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幽刃の軌跡 #25

第25話「瀬戸内の静寂と霊域の叫び」

静かな海の上、四国軍の最後尾に陣を敷く総帥・平 真男(たいらの まお)は、戦局を見つめながら、海の向こうに広がる平安の大地に目を凝らしていた。彼の隣には、四国軍のエースである平 琴太(たいらの ことた)が立ち、静かに指示を待っている。風が船を揺らし、帆の音が遠くから聞こえてくる。


真男「相当な戦力を平安王は隠しておったということやな。あんな妖力使いは久方ぶりに見たわ。土佐族の小童二人も相当な手練れだと思っておったが、そろそろ出番ではないか…」


真男は、冷静に状況を分析しつつ、琴太のほうを向いた。彼の声には、長い戦の経験から来る重みと慎重さが感じられる。


琴太「はい、総帥。やはり土佐族なんぞに任してはおけませぬ。そろそろ私の軍も出陣します。」


琴太は、鋭い目つきで前方を見据えながら、自信に満ちた声で答えた。その声には、四国軍のエースとしての誇りと、自分がこの戦を終わらせるという強い決意が滲んでいた。


真男「まあ、土佐族の情報は正しかったのか。お前の目で確かめて来てくれ。いざとなれば俺も出陣する。藤原には平家の怨念を晴らさねばならん。」


真男の言葉は、平家の歴史と怨念を背負った重いものだった。かつての戦いで失われた平家の名誉を取り戻すという使命感が、彼の言葉の裏に隠されていた。


琴太は一瞬目を伏せた後、再び真男を見つめた。その表情には決意が満ちており、彼もまたその宿命を背負う者の一人だった。


琴太「わかりました、総帥。私が必ず、この目で真実を確かめます。」


琴太は軽く頭を下げると、静かにその場を後にした。静かな海の上に、戦の緊張感が漂っていた。


竜馬は天狗に圧倒され、瀕死の状態で地面に倒れていた。体中が痛み、息も絶え絶えだが、まだ天狗の次なる攻撃に備えて剣を握りしめていた。


天狗「お前…弱いな。これで終わりじゃ!」


天狗は笑いながら朱留の体を操り、巨大な斬撃を放った。その斬撃は空気を切り裂き、まっすぐ竜馬へと向かっていく。


竜馬は目を見開き、これで自分の終わりだと悟った。だがその瞬間、空から黄金色の巨大な手が降りてきて、天狗の斬撃を受け止めた。


「金剛守手!!」


その声は竜馬にとって聞き慣れたものであり、彼はかすかに希望の光を感じた。しかし、天狗の斬撃はその手をも破り、竜馬と近くにいた大森に襲いかかる。


天狗「ほう…妙な力を感じたが…まぁ良い。」


天狗の笑い声が轟き渡り、竜馬と大森の姿は斬撃の中に消えた。


天狗「次はすべてを無に帰す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


天狗は歓喜の叫びをあげ、次なる破壊を見据えていた。その時、空気が変わり、周囲に不思議な静けさが漂い始めた。


そして、柔らかく、透き通るような美声が響いた。


「霊域解放…」


その声と共に、周囲の空気が急激に変わり、新たな力がその場に現れる兆しを感じさせた。


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