土屋さんの、土屋さんによる、土屋さんのためのCXO Night - CXO Night #7 デザイン会社経営のリアル
▼▼▼ 第一部 ▼▼▼
・牧野 圭太さん:株式会社カラス代表 / エードット取締役副社長
・杉浦 太一さん:株式会社CINRA 代表取締役
・築地 ロイ 良さん:BIRDMAN代表/Creative Director
・土屋 尚史さん:株式会社グッドパッチ 代表取締役CEOさん(モデレーター)
この10年でクリエイティブ業界がどう変化したか
ロイさん
一番大きかったのはFlashが無くなったこと。皆Flashで儲けていた。
シフトチェンジで相当業界も変わった。
世の中のクリエイティブもプロダクトを作る方向にシフトして、数週間や数ヶ月ではなく「年単位」のプロジェクトが多くなった事。
牧野さん
スマホとSNSのインフラが整って、マス広告の時代じゃなくなった事。
新しい時代のインフラで戦うべきだと思った。
杉浦さん
独立系VCが出てきた事。
スマホが出てきて、人のコミュニケーションが言葉から文字中心になった事。
クリエイティブ会社を経営する楽しさ・難しさ
ロイさん
人の生活を変えるとか、新しい未来の事業を作っていくことが楽しい。経営は楽しくない(笑)
なんで楽しくないかというと、お金のことを考えないといけないから。クリエイティブの事だけ考えていたい。
牧野さん
経営むいていない。僕もひたすら手を動かしたい。
杉浦さん
オーナーシップ100%なところ。
誰のせいにも出来ない環境は、しんどいけど払うだけの対価は得られる。
クリエイティブ会社の成長の可能性はどこにある
ロイさん
面白いことやってる会社と組めれば、いい未来が待っていると思う。
土屋さん
クリエイティブ会社で独立する人が増えてほしい。そうしないとインハウス化が加速する。
インハウスいいけど、デザイナーと経営層が縦の関係になりやすくなる。独立しパートナー契約を結ぶと、経営層と対等な立場になり、意見を通しやすくなるメリットもある。
▼▼▼ 第二部 ▼▼▼
・土屋 尚史さん:株式会社グッドパッチ 代表取締役CEO
・坪田 朋さん:dely株式会社 執行役員 CXO / Basecamp CEO
UIデザイン市場の変化
土屋さん
年々デザイナーの価値が上がっている。
7〜8年前からUXという言葉はあったが、意味を知らない人が多かった。
8年前起業した時は、Goodpatchのデザイナーの単価は、真ん中ラインで人月60万。今は200万。
坪田さん
CDOやCXOっていう肩書が認知されていなかったので、自分で肩書を名乗った。
6年前は30代UIデザイナーの年収は、400〜500万円ぐらいだった。今はリードデザイナークラスだと、700〜800万円ぐらい。そこまでもらってない人は、転職すれば貰えるよ(笑)。
経営者になりたい人も増えている。
変化を踏まえてのビジョンや方向性
土屋さん
数年以内には上場したい。
デザイン会社の資産は「人」だから、人が育つ会社にしたいと、創業当初から思っていた。
坪田さん
Q. どうやって育ててるんですか?
A. 勝手に育ってます。
土屋さんは、優秀な人は「成長する人・向上心がある人」と定義している。スキルがある人ではない。
教えてもらうつもりで来る人は、割とNGと考えている。
3〜5年後を考えるとUIデザイナーは何を準備しておくべきか
土屋さん
BTC人材になる事(総合格闘技ができる事)。
事業難易度が上がっているから、デザイナーの領域だけ守って結果を出せる時代は、もう終わっている。
器用貧乏だと思っている人は、バランス感覚に優れている人と思えばいい。なぜなら、どんな人とでも一緒に仕事出来るから、巻き込み力と調整力がとても高くなる可能性がある。
坪田さん
最近流行ってますね、総合格闘技(笑)。
総合格闘技が大事。なんか見たことあるなと思ったら、Btraxの記事に同じような事が書いてあった。
なぜ日本ではデザイナーの地位が上がらないのか?
土屋さんの夢を教えてください
土屋さん
iPhoneが出てきた時のようなインパクトを残したい。
Goodpatchはデザインの力で、本質的な価値をユーザーに届ける仕事をしている。世の中の人々が、もっとこういう仕事が出来る世界にしていきたい。
デザインに関わる人達の、年収を上げていきたい。
坪田さん
Q. 年収いくらくらい上げていきたいんですか?
A. Gootpatchは、平均年収1000万円を目指している。今は600万円。
最後に
話の中で、adotがBIRDMANを買収した話や、海外ではデザイン会社が買収されまくっている話が出た。
それはなぜなのか、自分なりに深掘りして考えてみた。
なぜ、デザイン会社を買収する話が加速しているのか?答えは単純で、デザインは金になるからだ。
ではなぜ、デザインは金になるか?それは、人の消費がモノから「コト」に移行した現代では、人は体験にお金を払う時代になったからだ。
ではなぜ、「体験の」デザインが稼げるか。それは、人の信用がモノから「体験」に移ったからだ。
ではなぜ、人の信用がモノから「体験」に移ると稼げるか。それは、人がお金を信用しているからだ。
ではなぜ、人がお金を信用しているのか。それは逆で、お金は信用を数値化したものだからだ。
つまり端的に言うと、デザイン会社の買収やデザイナーの単価が上がっている理由は、全て同じ答えに行き着く。
それは、人がデザインの力を信用しだしているということだ。
だから、自分の持っている信用=お金を、デザインという力にベットしだしている。
ということなのではないだろうか?