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組織化での考慮点

 ソフトウエアプロダクトを販売する企業のプリセールスの組織を考える時に、考えるべきポイントがいくつかあります。ここでは、そのポイントについて記載しますので、自社に適した組織を作る参考になればと思います。各社によって、扱う製品の特性から、ターゲット顧客、商談クローズまでのリードタイム、製品のバリエーション、パートナーとの関係などによってプリセールスの組織体制は異なります。以下ではこうした点をどのように考慮すべきかのポイントを考えてみます。また、ここではSaaSの製品を前提にまとめています。

ターゲットの顧客

 これは対象となる製品やサービスが企業のサイズ(大企業、中堅企業など)、業種、部門のどこをターゲットとするかで決まる要素になります。大企業向けなのか、中堅以下の企業向けなのか、またはその両方なのかでチーム体制が異なりますし、業種に特化する場合はターゲットの業種別の組織になるでしょう。また、特定の業務領域に特化した製品の場合は、その専門性を持ったエンジニアのチームが必要になります。中堅企業向けの場合、販売先(ユーザー部門に売り込むのか、IT部門に売り込むのか)によって必要なスキルも異なってきます。営業の戦略に基づいて、このような要素を考慮します。

製品バリエーション

 扱う製品のバリエーションが単一製品なのか、複数製品なのかによって、準備する専門のエンジニアの体制に影響します。複数製品を合わせて提案する場合は、提案の複雑性も増すため、案件自体のリード役と各々のプロダクトの専門家とを分ける考慮が必要かも知れません。プロダクトに関する専門性を高めるためには専任のプロダクトチームにする方が良いでしょうし、これが冗長だと考える場合は各プロダクトの「担当」を置くことでチームとして複数のプロダクトの知識を習得する方法を考える必要があります。

営業の組織とのアラインメント

 プリセールスの部隊は、営業の売り上げ達成に貢献する目的から、営業の組織とどのようにアラインメントを取るかを考える必要があります。シンプルに考えれば、各営業部に対応した組織とすれば良いわけですが、これでは各製品の専門家が分散して製品の専門性を高める事が難しくなる場合があります。営業が業種別や企業規模別になっている場合も、そのターゲット顧客に合わせた体制が必要になるでしょう。組織が小さい場合には、営業とのアラインメントはマネージャーが行い、メンバーは各々の専門性を活かしたアサインで済みますが、組織が大きい場合には役割を分けて営業とのアラインメントと専門性の双方を高める考慮が必要になります。
 営業との連携を考える上で重要な点は、相対する営業組織と同じ目標を持って活動出来るか、対等の立場で数字達成のための案件アセスメントや提案内容の精査が出来るかにあります。つまり営業の依頼にただ対応するだけでなく、会社のリソースであるプリセールスを数字達成のために最大限に活用出来るよう、優先順位をつけた案件整理が営業と対等に話し合える環境にあるかが重要です。


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