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『接客力』も大事だけど『お客力』も大事

『お客様は神様です』
という言葉に違和感があります。

僕の中では
『お客様も神様です』
の方がしっくりくる。

一番の理想の形はお互いが
お互いに対して感謝して、
『あなたは私にとって神様です』
そう思い合える関係なんだと
思っています。

飲食店にいくと、
僕にはとうてい作れないような
美味しい料理と楽しい時間を
提供してくれるわけです。
そんなお店は僕にとって、
まさに神様のような存在です。
でも、お店側からすれば、
お客さんがいてくれて
始めて、商売が成り立つ。

本来、どちらか一方が偉いとか
という話ではなくて、
単なる価値の交換です。
そこに上も下もない。
個人的にはそう思っています。

飲食店などで偉そうな態度を
とる人が大嫌いです。
そういう人とは友だちにはなれない。

勘違いをしている人を生み出して、
『カスタマーハラスメント』
の要因のひとつになっているのが
『お客様は神様です』
という言葉なんじゃないかと
思っています。

『お客様は神様』ではなくて、
『お客様も神様』です。

『お客様は神様です』という言葉は
演歌歌手の三波春夫さんが
昭和36年ごろに地方公演で
はじめて口にしたのが
発端だと言われています。

ただ、その言葉を使った真意は
神前で祈るときのように雑念を払い、
真っ新な心にならなければ
完璧な芸を披露することはできない。
そういう心構えを表現した言葉
だったそうです。

ただ、その言葉が間違った
解釈をする人が増えてしまって、
お客様は神様なんだから、
お客様の言うことは何でも
聞かなければいけない。
そういう風潮が生まれて、
一部のお客は自分は神様なんだからと、
偉そうな態度をとる人が現れ始めた。

お店側には当然、
『接客力』が必要ですが、
お店を利用する側の人間にも
『お客力』が必要不可欠だと思っています。

そのお店をしっかりと見渡して、
その店の流儀やルールに従って、
相手に気持ち良く働いてもらうようにする。
相手に気持ち良く働いてもらうことで、
気持ち良く最高のサービスを
受けることが出来る。

『接客力』の話題は
よく耳にしますが
『お客力』の話を聞く事は
ほとんどありません。

『お客様は神様です』
という言葉に違和感があります。

お互いがお互いのことを
『あなたは私にとって神様です』
そう思い合う風潮が
どんどん、広がっていけば、
もっと、みんなが気持ち良く
売ったり買ったり出来る
ようになると思っています。

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新里哲也|沖縄プロデューサー
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