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「男尊女卑」は人を幸せにできるのか

男尊女卑の国、日本

社長「昔は弊社にも女性の営業なんてほとんどいなくて、〇〇課長が最初だった。若い頃は毎日泣いてたよ。取引先の人にバカにされるから」
私「女性差別ですね…」
社長「差別じゃない。本人が悔しくて泣いてるんだから。そういう国だからね、日本は
(そういう国って『昔は女性がバカにされて当たり前の国だった=そういう時代だった』ってこと?『今も昔も女性がバカにされるのは当たり前の国』ってこと?『差別じゃない』のに課長がバカにされてたのはなぜ?矛盾が多くてよくわからない…)」
社長「(他の話題を話し始めた)」

本日の社長との会話です。高齢でマイペースに話しますし、言葉も少なめで真意が読み取れないことも多々ありますが、今日は一番よくわかりませんでした。
女性が営業に行くとバカにされる、女性相手だと仕事に関係ないセクハラ行為をする…最近も強姦について男性側が無罪判決される事件がありましたね。さすがにそこまでの犯罪行為を行う男性はごく一部だと信じたいですが、冒頭の社長との会話にも「まあ女性は下に見られても仕方ないっしょ」という心理が見えます。

弱肉強食による男尊女卑

話が少しそれますが、以前鳥のいるカフェ(http://toricafe.co.jp/roppongi)に行きました。人に慣れたフクロウは放鳥室で足枷をつけずに飼育されてるので「こんな狭い店に閉じ込められて息が詰まりそうだな…」とか余計な雑念なしで楽しめる貴重なフクロウカフェです(バードホテル、鳥の販売&飼育指導もしてくれるみたいです)。
放鳥室はドリンク代込みの基本料金を払えば自由に入れますが、フクロウたちが頭上を飛んで移動する際、私の頭を蹴るんですね(鳥は体が軽いし手加減してるので痛くない)。他にも結構人がいるけど、偶然かな?私の位置が悪いのかな?と思いましたが、途中小さめのフクロウが止まり木から足元に降りてトコトコ歩いてきて、「かわいい♡」と思ってたら私の足を蹴り、踵を返して立ち去りました。
私、フクロウに『ここで一番弱い』と思われてる…」と確信しました。初見の猛禽類10匹強になめられました。

人間も女性(体が小さい、筋肉が少ない=弱い)はなめられます。
「まあフクロウも人間も同じ地球上の動物だからね。じゃあ女性はやっぱり差別されても自然の摂理というか…仕方なくない?」という意見もあるでしょう。
でも…フクロウと一緒でいいんでしょうか?
フクロウは自然界で狩りをして暮らす生き物ですが、人間はフクロウにはない「社会」「経済」「医療」など文明のある世界に住んでいて日々進化しています。フクロウと同じことをするなら、大きな脳を抱えて現代の人間である意味がないと思いませんか?

男尊女卑の落とし穴

男女平等!女性の権利向上を!と声高々に言うと「生意気な!女性だからって普段手加減してやってるのはこっちの方だ!男はつらいんだぞ!」とか、「ふっ…悪いけど月経で毎月体調不良になったり、妊娠出産で仕事をいちいち離れる人に平等に扱えと言われてもね」という意見の人も出てきます。

私はそれが男尊女卑の落とし穴だと思っています。

「男はつらいんだぞ!」つらいですよね。いつも女性より強く、優れていないといけない。自分よりその仕事に適性がある女性がいても、自分の方が優れてないと『男のくせに』と言われます。別にその仕事が大好きでもないのでやる気が一層削がれます。
「仕事を離れる人に平等に扱えと言われてもね」男性は全員定年まで休まず元気に働くものだと決めつけられていますが、仕事は生きるために稼ぐ手段なので、男女問わず生活できればぶっ続けで働かなくてもいいと思います。『仕事熱心=人間として素晴らしい』という価値観は、仕事が好きな人や自分で好きで事業を始めた人はいいのですが、生活のためだけに働いてる人も含めた労働者全体にその価値観が広がってるのは『低賃金で熱心に働く便利な人材』が欲しい誰かの思うままという気がします。

2017年に強制性交等罪が制定されるまで強姦の被害者が男性だと強姦罪ではなく、強制わいせつ罪が適用され加害者への刑罰が軽くなっていました。それも「『男のくせに』被害あってんなよ」という男性差別です。

「男尊女卑」は女性を卑下して男性を尊ぶように見えて、男性は女性より強く優れていなければ正しくないとする「男性差別」を生み出す思想です。

女性が全員同じではないように、男性も全員同じではありません。毎日元気いっぱいで仕事熱心な人は少ないと思います。女性でも貧血なんてなったことない、生理痛?お腹が張る程度でしょ?みたいな屈強な体を持って生まれる人もいます。赤いランドセルが好きな男児、青いランドセルが好きな女児…障害を持つ人、性的マイノリティー(LGBTQ+)…人間は千差万別です。

女の子同士で手を繋いで楽しそうに街を歩いていますね。男の人も恥ずかしがらずに好きな友達と手を繋げばいいんです。
料理や家事など「家庭」を運営するのが得意な男の人もいますね(私は家庭維持が仕事より軽く見られる風潮が嫌いなのでこういう言い方をします)。奥さんがフルタイム勤務で旦那さんが時短勤務にすればいいんです。
男の人がつらそうに重い荷物を持ってたら元気な女の人が「持ちますよ」「ありがとうございます」でいいんです。

全員尊い

私が書いたことは美しい理想です。現実は世間の男性観の押し付けに苦しみひきこもってしまう男性がいたり、明らかに被害者の女性が裁判で不利になる事件が起きています。現実は理想には程遠いです。でも理想がないと、何をどう改善すればいいかわからず、面倒だからとりあえず現状を維持してしまいます。

男と女の2通りに雑に分別せず、全員が自分の適性に合った活動をし、好きなものは好きと断言し、罪を犯せば全員順当に裁かれる「全員尊ばれる世界」が私の理想です。(平等とは言いません。人は生まれた時点で平等ではないので)

このまま文明が発達していけば男と女、健常者と障害者、若者と高齢者などさまざまな差異が埋められていくと思います。
例えば、最近はPMS(月経前症候群)も病院で治すイメージが広まってきました。月経のたびに体調不良で苦しんで仕事が滞っていた女性が適切な治療で元気に働けるようになります。結婚して子供が生まれた後も、子供を預け、スマート家電などをフル活用して家事労働を短縮し、熱心に働く気概のある女性もいます。でも周囲の人間が『女性は体調を崩しやすく頼りない』『どうせ結婚したら辞めるから責任がある仕事を任せても無駄』と思い込んだまま、仕事を適切な人間に分配しないとバランスが崩れ、重圧に苦しむ男性が出てきます。
文明を活用するために常にアップデートする柔らかい頭脳が必要なんです

とはいえ、一般市民の私には「それは女性(または男性)差別ですね」と意見したり、自分が元気な時は男女問わず「荷物持ちましょうか?」「席変わりましょうか?」と声をかけたりするくらいしかできません。でも自分と知り合いくらいまでの世界は変わるんじゃないかな〜と期待をもって毎日生きていこうと思います。

最後に。女性の権利等について書くと「仕事熱心で気が強い女性」というイメージになりがちですが、私は貧血だの頭痛だの胃腸炎だのと虚弱体質ですし、定時にさっさと帰りたいし、料理も好きだし、できるなら家でアクセサリーでも作りながら猫をモフモフしていたい、周りの男性から「家庭的そうだね」「古風だね」と言われるタイプです。つまり特別賢く強い女性ではなく、中庸な女性でも「この世界は変だ、アンバランスだ」と感じているということです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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