産まれてまもなく祖母に育てられた№2
3歳の姉が難病にかかった。
だから産まれて生後2ヶ月の私は、
祖母に育ててもらっていた。
父も母も姉のことしか頭になかった
そりゃそうだと思う。
姉の担当医から
助からないかもしれない
と言われたら、気が滅入ってしまう。
だが、産後間もない母には、
姉が助からないかも知れないと言うことは
当時、伝えられていなかったという。
その間、私は祖父と祖母に3ヶ月
育ててもらった。
姉は、熱など落ち着いてはきたが
また再発してしまった時は危ないと
医師から伝えられた。
副作用で顔はパンパン、髪も短くなってしまっていたそうだ。
でも奇跡は起きた!
姉が退院出来ることが決まったのだ!
父も母も喜び、生後5ヶ月となった私を
迎えに来てくれた。
その時、母は
すっかり首も座って、見ないうちに大きくなったな。。
と驚いたという。
大きくなってから、そう母が私に言っていた。
『そんな産まれた時のことなんか覚えてないし、別に気にしてないよ』
私は心からそう思っていたし、罪悪感なんて感じることないんだよ。って意味も込めて当時小学生の私は言った。
だが母の次の言葉は
思いもよらぬ言葉だった
産後間もなかったし、
お姉ちゃんのことでいっぱいいっぱいだったから、
あんたのことなんか考える余裕なかったわ
小学生だった私は、訳がわからないまま心の奥の深くに傷が付いてしまったことすら気づいていなかった…
そして退院した3歳の姉と生後5ヶ月の私と
ようやく4人家族での暮らしが始まった。
父は炭鉱で夜遅くに帰ってくることもあり、
母は知り合いも居ない土地で子育てをするようになった。
きっとそれが全ての始まりだったのだろう。
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