本当に自立した人とは、依存先の多い人のことを言う
ある障害者の方の、この言葉が忘れられない。
震災でのできごとらしい。
車椅子のその人は、避難の際、ビルの上階にいたため、エレベーターが動かず困ったそうだ。
自分は階段が利用できないから避難できない。エレベーターを使うすることはできるけど、今は動かない。だから、自力で避難できない。
避難の方法は他にも考えられる。
例えばそんな時に自分を助けてくれる仲間が3人でも4人でもいたら、車椅子を担いで一緒に避難できただろう。
(その辺の話は私の記憶が曖昧で結局どうだったのかは覚えていません)
そしてふと気づく。
足が健常な人とは、階段に依存できる人、とも言えるのではないかと。
依存先が、自分より一つ多いだけの人なんじゃないのか。
ピンチになった時。
例えば高層階から降りたい時、階段に助けてもらう。
それがだめならエレベーターに助けてもらう。
それがだめなら人を集めて運んでもらう。
それがだめなら…
一つのものごとしかより所がないと、そのより所がなくなったとき、八方塞がりになる。
障害があるとかないとか関係ない。より所の多い人ほど、自分がだめになったときに助けてもらえる選択肢が多い。
それは言いかえれば、特定の何かに依存し過ぎることがない、ということ。
自立しているとは、そういうことではないか。
仕事がだめでも家族がいる。
家族がだめでも友達がいる。
友達がダメでも趣味がある。
仕事だって一つじゃなくていい。複数持てれば、安心できる。
家族だって、夫、子ども、親、きょうだい、親族…
なんでも話せる、心の許せる友達は多い方が良い。
たくさんの趣味を持つと、飽きても飽きてもやることが尽きない。
本当の依存状態とは、唯一の何かしか信じられないこと。
だからそれがだめになってしまうと、あっというまにつぶれてしまう。
自分を強く保てる人とは、依存先が多い人。
自分がだめになりそうな時、助けてもらえる何かをたくさん持っている人。
自立した、強い自分でいるために、世界を広げよう。
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