【サイバーセキュリティ】修理のしやすさを示す「保守性」とは?
はい、こんにちは。前回記事からの続きです。システムの品質を評価するための基準「RASIS」について、紹介していきます。
前回は一つ目の要素、「信頼性」(Reliability)の尺度としてMTBF(平均故障間隔)を紹介しました。算出式は分かりやすかったですね!
今回は、順番通りに行けば、可用性(Availabitliy)をご紹介するはずですが、説明の都合によりこれをスキップして、「保守性」(Serviceability)をご紹介します。
この「保守性」と「信頼性」を踏まえることで、「可用性」を説明しやすくなりますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
では、いってみましょう!
「保守性」を一言で説明すると?
まず「保守性」とは、何でしょうか?一言で言えば、「修理しやすいこと」です。
どんなに故障しにくいシステム(信頼性の高いシステム)であっても、ひとたび故障すれば修理に時間がかかるようでは、よいシステムとは言えませんね?
このように、信頼性だけでなく、保守性もシステムの評価に影響する重要な要素です。
「保守性」をどう測るのか?
では、「保守性」をどう測りましょうか?信頼性と同様、定量的な尺度が欲しいですよね?
はい、定量的な尺度があります。MTTR(平均復旧時間、平均修理時間)です。これは、Mean Time To Repairの頭字語です。
もう、「ミーンなんとか」が多くて覚えにくいですね。とはいえ、もとになった英語の方を先に覚えられれば、頭字語が自然に思い出せると思います。
数式は次の通りになります。
例えば、3回故障して、停止してから稼働を再開するまでの時間が、100時間、200時間、300時間だったら、MTTRは、200時間となります。
MTTRの単位は、信頼性のMTBF同様、「週、日、時間、分」などの時間です。
MTTRは、値が小さいほどよいですね。
「保守性」を高める方法
保守性とは何かは分かりました。では、保守性を高めるにはどうしたらいいでしょうか?
注目しておきたいことは、技術的な要素(バックアップ、冗長化、診断や修復の自動化)だけでなく、人的な要素も含まれることです。
チームが継続的に学習してスキルを高められているか?
すぐに対応できる体制が整っているか?
日頃からドキュメントを整備する習慣があるか?
などです。人無くして品質の高いシステムは提供できませんからね…。
はい、本日は以上となります!これで、対をなす評価尺度
MTBF(信頼性の尺度。平均故障間隔)
MTTR(保守性の尺度。平均修理時間)
をご紹介できました!
これを踏まえて、次回は「可用性」についてお話しします!
では。