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お城マグネットで城巡り

城巡り、城ファン、城マニア、城研究家という趣味カテゴリがあると思いますが、そういう趣味でなくとも、ご当地マグネット集めをしていると自然と城を巡り、城マグネットが集まります。国内外18城を、37個のマグネットで紹介します。

マグネット紹介前に、日本の城基礎知識。
安土桃山〜江戸初期の城の数 約25,000城
(天守が無いものも含め)

一国一城令を経て江戸末期の城の数 193城

明治廃城令や空襲・震災等を逃れ現存する天守の数 12城

その内、
国宝5城】
姫路城、松江城、松本城、彦根城、犬山城
【重要文化財7城】
丸岡城、宇和島城、丸亀城、伊予松山城、備中松山城、丸亀城、弘前城

明治の近代化にあたり、江戸時代のお城なんて木造で危険だし、観光需要など無いし、好立地を軍施設や学校など有効利用できるし、潰して当たり前だったのでしょう。その中でも生き残った数少ない12天守。
奇跡ですね。
姫路城天守が戦後に大改修され今の姿に至っているのも、明治〜大正〜昭和初期の数十年間、解体すらされずボロボロの廃墟状態で放置されていたからという幸運によるもの。
現在全国に約200の城がありますが、ほとんどが再建です。


まずは島根県。

松江城

姫路城に次ぐ現存天守床面積を誇るのが松江城(別名:千鳥城)。日本で唯一、内部に籠城用の井戸が現存しています。松の古木が有名ですが、2024年6月樹齢100年の黒松の巨木が倒れてニュースにもなりました。
国宝に指定され、マグネットでも「国宝」をアピールしています。「1935年に国宝指定されるも、1950年に一旦重要文化財に格下げ。しかし2015年に完成年がわかる資料が発見されたお陰で国宝に返り咲く。」みたいな、関係者大喜びなストーリーもあるお城です。
城マグネットは風景だけで充分見栄えするものが多く、これもその一つ。


愛知県。

名古屋城

「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ」(伊勢音頭)
名古屋で外せない観光名所、名古屋城です。別名は金鯱城。屋根上の金の鯱鉾(シャチホコ)が有名。廃城令後は存続し、山縣有朋さんにも「姫路城と名古屋城は天守を残そう」と言ってもらえたのですが、結局1945年空襲で焼失。残念。今の天守は1959年に再建されたコンクリート造です。
一帯は桜の名所としても有名で、マグネットでも桜満開です。

名古屋城

城マグネットは、風景タイプと城形タイプに分かれますが、こちらは城形。そしてむしろ鯱鉾推し。

名古屋城の鯱鉾

これに至ってはもう、天守そっちのけで鯱鉾のみのマグネットです。鯱鉾こそが名物。
鯱鉾も1959年再建時に作られた2代目ですが、しばらく地上展示されていたのを、2021年ヘリコプターで屋根に戻したのが話題になりました。


神奈川県。

小田原城

かつては総構えの平山の城として最大だった小田原城です。後北条氏の拠点でしたが、天下統一の終盤に豊臣秀吉にガチで取り囲まれ、無血開城しました。当時「抗戦か、降伏か」の判断が延々決まらなかった経緯から、現代でも、長いだけで何も決まらない会議のことを「小田原評定」と言ったりします。
現在の天守は再建ですが、新幹線停車駅からサクっと歩いて行かれる手軽さがいいですね。
マグネットは城形。


長野県。

松本城

現存12天守、国宝5天守の一つである松本城です。「漆黒の要塞」。一説によると、家康の好みは白い城、秀吉の好みは金が引き立つ黒い城だったとか。お堀が広く水面に映る逆さ城の光景は一見の価値ありです。

松本城写真

周辺も観光地として整備されていて、何度でも訪れたい場所です。


観光地としてメジャー中のメジャーといえる、大阪城。

大阪城

天守はコンクリート造で再建。エレベータ付きであることに言及した首相発言が2019年当時波紋を呼びました。歴史への忠実さか。バリアフリーのおもてなしか。
まあ天守単体は「徳川時代に再建された天守台上に、資料の乏しい豊臣時代の天守閣を想像し大坂夏の陣図屏風絵などを参考に、鉄筋コンクリート造で模擬復興された創作物」=「史跡ミュージアムビルディング」と割り切り、桜や石垣やお堀や郭構造を含む大阪城公園全体に史跡としての価値がある。と考えるのが大人ではないでしょうか。

以下、大阪城マグネットが続きます。

大阪城

大阪城の屋根は元来は緑色ではないのです。昭和6年の再建時に採用された瓦は銅板被覆で10円玉と同じ色。緑色は、長い間に付着した銅サビ=緑青(ろくしょう)の色です。

大阪城

平成の大改修での屋根にまつわる話。シンボルでもある屋根の緑色を維持するため、新たな銅瓦を使ってサビるのを待つのではなく、元の5万枚の瓦を、緑青が剥がれないよう1枚1枚慎重に清掃して再利用したそうです。
その尽力を考えると、「史跡ミュージアムビルディング」はちょっと言い過ぎたかも。

大阪城

こちらは夜にライトアップされた状態の天守。故に屋根が緑色ではありません。

たぶん大阪城

たとえ富士山が後ろにあっても舞妓さんが案内していても、屋根の色と形で、多分大阪城です。


愛知県の城。

岡崎城

岡崎城の再建天守マグネットです。静岡県〜愛知県〜岐阜県〜滋賀県あたりは、三英傑を含め戦国大名が頻繁にうろうろしており(言い方)、歴史の説明が面倒臭い城が多いのですが、岡崎城で有名な史実というと、
「家康、生まれる」
「家康、不法占拠する」
「家康、城主である我が子を処刑する」
「家康の大河ドラマ館ができて盛り上がる」
などでしょうか。

どうする家康の「ど」

ポスト「どうする家康」の江戸時代になると、神君出世の聖地として重要視され、5万石でも岡崎城主になるのは名誉とされたそうです。


次も愛知県。

犬山城

名古屋城や岡崎城よりも地味な印象がありますが、たった5つしかない国宝天守の中でも最古の建築、犬山城です。信長、秀吉、家康が順に配下に収めた出世城。

犬山城

犬山市のマスコットキャラクター、わん丸くんとのコラボマグネットです。

下2つも、城型の犬山城マグネットです。

犬山城
犬山城

明治1871年の廃城令の危機も乗り越えますが、1891年濃尾大地震で半壊。しかしこの時代にしては珍しく地元町民の意識が高く、義援金で修復されて現在に至ります。2004年まで旧藩主成瀬家の私有物だったというのも珍しい。


岐阜県です。

岐阜城

かつて斎藤道三の居城であった稲葉山城のあとに、美濃国を制圧した織田信長が建てたのが岐阜城です。岐阜という地名も信長が付けました。現在の天守は再建。
金華山の山頂にあり、ロープウェイと登山8分とまあまあたどり着くのが大変な山城です。標高が高いだけに眼下に見下ろす夜景が綺麗なのですが、夜営業は期間限定なので、調べてから訪れることが必要です。

岐阜城パノラマ夜景

沖縄県。

首里城

国宝ではありませんが世界遺産の首里城。2019年正殿を含む多くの建物を焼失して2024年現在は復興再建中。実は火災焼失は1453年、1660年、1709年、1945年に次いで5回目です。
2019年の焼失時には、ユネスコ事務局長から「すべての人類にとって損失」とのコメントがあり、また世界遺産センター長からは、世界的繋がりにより再建を支援する意向が表明され、世界遺産登録取り消しも否定されました。
不撓不屈の象徴。再建の完了が待たれます。


京都府。

二条城

京都市の碁盤の目の中にある唯一のお城、世界遺産・元離宮二条城です。改修工事が完了し2024年9月から本丸御殿の一般公開が始まります。天守は1750年に落雷焼失、本丸御殿も国宝ではありませんが、大政奉還が行われた二の丸御殿が国宝です。
室町時代や安土桃山時代にも二条城はありましたが、場所は全然違います。「ああ、本能寺の変で信長の息子が襲撃された城か」というのは間違い。現在の二条城は江戸時代になってからのもの。京都御所の裏鬼門を守る位置にあり、城というより、ざっくり徳川家の京都滞在宿舎です。
マグネットに描かれているのは本丸御殿でも二の丸御殿でもなく、なぜか東南隅櫓という建物で、見張り台兼武器庫。二条城の紹介でよく出てくるのもこの櫓の写真が多いです。
このマグネットについて注目すべきはむしろ底面です。

二条城マグネットの底面

底面にまで石垣!!


兵庫県。

姫路城

国宝5城の1つであり、世界遺産でもある姫路城です。別名の白鷺城でも有名。白く、雄壮で、美しい城。そのマグネットになります。

姫路城

このマグネットに描かれているように、姫路城は桜の名所です。

姫路城と桜

そして、花見の名所でも。

姫路城天守から姫路駅方面を見下ろす

姫路駅と姫路城を一直線に結ぶ道は、大手前通りといいますが、駅中央コンコースから真正面に姫路城がそびえるのが美しく見えるよう意図して、道路整備されたのだそうです。気合いが入っています。

姫路城

姫路市キャラクターしろまるひめがぶら下がった姫路城マグネット。

姫路城

自分のコレクションは、国宝5天守のうち4つはあり、彦根城だけ未入手。

たぶん姫路城

左側に、西小天守が描かれているので多分。

たぶん姫路城
たぶん姫路城
たぶん姫路城

最後のは姫路城かどうか、かなり怪しいです。


佐賀県。

唐津城

バルーンフェスタのカラフルな気球や、肥前浜宿の藁葺き屋根に混ざってマグネットに描かれているのは、唐津城です。明治維新後に廃城。1966年に再建された模擬天守になります。
別名は舞鶴城で、一帯は舞鶴公園として整備されています。海岸近くに建っていて海からの景色も美しく、海城とも呼ばれます。


東京都千代田区。

江戸城

江戸城は、存在しません。

江戸城天守は三代目が最後で、1607年築城ですが1657年の明暦の大火で早々に焼失しました。以降、石垣の天守台だけ造って天守は未再建。江戸城全体としても、天皇陛下が引越ししてきたタイミングで皇居となり、消滅しました。皇居に変わる直前の正式名称が、ごく短い期間ながら「東京城(とうけいじょう)」だったというのは豆知識。

現存しない建物のマグネットって、観光土産という性質上いかがなものか。と思いますが、実は江戸城天守の再建は断続的に議論されているようなので、このマグネットは「再建実現を願った完全予想図」なのかもしれません。
そういえばサグラダファミリアでも、「完成したらこんな感じミニチュア」がお土産で売られていました。


ここからは海外の城ですが、世界の名城何十選とか何百選とかいう数には遠く及びません。簡単に5つだけ。

ハイデルベルク城

ドイツのハイデルベルク城です。ケーニヒスシュトゥール(王の椅子)と呼ばれる崖の上にあり、旧市街から見上げた姿は荘厳です。

ハイデルベルク城ライトアップ
ハイデルベルク城
ハイデルベルク城

次もドイツ。

ノイシュバンシュタイン城

ディズニーのシンデレラ城のモデルと言われているノイシュバンシュタイン城です。別名が白鳥城だと日本語で解説しているサイトがありますが、別名じゃありませんよ。
Schloss Neuschwansteinの、schwan(シュバン)は英語だとswan(スワン)=白鳥。つまり本名です。

ノイシュバンシュタイン城

左側奥にあるのがノイシュバンシュタイン城。


イギリス、スコットランドのエディンバラ城。

エディンバラ城

現在も陸軍が管轄し、衛兵が警備を担当しています。もちろん観光資源ですが。

エディンバラ城

キャッスル・ロックと呼ばれる岩頸の上にある要塞で、最も旧い建造物は12世紀の建築。


次は、城なのかどうか。

アルハンブラ宮殿

スペインの都市グラナダにあるアルハンブラ宮殿です。名称は宮殿なのですが、充分な守備力、戦闘力を備えた城塞都市であるため城という解釈で。


最後。

万里の長城

これも長「城」。
英語だとグレートウォール(壁)ですが。