イチローの才能を開花させた仰木監督のリーダーとしての能力が半端ない
プロ3年目を迎えた20歳の頃の
イチローの成績はわずか12安打。
打率は1割8分8厘。
細身で特に目立った選手では
なかったイチローの才能を
見出したのは仰木彬監督でした。
当時のイチローの
バッティングスタイルは
右足を動かしながら
タイミングを取る
『振り子打法』
今までにない独特な
そのやり方はコーチ陣などに
矯正されがちですが、
仰木監督がフォームの矯正を
することは一切、なかったそうです。
出場の機会を得たイチローは
すぐに活躍。大ブレーク。
その後の活躍は
誰もが知るところ。
イチローはその後、世界の
『ICHIRO』へとなりました。
イチローはメジャー移籍後、
キャンプ中の仰木監督に
会うためだけにわざわざ
宮古島まで出向くほど、
監督を尊敬していたそうです。
あるインタビューでは
『僕の唯一人の師匠ですから』
と答えています。
同じ仰木監督の元で
活躍した選手の中に元大リーガーの
レジェンド野茂英雄投手がいます。
体全体を大きくひねって投げる、
それまで見た事のないような
『トルネード投法』
最初見た時はびっくりしました。
その独特なフォームに対して、
専門家などから多くの批判の
声があったそうです。
ただ、仰木監督は
そんな雑音を一切無視。
コーチ陣には『触るな』と
厳しく指示していたそうです。
仰木監督は選手にほとんど、
指示をしなかった事でも有名です。
それは選手たちの言葉を
聞いてもよく分かる。
『イチローとの1、2番コンビを
組んでいた福良選手は
戦略の意図を説明されたことは
一度もなかった』
と語っています。
また、他の選手は
こうも言っています。
『本当に何も言われた ことがないんですよ。
練習でも、ゲームでも 会話という
会話をしたことがなかった』
選手を信頼して、自分で
考える機会を奪わずに、
各々の個性を尊重して、
チームとしてまとめあげる。
僕が仰木監督のことが
大好きな理由です。
侍ジャパンのコーチでもあった
元大リーガーの吉井元投手は
こう語っています。
『なんだ、このオヤジと
ずっと思っていたけど、
あとで、意図が分かるんですよ。
自分が少し怒るくらいが
パフォーマンスが上がる事を
知っていてあえて、そうしていた事を
引退間近に打ち明けられました』
名監督と呼ばれた仰木監督ですが、
遊び人としても知られています。
テレビ出演した時には
女性アナウンサーに猛アタック。
選手が監督室に呼ばれた際には
両サイドに美女がいる事が
多かったそうです。
ものすごい酒豪でもあったそうで、
ミーティングで『門限の設定』
の話し合いが出て、
違反者には罰金を科せようと
という話になった時には、
監督本人が猛反対したそうです。
その理由は
『自分が1番困るから』
仕事が出来る人は
良く遊ぶと言いますが、
まさに、そんな人だったんですね。
僕は仰木監督が
本当、好きなんですよね。
ふと、仰木監督のことを
思い出したので記事にしてみました。
僕が心から尊敬している
リーダーの一人です。
『人は誰と出会うかで
人生が大きく変わる』
イチローも野茂英雄も
仰木監督との出会いがなければ、
違った人生を送って
いたのかも知れませんね。
彼らの成功がなかったら、
今日の日本人メジャーリーガーの
活躍もなかったかも知れない。
そう考えると、
仰木監督の功績は
計り知れないと思います。