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『パティ・ペイジの歌のように』 - 宮本美智子さん

作家の宮本美智子さん(1945-1997)の本を
20代の頃、熱心に読んでいました

何冊も持っていたのだけど、
いつしか手放し、現在は1冊も持っていない

1997年に亡くなられたときはショックだった

2年半ほど前に引越した先では
図書館が至極便利に使えるため
ふと思い出したように
宮本さんの本を探し
再び読んでみました

エッセイが中心だったと記憶しているが
今回読んだ『パティ・ペイジの歌のように』は
自伝的小説だった

ストーリーは
なんとも言い難いものがあったけれど
文章はピリリと締まった
良い文章であることを
再確認できた

宮本さんの本から
アメリカを見るのも
楽しかった

パティ・ペイジの歌のように
というタイトルにある歌は
Release Meという歌のことで
私を解き放って
私を自由にして
という意味です

それにしても
昔の女性は本当に大変だったのだ

お嬢様育ちの人は
親の言うままに
食べて、服を着て、学校に通う

親の言うことを聞くことで
経済的な安定は
確保され、
安心がもらえたのだろう

貧乏な家は
どうだったのかわからないけれど
もっと大変だったのではないか?

プライバシーなどあったものではなかったのだろう

20代の頃にこの本を読んだときは
特に何も思わなかったことが
今回読み返してみると
思ったことだった

日本は、世界は、
昔より良くなっている
と思うのだ

昔はよかった
昔は近所と助け合っていた
という人を時々見たことがあるけれど
私に限って言うと
そんなこともなかったように思う

もっと上の人間が横暴で
押さえつけられて生きていたように思う
特に、女性と子供は

上の人間と言っても
父親や教師と言った
大して上でもない人間が
上とされていた

そんなことを思った

本を読み返すって
これまであまりしていなかったけれど
これからはやってみるのも
良さそうだ

パティ・ペイジはこちら


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塩の香り
読んだ後、心が軽くなって、日常生活に戻ってもらえれば。