『もったいない』が人生を豊かにする。人生の足かせになる
日本語の『もったいない』という言葉。
ノーベル平和賞を受賞した
ケニアの環境保護活動家
ワンガリ・マータイさんが
来日した際に、『もったいない』には
モノを尊敬し大切にする気持ち
を含んでいることを知り、
その概念は他国にはないことから、
『MOTTAINAI』を世界共通語として
広めることを提唱しました。
ただ、この『もったいない』
という感覚が日常の中で
場合によっては足かせに
なる事もあるように思います。
高いお金を払って買った服を
何年も着ていないのに
なかなか捨てられない。
参加したパーティーが
全然、面白くないのに、
せっかくお金を払ったからと
最後までいてしまう。
本来なら、着ない服は
捨ててしまった方が
はるかに合理的だし、
つまらないパーティーは
すぐに帰ってしまった方が
無駄な時間を使わないですむ。
僕も日常の中で
似たような事をいっぱい、
経験しています。
そのような行動をしてしまう事を
『サンクコスト』と呼ぶそうです。
『サンクコスト』は
支払ったコストや時間、労力に
気をとられ、冷静で的確な判断が
できなくなってしまう心理効果のこと。
すでに回収できないことが
分かっているのに、
自分が使ったお金や労力や時間が
大きければ大きいほど、
『元を取りたい』『損をしたくない』
という気持ちが邪魔をして、
結果的に大きなマイナスになってしまう。
日常の中でも良くありますよね笑
食べ放題でお腹いっぱいなのに、
払った分を食べないと
もったいないと無理して食べて、
動けなくなったり、体調を崩してしまう。
ビジネスの世界でも
サンクコストを利用した
事例はたくさんあります。
『せっかくもらった
特典だから期限内使おう』
とつい、あまり行きたくもない
店に行ってしまう。
せっかく会員のランクが
上がったから他にはいけない。
入会金や年会費を支払ったから、
あまり必要性を感じないけど
その期間はもったいないから続けてしまう。
部活で優秀な成績を残したのに、
続けないなんて、もったいない。
せっかく有名大学を
卒業したのにもったいない。
せっかくたくさんのお金を払って、
苦労して資格をとったんだから、
それを使わないともったいない。
日常の中に何度も何度も登場してくる
『せっかく○○したから』
『もったいないから』
僕が安定した仕事を辞めたとき、
まわりの人たちからいっせいに言われました。
『もったいない』
でも、僕の中ではやりたいことを
やらずに人生の時間を過ごす方が
はるかにもったいない。
そう感じたわけです。
何に対して、
『もったいない』と
感じるのかは人それぞれです。
当然、その人の自由です。
本当はもっとやりたい事や
得意なこと、楽しいことがあるのに、
どうしても支払ったコストや
時間、労力に気をとられて
コストの回収をつい優先してしまう。
見方によっては、
その方がはるかに
もったいなかったりします。
僕らは日常の中で
『せっかく○○したから』
『もったいないから』
そういう理由で合理的な判断が
出来なくなってしまうことがあります。
日本人は特に
『もったいない』
と思ってしまう傾向が
強いのかも知れませんね。
偉そうなことを言っている僕も
日常の中でサンクコストに
足を引っ張られてばかりです。
本当に『もったいない』のは
何なのかをしっかりと
見極めていきたいものです。