルドッグがお出迎え。あれ、さっき汽水空港でお見かけした方だ!そうそう、こういうつながりが生まれる瞬間がすきなんです。おむすびという名前らしい。
そのあとは翌日からのポップアップ(次回詳しく)の仕込みを行い、夜が更けていきました。ここへ来るとよく眠れる。